業務用ガス炊飯器でお米の炊飯を安定させる炊き方、水の量のコツ

目次

業務用米は、家庭用米よりも価格が安く、店舗や施設などで大量にご飯を必要とする場所では重宝します。
業務用米の品質改良や技術の向上により、味のいい安い米のイメージが定着してきました。
また、炊飯器の性質が上がったこともあり、コツさえつかめば業務用米でもお客様が満足する炊き上がりになります。
今回は、業務用米を炊飯器でおいしく炊き上げるためのコツをご紹介していきましょう。

お急ぎの方は、業務用米を誰でも同じ炊き上がりにできるノウハウをまとめましたので是非ダウンロードしてみてください。

美味しいお米とは?

業務用のお米を美味しく炊くコツを知る前に、そもそも美味しいお米とはどういったものを指すのでしょうか。
食べた時に、多くの人が美味しいと感じるお米の特徴について押さえていきたいと思います。
業務用米を美味しく炊き上げる上でも、大切なポイントです。

美味しいご飯の特徴について

日本人にとって欠かせない食材といえば「お米」です。
お米を炊き上げることでできるご飯は、日本人の食事においてメインとなる存在でしょう。
そのため、ご飯の良し悪しが、その日の食事を左右するといっても過言ではありません。

ここで気になるのが、美味しいご飯の定義です。
まず、イメージするのが、ふっくらと米が立っていて、ツヤのあるご飯は非常に美味しく見えるでしょう。
お米の香りが感じられて、適度な粘りがあり、粒感を楽しめる固さが好ましいです。
また、冷めても米粒がしっかりしていて、口に入れたらお米の風味を色濃く感じられるかどうかも大きなポイントとなります。

炊き上げた時に粒が立つ「粒感」があって一口噛めば甘さやうまみが広がるご飯が理想のお米でしょう。

業務用米を炊飯器で美味しく炊き上げるコツ

業務用米は、コツを押さえるだけで、ぐっと炊き上がりが美味しくなります。
コツは一つではなく、いくつかあるので全て網羅することがより美味しく炊飯するポイントです。
それぞれのコツについて、細かく解説していきましょう。

業務用炊飯器でうまくお米を炊くには

業務用米を業務用炊飯器で炊く際には家庭用よりも大量に炊くのでお米の保管・計量・洗米・水切り・浸漬・加水・蒸らし・ほぐし・よそいと多くの工程で気を付けなければならないことがあります。

業務用炊飯器とは?炊飯時に気を付けることとは

いつも同じ人が同じように炊いているのに日によって味が違うのはどうして?

業務用米を美味しく炊くにはコツがいるんだ!

業務用炊飯器には電気炊飯器とガス炊飯器の両方があります。
業務用電気炊飯器は一般的に6合から3升炊きになり、業務用ガス炊飯器は2升から5.5升が多くみられます。

実は、炊飯するときは少ないよりも多い量を炊く方が炊きやすいといわれています。
それは大量炊飯の場合、微力の誤差であれば影響は少ないからです。

また、1升炊き炊飯器の場合、1升を炊くのではなく、8割の8合で炊くのが安定して炊け、逆に1升炊き炊飯器なのに、1升以上で炊くとうまく炊けないことがあります。

それは炊飯する際、お米の対流によりご飯の炊きあがりが左右されることがあるからです。
対流が悪いと釜内で炊きあがりにムラ(硬い、柔らかいの差)が出てしまいます。
1升釜の場合、8割程度(8合)程度に炊飯量を抑えて頂くことで、対流ムラを無くす事が美味しくお米を炊くコツです。

ガス炊飯器で大量炊飯時は、炊く人や、同じ人が炊いても計量の誤差で炊きあがりが大きく変わってくるので、毎回の計量を大切に行いましょう。

計量がとても大切なんですね。個人差をなくすには重量計量が必要だと分かりました!

