自分の経営する飲食店でミルキークイーンを使ってみたいと考えているけれど、どんな特徴のお米かわからないのでいま一歩踏み出せないと感じている人はいませんか?
この記事ではそんな人に知ってほしいミルキークイーンの特徴から炊き方のコツまで詳しくご紹介します。
ミルキークイーンとは
ミルキークイーンはコシヒカリを基に品種改良されたお米の1つです。
コシヒカリを超える食味のお米を作ることを目的として1985年から行われた、農林水産省の「需要拡大のための新形質水田作物の開発」プロジェクト(スーパーライス計画)の一環で育成、開発されました。
ミルキークイーン単品でも販売されていますが、食味を向上させるためのブレンド米、また家庭外で調理した食品をテイクアウトして家で食べる、中食用のお米としても用いられているのが特徴的だと言えるでしょう。
名前の由来
うるち米は玄米の場合、一般的に半透明です。
しかしミルキークイーンの場合は、玄米の表面が乳白色に見えることから「ミルキークイーン」と名付けられました。
ミルキークイーン特徴まとめ
ミルキークイーンにはどのような特徴があるのでしょうか。
表にまとめてみました。
項目 | 概要 |
食味 | ・弾力がありもちもちとした食感 |
低アミロース米 | ・お米の粘りに関連するデンプンで数値が低いほど粘りが強くなるアミロースは北陸産のコシヒカリでは18.4%ほど含まれているが、ミルキークイーンでは9%~12%しか含まれていないため粘りが強く、冷めても固くなりにくい |
見た目 | ・光沢がある |
栽培しやすさ | ・寒い気候でも栽培できるが、栽培の北限は東北地方南部となっている |
ブレンド米 | ・食感の良さや弾力があるお米とするのを目的としてブレンド米に多く利用される |
ミルキークイーンはコシヒカリを超える食味を目指して開発されましたが、現在ではコシヒカリと比較して食味や粘りの面で優れていると評価されています。
アミロースの含有量が低く、モチモチとした強い粘りがあるお米
飲食店の方々がこだわるミルキークイーンの食味について、もう少し詳しく見ていきましょう。
お米の80%はデンプンですがその種類はアミロースとアミロペクチンの2種類あり、もち米はアミロペクチン100%、アミロース0%であることからアミロースが低い方がお米には粘りが出ます。
ミルキークイーンでは前項目でご紹介した通り、コシヒカリと比較して約6%~9%アミロース含有量が低いため、粘りが強くなるという仕組みです。
なお現在では、ミルキークイーンが低アミロース米となったのは胚乳の糯性・粳性を決定する遺伝子の突然変異によるものだったことがわかっています。
おいしい炊き方は?
ミルキークイーンはコシヒカリを超える食味を目指して開発されたお米なので、飲食店のメニューとしてお客様に提供するなら、炊き方にもこだわることをおすすめします。
ミルキークイーンの炊き方においてこだわってほしいのが水分量なので、その詳細を見ていきましょう。
水分量のコツ
ミルキークイーンを美味しく炊きたい時は、冬場なら1時間程度、夏場なら30分程度吸水させることで、ごはんをよりふっくらとさせることができます。
吸水させる水の水温は低い方が望ましいため、夏場は冷蔵庫に入れておくとよいでしょう。
また、ミルキークイーンは他の銘柄のお米よりも水分を多く含み、やわらかくなりやすいという特徴があるため、通常より水を1割(生米に対し1.35倍の加水率)少なめにするのもコツです。
相性のいい料理・メニュー
ミルキークイーンは弾力がありもちもちとした食感と、粘りが強く冷めても固くなりにくいのを特徴とするため、それを活かせる料理との相性が良いと言えます。
お弁当、おにぎり
ミルキークイーンは粘りが強く冷めても固くなりにくいため、お弁当、おにぎり、炊き込みごはん、米菓などを作ると良く合うでしょう。
味がしっかりしていることから、純粋にお米の味を楽しめるメニューにするとミルキークイーンの良さが引き立ちます。
焼肉や生姜焼きや唐揚げなど肉料理
ミルキークイーンはお米そのものの食味がしっかりとしていることから、さまざまなお米の中でも突出して肉料理に合うとされています。
肉料理は濃い味付けをすることが多いですが、ミルキークイーンは柔らかいお米であるという特徴を持つことから、肉料理のソースやタレがよくしみ込んで味をさらに引き立ててくれるのです。
まとめ
ミルキークイーンはコシヒカリを超える食味のお米を作ることを目的として、コシヒカリを品種改良することで生まれたお米ですが、炊き方や合わせるおかずにこだわることでさらに美味しく食べることができます。
この記事も参考にして、ぜひミルキークイーンに合う料理を積極的にお客様に提供してみてください。