炭水化物というとお米と小麦がすぐに思い浮かぶけれど、含まれる他の栄養素やカロリーの違いはどのくらいあるのか、どっちが太るか気になるという人は多いのではないでしょうか。
ざっくりとした違いでいうと、ご飯は収穫された新鮮なお米に水分を加えて炊いたもの。
一方、パンは、小麦に砂糖や塩、油脂などを加えて作った加工品。
この記事ではお米と小麦の栄養比較を行い、それぞれの特徴についてまとめてみました。
1.日常食にぴったりのお米
日本人は古来お米を主食としてきましたが、今でもお米は食生活の中でなくてはならない存在であり、必要なエネルギーをお米から摂取しているのは変わりません。
なぜこのように日本人にお米が愛され続けているのか、その理由は次の2つです。
a.お米で得られる効果
お米を食べることで得られる効果を5つご紹介します。
①かみごたえがあるため腹持ちが良い
食品のかみごたえを数値で示し表にまとめた「かみごたえ早見表」ではお米のかみごたえは5、小麦を使用した食パンは3となっています。
数値が大きくなるほどかみごたえが大きくなるため、お米を食べる時の方がかむ回数が多くなり、満腹感を得やすくなります。
満腹感を人間に感じさせる満腹中枢が、食事で血糖値が上がったと感知するまでには15分~20分程度かかるとされているため、よくかむことでゆっくり食事ができるお米の方がより満腹感を得やすくなる仕組みです。
②お米のアミノ酸スコアのほうが高い
必須アミノ酸の配合バランスを点数化した「アミノ酸スコア」では100点に近いほうがスコアが高い。主食となる小麦と米のアミノ酸スコアを比較すると、小麦37点、米65点と、米の圧勝。
③アレルギーを引き起こさない
2018年に消費者庁が発表した「平成30年度食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業報告」では、アレルギーの原因となる食物の中で小麦は10.6%を占めるとわかりました。
これは鶏卵の34.7%、牛乳の22.0%に次ぐ3番目に多い数値となるため、小麦アレルギーを持つ人にとってお米は安心して食べることのできる食材の1つだと言えるでしょう。
参考:消費者庁「平成30年度食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業報告書」
④血糖値が上がりにくい
体内で炭水化物がでんぷんから糖に分解されるまでに一定の時間がかかり、腹持ちが良いため消化吸収が穏やかで血糖値が上がりにくい。ごはんはバターや糖分を含んだパンよりもGI値が低く、白米よりさらに玄米の方が低GIです。保存料などの添加物も含まれず塩分がなく、無添加でヘルシーな主食です。
⑤不足しがちな栄養素をとりやすい
焼き魚、海藻、納豆や味噌などの発酵食品とお米は相性良いです。
・食物繊維
・マグネシウム
・オメガ3
不足しがちな上記の栄養素がパンに比べて取りやすくなります。
b.消化吸収もよい
お米はパンや麺類と異なり粒のままで摂取するためゆっくりと消化・吸収されます。
このため体に脂肪を貯めるホルモンの分泌がゆるやかになり、それに起因する体脂肪の蓄積を抑えることができるのです。
【調査結果】小・中学生の子供が朝食に最も食べているものは?1位は『白米』!
「小・中学生の子供が朝食に最も食べているものは?」とアンケート調査した結果、1位は『白米』でした。
・主食の白米は欠かせないものだと思うから。
・日本人なので米が1番だと思う。
・毎朝ご飯のメニューなので。
・卵かけご飯、ふりかけご飯が好きであるのと、目玉焼きやウインナー、味噌汁にはご飯が合うので。
・1番力がつくから。
・腹持ちがいいからです。
という声。
(引用元)
調査方法:インターネット調査
調査人数:200人(10代:2人、20代:28人、30代:91人、40代:59人、50代:15人、60代以上:5人)
調査主体:ARINA株式会社、おうち教材の森
調査時期:2022年3月3日
調査レポート:https://naki-blog.com/study/survey-report-11 (PRTIMES参照)
2.甘さや香りを楽しむ小麦
近年日本でもフランスパン、ドイツパンなどさまざまな種類のパンを楽しめる環境が整ってきたことから主食はパンが良いと感じる人も増加してきています。
なぜこのように小麦を利用したパンの人気が高まっているのか理由を2つご紹介します。
c.小麦で得られる効果
小麦を使用したパンを食べることで得られる効果は次の2つです。
①バリエーションが豊富で心が満たされる
パンは食パン、惣菜パン、菓子パンなどの日本特有のパンから海外から取り入れられたフランスパンまで種類が多いため、そのバリエーションで食卓を豊かに彩ることができます。
近年の食育分野では食事が心の健康に影響を与えることがわかってきており、栄養バランスの良い食事を楽しむことが健康につながるとされているのです。
そしてパンは種類豊富なだけではなく、さまざまなおかずとも相性が良いことがわかっています。
これらのことからパンは食べる楽しみを広げ、食べる人に満足感を与えてくれるのが特徴的だと言えるでしょう。
d.ハード系のパンなら噛む回数増
パンの中でもハード系のパンと呼ばれるバゲットやカンパーニュは食パンや惣菜パンと比較してしっかりとした固さがあるため、かむ回数が増加して腹持ちが良くなります。
バターやジャムなどさまざまな味を一緒に楽しむこともできるため、満腹感と満足感を両方得ることができるでしょう。
3.お米とパンの違い。それぞれ代表メニューのカロリー・栄養比較表、成分からみるお米の魅力
文部科学省が公表している「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」を参考にして作られた「食品栄養データベース」によるとお米(白米)に含まれる栄養成分と小麦を使ったパンに含まれる栄養成分は次の通りです。
栄養成分(可食部100gあたり) | エネルギー | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 | カルシウム | ビタミンB1 |
お米 | 156kcal | 2.5g | 0.3g | 37.1g | 3mg | 0.02mg |
食パン | 248lcal | 8.9g | 4.1g | 46.4g | 22mg | 0.07mg |
フランスパン | 289kcal | 9.4g | 1.3g | 57.5g | 16mg | 0.08mg |
ロールパン | 309kcal | 10.1g | 9.0g | 48.6g | 44mg | 0.10mg |
ベーグル | 270kcal | 9.6g | 2.0g | 54.6g | 24mg | 0.19mg |
ご飯は収穫された生鮮食品、パンは小麦に砂糖や塩、油脂などを加えて作った加工品です。お米とパンどちらも主食としての栄養価は高いと言えますが、おかずとの組み合わせを考えた場合お米の方がカロリーオーバーには結びつきにくいことや、たんぱく質を豊富に含む魚、肉、大豆やビタミン類を豊富に含む野菜と組み合わせてバランスの良い食事にしやすいことから食べるメリットが大きいと言えるのではないでしょうか。
参考:文部科学省「食品栄養データベース」
4.まとめ
お米と小麦を使ったパンで栄養比較をしてみると、主食としてどちらも優れた食品と言えますが、お米の方がカロリーオーバーしにくく、追加される脂質の量も小麦に比べて低いため、太りにくい、おかずとの栄養バランスも取りやすいという点で魅力的だとわかりました。
ぜひ主食として積極的にお米を取り入れ、健康な体を作るのに役立ててください。
参考動画 やっぱりパンよりお米が身体にいい!その5つの理由を解説
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