お米の常温管理と低温管理の違いについて

お米の常温管理と低温管理の違いについて

目次


飲食店などである程度お米を備蓄している人にとって、保存や管理を常温でするのか低温でするのかは悩ましい問題なのではないでしょうか。この記事では、お米の保管時における常温管理と低温管理の違いについて詳しく解説します。

お米は生鮮食品

2013年に公布された食品表示法の第4条では、事業者にも消費者にも分かりやすい表示を目指した具体的な表示ルールである「食品表示基準」について触れていますが、この食品表示基準の別表第2でお米は「生鮮食品」に分類されています。

参考:食品表示法の概要(消費者庁)

鮮度が落ちると風味も落ちる

生鮮食品とは新鮮であることを求められる食品のことを指し、消費期限や保存方法の記載がないのが特徴的だと言えるでしょう。
生鮮食品の場合、鮮度が落ちると風味も落ちてしまいます。

お米は空気に触れた瞬間から酸化がはじまる

お米は空気に触れた瞬間から酸化し、傷み始めると次のような変化が起こります。

・赤や黒に変色しカビが生える
・虫が発生する
・お米の香りではなくカビの臭いがする

代表的な腐敗や劣化の基準となるのがカビや虫の発生なので覚えておきましょう。

お米の保存・管理方法

お米に適した保存や管理方法を考える上で知っておきたいポイントを3つご紹介します。

①精米前と精米後、それぞれのお米の状態

精米前のお米と精米後のお米を比較すると、精米前の方が精米後より約1年程度長持ちすると言われますが、保存できる期間になぜこんなにも多くの差が出るのでしょうか。
これはお米を精米すると、もみ殻やヌカ層が除去されて白米の部分が直接空気に触れるためなのですが、酸化がお米をどれだけ傷めるかがわかる事例であるとも言えるでしょう。

鮮度を保つ秘訣は「保管」方法

今までご紹介してきた内容から、お米の鮮度を維持するためには虫の発生や酸化を防止できるような保管方法を選ぶのが大切であることがわかります。

常温管理と低温管理とがある

お米の保管方法には常温管理と低温管理の2種類があり、日本の生産地では籾の常温管理、消費地では玄米の低温管理が行われてきました。
しかし美味しいお米を食べたいという消費者のニーズに合わせ、近年では生産地でも低温管理が増える傾向にあります。

常温管理とは

常温管理とはお米を常温で保管することですが、玄米の水分を15%以下に維持できて次の3つのポイントに気を付けることで常温保管が可能となります。

①お米は高温多湿を嫌う

お米は高温多湿な環境を嫌うため、常温保管をする部屋は換気扇を設置するなどして熱や湿気がこもりにくい環境を整えることが大切です。

②米袋から密閉できる保存容器にうつす

お米を傷ませてしまう原因となるのが酸化のため、保管する時は必ず米袋から密閉できる容器に移すことをおすすめします。
お米を袋のまま直接床に置いて保管すると、酸化が早く進むだけではなくカビも発生しやすくなるため注意しましょう。

③清潔な容器で直射日光を避ける冷暗所へ

密閉できる容器にお米を移したら、同じ常温でも直射日光が避けられる場所で保管するようにしましょう。
保管場所を決めたら定期的にそうじや換気をし、カビの発生源となるほこりを貯めないようにすることが重要です。

低温管理とは

低温管理とはお米を温度15度以下、湿度70~80%程度で保管することですが、次の3つのポイントを知っておくとより効果的に低温管理ができるでしょう。

①品質劣化の速度を遅らせる効果

お米は貯蔵中も呼吸をしてデンプンやタンパク質、脂質などの分解を行っていますが、この呼吸の量を低温管理で下げることによって品質劣化を遅らせることができます。

②風通しが良く15℃以下の涼しいところが理想

日本は温暖湿潤気候で夏は高温多湿で冬は寒いという特徴があり、この温度や湿度の変化がお米の品質を劣化させる原因となってしまいます。
お米にとっては風通しが良く温度が15度以下の環境が理想であるため、低温管理をするならできるだけこの条件に近づけた方がよいでしょう。

③温度変化を避けるには冷蔵庫で保管することがおすすめ

近年は1日の中で10度以上気温が変化することもありますが、このような激しい温度変化を避けるためにもお米は冷蔵庫で保管するのがおすすめです。

おすすめの保存・管理方法

お米の常温管理と低温管理の違いについてご説明しましたが、品質の劣化を防ぐためにもなるべく低温管理をするのが望ましいでしょう。
酸化を防止するためお米を1回分ずつラップでくるんで密閉し、温度が一定の野菜室で保管できると理想的です。

定期的に換気し除湿剤を設置

低温管理においてつい忘れがちなのが湿度管理ですが、冷蔵庫を設置している部屋を定期的に換気し、除湿剤を設置するとお米に湿気がつきにくくなります。
どれだけ丁寧に保管しても、冷蔵庫からお米を出した時に急に高温多湿な環境に置くとお米に霜や露がついてしまうので注意しましょう。

あきたこまちで、比較的どのような料理にも合いやすいと言えます。
このように揚げ物・肉料理・野菜料理・魚料理のようにおおまかなおかずが決まっているなら、それに合ったお米を準備するとそれぞれの品種による味の特徴をより活かせるでしょう。

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まとめ

お米の保管方法には常温管理と低温管理がありますが、品質劣化の速度を抑えるならお米を温度15度以下、湿度70~80%程度で保管する低温管理をするのが望ましいでしょう。
この記事も参考にして、ぜひ適切な方法でお米を保存してみてください。

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