米・食味鑑定士の試食コメント
雑炊は、簡単に言えば、ご飯をスープで煮込んだ料理です。基本的には、あっさりとした出汁に、卵や鶏肉、野菜などを加えたシンプルなスープで煮込みます。
雑炊の魅力の一つは、そのシンプルな味わいにあります。出汁や具材の風味がご飯に染み込み、美味しさがひとつになります。また、スープの出汁の味わいも大切で、出汁には昆布や鰹節、干ししいたけなどの素材が使われ、それぞれの風味が絶妙なバランスで調和します。
そのため日本全国には、地域によって様々な名物雑炊があります。
1.ふくしま県民食のふくしまじゃこ雑炊:福島県の郷土料理で、じゃことねぎを入れた雑炊です。出汁には鰹節や昆布を使用し、シンプルながらも風味豊かな味わいが特徴です。
2.かに玉雑炊:北海道の名物料理で、ズワイガニの身と卵を入れた雑炊です。かにのうまみがたっぷりと詰まった濃厚な味わいが特徴です。
3.あじめし:石川県の郷土料理で、アジを使った雑炊です。お米の中にアジの身がたっぷり入っており、香り高い出汁が絶妙な味わいを引き立てます。
4.いなり寿司雑炊:奈良県の名物料理で、いなり寿司を刻んだものを入れた雑炊です。だし汁には昆布や鰹節が使用され、素朴でやさしい味わいが特徴です。
5.親子丼風雑炊:東京都の名物料理で、親子丼の具材を雑炊にしたものです。鶏肉と卵の旨味がたっぷりと詰まったやさしい味わいが特徴です。
以上、いくつかの名物雑炊を紹介しましたが、地域によってはまだまだたくさんの種類があります。
また、雑炊は、食べやすく消化の良い食べ物であるため、食欲がない時や体調が優れない時にも食べやすい料理として親しまれています。
雑炊には、炭水化物、たんぱく質に加えて具材の栄養価もさらに増えます。
体に優しく、心も温かく包み込んでくれる雑炊は日本の家庭料理の代表的な一品であり、多くの人に愛されています。
雑炊に合うお米
美味しい雑炊には、一般的には粘り気のあるお米が適しています。粘り気があるお米は、スープと混ざりやすく、煮込んでいる間にスープにうま味を与えることができます。
お薦めするお米の銘柄として、「ハエヌキ」「ヒノヒカリ」「ハナエチゼン」などがあります。そのほか、粒ぞろいが良く、しっかりめで粒感が味わえるものがお薦めです。
ただし、好みによっては、粘り気のあるお米の方が好まれる場合もあります。好みの食感を探して、いろいろなお米を試してみるのも楽しいかもしれません。