お米のブランドや鮮度、生産方法、購入した後の保存方法といったいくつもの条件が味を左右します。
実際食べる前に準備をする際、米を研ぐ際にも味が変わるため、正しい研ぎ方をすることが重要です。
そもそも、お米を研ぐ目的は何か、簡単に正しく研ぐ方法、米研ぎに役立つグッズを紹介します。
米研ぎの目的
なぜ米を研ぐ必要があるのか、米研ぎの主な目的を2つ見ていきましょう。
精米したお米の表面についている、ぬかとゴミを除く
昔は精米技術が低かったため、お米に大量の米の方が残っていました。
そのため、炊く前に十分に研いで米ぬかを出さなければならなかったのです。
しかし、現在では精米技術が上がっており、大量に米ぬかが残っていることはありません。
多少残った米ぬかや小さな目に見えないゴミを洗い流せば十分です。
お米の表面に傷をつける
お米についたゴミの除去だけではなく、お米に少し傷をつけるために米とぎをします。
少し傷をつけることによって水分を吸収しやすくなるため、美味しく炊き上がるのです。
力を入れるとお米が割れてしまうため、お米が割れないよう少し傷がつけることを意識して研ぎましょう。
簡単にするコツは「手早く、優しく」
お米を研ぐ際には、ゆっくり時間をかけて研がないこと、お米を水に浸けたまま放置しないことが大切です。
スピーディーにお米を研がなければならない理由や、研ぐ際のポイントを紹介します。
研ぎ始めは水を吸収しやすい
①ボウルに水をすすぎ、お米を測って水の中に入れます。
お米は乾物で水を吸収しやすいため、浄水器の水を使用すると安心でしょう。
②お米が全て浸かる程度に水を入れて、手でお米を2~3回混ぜたらすぐに水を捨てます。
お米にぬかが残っていると独特の香りも吸収するため、すぐに水を捨てることが重要です。
③お米を先にボウルに入れ、水を入れるケースが多いですが、ボウルに水が溜まるのを待つ間に臭いを吸収するため、先にボウルに水を入れてからお米を入れることがポイントです。
最初はすすぐ程度にして、何度も混ぜたり長い時間置いたりしないように注意しましょう。
手早く数回水替えをしよう
ボウルにお水がほとんど残っていない状態で、お米を優しく取ります。
少し手を握るようにして、一定の速さで20回程度研いで、お米に少し傷をつけましょう。
お米を研いだら水を入れてとぎ汁流し、再度簡単にかき混ぜて、とぎ汁を捨てます。
すぐに水を入れて、とぎ汁を捨てるのは2回程度行います。
お米が浸かる程度で、水が濁らずお米が透けて見えるようになったら完了です。
お米の汚れではなくデンプンが溶け出すため水が透明になると、お米の旨みや栄養、甘味が流れて出てしまった状態になります。
そのため、透明になるまで研ぐ必要はありません。
爪を立てたり、力強くこすらない
力を入れるとお米が割れるため、優しく研ぐ程度にしましょう。
さらに、水を大量に入れて研ぐとお米同士に摩擦が起こらずしっかりと研げないため、水の量を少なめにすることもポイントです。
お米を研いだら、お米の量に合わせて水を入れ、炊飯器で炊きます。
お米を炊く際の水は、ミネラルウォーターを使用すると美味しく炊き上がるでしょう。
米研ぎに役立つグッズを活用
とぎ汁だけを流せる専用グッズは、お米を研ぐ、水を切るといったことをスムーズに行える専用ボウルです。
穴が開いたボウルは一体型や、ザルとボウルを重ねる分離型などが販売されています。
耐熱性や耐久性があるステンレス製や、軽量で扱いやすいプラスチックなど素材も様々で、小さいサイズや4~5合以上に対応しているものなどがあります。
とぎ汁だけを流せる専用グッズは、水切りをしやすいことがメリットです。
一般的なボウルを使うと、水を切る作業をする際にお米も流れてしまいますが、専用グッズを使うとお米が流れないような小さな穴から水だけを流せます。
さらに、炊飯器の釜で洗う方も多いですが、釜が傷ついてしまうことがあります。
専用グッズを使えば、釜が傷つかないこともメリットだと言えるでしょう。
お米を研ぐ時だけではなく、麺を湯切りしたり野菜を洗ったりする際にも使用できることがメリットです。
研ぎ汁だけ流せる専用グッズの種類
一体型の専用グッズは、水切り穴が開いたボウルが単体で販売されています。
洗い物の数が減るうえに、収納スペースも取らないことが特徴です。
穴の位置は商品ごとに異なりますが、底の部分に穴が開いていると水を溜めてお米を研げないことがあります。
水を溜めてお米を研ぎたい方や、節水したい方はボウルの上の部分に穴が開いている商品を使いましょう。
さらに、水を溜めて米を研いだりするだけではなく他の食材も水切りできたりする分離タイプもあります。
ザルとボウルが重なっており、ザルの縁の部分にボウルを固定して、ボウルを傾けた際にザルが回転するためスムーズに水を切れます。
まとめ
近年では精米技術が向上しているため、お米を何度も研がなくても美味しく炊き上がります。
水が透明になるまで研ぐと旨味が流れ出し、お米の味が悪くなるため注意が必要です。
正しい研ぎ方をして、お米本来の味や食感を引き立てましょう。