お米には虫がわくこともあるのは知っているけれど、いざ虫がわいたらどのように対処してよいかよくわからない人も多いのではないでしょうか。
この記事ではお米に虫がわきやすい条件から虫がわいたらどんな対処方法があるのかまで詳しく解説します。
お米には虫がわくこともあります
お米は生鮮食品のため、保管の方法次第で虫がわくこともあります。
25度以上の常温保管は虫の発生・繁殖の原因に
お米の保管方法は常温保管と低温保管の2種類がありますが、常温保管でも玄米の水分を15%以下に維持する必要があります。
特に25度以上の気温になると虫の活動が活発になるため、お米を保管するなら高温多湿の環境は避けましょう。
NG①お米の袋にいれたまま保管
お米を袋のまま直接床に置いて保管すると、密閉されていないことから虫がわきやすくなります。
酸化が早く進みカビも発生しやすくなるため袋のままで保管するのはやめましょう。
NG②密閉されていない米びつ
お米を米びつに入れて保管するのはよいのですが、こちらも密閉されていなければ虫やカビが発生し酸化も進みやすくなります。
無農薬栽培米は稲の時点で卵を産み付けられている可能性もある
近年無農薬で栽培するお米が増えてきたため栽培課程で虫がつくこともありますが、これらは精米時に除去されます。
しかし産み付けられた卵は除去できないため、これが時間の経過とともに孵化する可能性はあると言えるでしょう。
お米の代表的な害虫と虫がついてしまったときの除去方法
お米に虫がつく原因について理解していただいた所で、お米につく代表的な害虫と虫がついてしまった時の除去方法をご紹介します。
コクゾウムシ
コクゾウムシの幼虫は米の内部を食べて成長し、米粉の中でさなぎとなって成虫になるとお米の外側を食い破って出てきます。
成虫になるとお米の表面に穴を開け産卵するのです。
お米を保管する米びつの中の米を頻繁に入れ替え、砕米などもきれいに取り除くことで除去できます。
ノシメマダラメイガ
ノシメマダラメイガはお米に最も多く発生する虫の1つで米ぬか、胚芽を中心に食害し、食べられた部分は白く濁ったように見えるのが特徴的と言えるでしょう。
精米をなるべく購入することと米びつを掃除して糠が残らないようにすることで除去できます。
コクヌストモドキ
コクヌストモドキは主に玄米の表面に卵を産み付け、幼虫は米の胚や糠を食べて成長し生存期間は約1年間です。
米びつの中に糠が貯まらないよう掃除をし、玄米や7分づき米は特に注意して精米することで除去できます。
コナナガシンクイムシ
コナナガシンクイムシの幼虫は米粒の内部が砕けてできた米粉の中で成長し、成虫は米の胚乳を食べます。
食害された米は精米時や洗米時に壊れやすくなるため、砕米を取り除きこぼれた米をよく掃除することで除去しましょう。
ノコギリヒラタムシ
ノコギリヒラタムシの幼虫は糠や胚を食べて成長し、成虫になると胚乳も食害します。
糠を米びつに残さないようにすることで除去しましょう。
虫がわいたお米は食べても大丈夫?
お米に虫がわいたら気分よく食べられないので捨てるという対処をする人もいますが、実はお米の味は落ちるものの食べても問題はありません。
しかし食べる時に留意してほしいことが2点あるのでご紹介します。
①お米につく虫に毒はないがアレルギーを引き起こす場合あるので注意
お米につく虫には昆虫が多いため、甲殻類アレルギーを持つ人はエビやカニを食べた時のようなアレルギー症状を引き起こす可能性があることから、食べるのは避けた方が望ましいでしょう。
②水洗いの回数を増やす
虫がわいたお米を食べるなら、次の方法で虫を除去しましょう。
・見える虫や幼虫は割りばしなどでつまんで除去する
・ザルで虫や幼虫を振るい落とす
・お米を水につけ虫を水に浮かせて除去する
・陰干しする
米びつも定期的に洗うようにすると虫がわくのを予防できます。
まれに虫がわかないための今後の対策
虫を発生させず美味しいお米を食べるためにも、一度虫がわいたタイミングでお米の保管方法を見直してみましょう。
保管方法の見直しが必要
お米の保管方法を見直す時のポイントは次の3つです。
ポイント①:密閉した状態で保管すること
密閉できる保管容器でお米を保管できているかどうか確認してみましょう。
お米を袋のままや密閉できない環境で保管すると、虫やカビ、酸化の原因となります。
ポイント②:強いニオイのするものの近くに置かないこと
ニオイ移りを防ぐためにも、お米は強いニオイのするものから遠ざけできるだけ風通しの良い場所や換気できる場所で保管しましょう。
ポイント③:湿気がなく、通気性がいい冷暗所に置くことお米を冷所に保存する(冷蔵庫がおすすめ)
高温多湿の環境もお米を傷めるため、冷蔵庫での保管をおすすめします。
唐辛子など市販の虫よけアイテムも併用
定番の米びつの虫よけアイテムと言えば唐辛子ですが、最近は100円ショップなどでも虫よけアイテムが手軽に手に入れられるようになりました。
これらの虫よけアイテムもうまく活用し、お米に虫がつくのを予防してみてください。
まとめ
お米に虫がわいても丁寧に除去すれば食べられますが、お米を美味しく食べるためにも日頃から虫のつきにくい環境で保管することが大切です。
虫の他にもお米の保管時によく起こるトラブルについて知りたい方は、当ホームぺ―ジからお米のトラブル対策をまとめた資料をダウンロードできるため、ぜひご利用ください。