業務用ガス炊飯器を使用する際の計量・洗米・水切り・浸漬・水の量は

業務用ガス炊飯器でおいしくご飯を炊くために、計量・洗米・水の量は重要になってきます。

  1. 計量:計量は正確に測って統一する。個人差が出るので重量計量を行うことをおすすめします
  2. 洗米:お米を傷つけないように短時間で洗米します
  3. 水切り(ざる上げ):余分な水分を切る工程です。水切りの時間が長いと乾燥によりお米が割れる恐れがある為、短時間で行ってください。
  4. 浸漬:最低30分の浸漬が必要で、浸漬時間によって粘りに違いがでます
  5. 水の量:コメの重量の1.3~1.4倍の水を用意してください

それぞれについて詳しく説明していきましょう。

米の粒をチェックする

業務用米を仕入れる段階から、お米を美味しく炊くコツは始まります。
まず、米の粒が揃っているかをしっかりチェックしましょう。
粒のサイズが揃っていると,ムラのない炊き上がりになります。

また、米に割れが入っていないかも確認する必要があります。
お米が割れてしまうと、割れた部分からデンプンが溶け出してしまい、べたついたご飯に仕上がってしまうためです。

計量

同じ人が同じように測っているのになぜか毎回ご飯の炊きあがりが違うことがあります。
美味しく炊きムラのない炊飯を行うには「計量」は正確に行わなければなりません。

一釜あたりの量を正確に測り、統一するには絶対に釜とお米を一緒に「重量計量」を行ってください。
お米の粒の大きさや、カップ計量の差により誤差が出てしまいます。毎回同じ炊きあがりを行う為にも「重量計量」を行ってください。

洗米

美味しい業務用米を選出したら、いよいよ炊飯器で炊く工程となります。
まず、お米を洗う際は、たっぷりのお水を使ってゴミを浮かせることが大切です。
たくさんの水につけると、糠臭い水がお米に染み込むことを防げます。

なるべくお米を傷つけず短時間で洗うことが大切です。

昔とは異なり、最近のお米は綺麗に精米されているため、研ぐ工程は必要ないでしょう。
洗い過ぎは破米の発生につながるので要注意です。


3〜4回程度、新しい水に入れ替えながら、多少濁りが残る程度で洗米します。

水切り

水切り(ざる上げ)ですが、家庭用炊飯では行いませんが、業務用では行うことがあります。
水切りする場合、注意しなければならないことがあります。

それはざる上げ後のひび割れです。洗米直後から徐々に水分が抜けてお米が割れてしまうのですぐに浸漬しないと水っぽいお米になってしまいます。

浸漬

お米一粒一粒内部に十分に水を吸わせて加熱する際に均一に糊化させるために必要な工程です。

お米に十分な水を吸わせることで均一に糊化させる為に必ず必要な工程です。浸漬時間が短いとご飯が固くなったり、黄ばみの原因にも繋がります。

浸漬開始30分で水を急速に吸収するので最低30分は必要です。
お米は1.3倍以上の水は吸水せず、浸漬70分で飽和状態になり、粘りはこの浸漬時間によって違いがでます。

加水

美味しいご飯を炊き上げるために欠かせないのが、水の量です。
業務用米は、基本的に大勢の人数に対するご飯を炊くことが多いでしょう。
そのため、米の重量で水加減を決めるのが通例です。

「加水量」は「洗米後」の重量に対して加えた水の量
      「浸漬後」の重量に対して加えた水の量  によって違いがあります。



2合(280g)炊飯したときの誤差(例えば水加減が10cc多くなった場合)は基本的な水加減 生米に対し、1.35倍=378ccとなりますが10cc増えるだけで1.38倍となり軟らかめに炊飯されてしまいます。いかにきちんと計量するかが重要なのかがわかります。

米の重量に対して、1.3~1.4倍の水を用意して、炊飯に入ります。
ここで、しっかりと浸水させることで、お米がふくよかになり、パサパサしたご飯になりにくいでしょう。

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入れたら美味しくなるアイテム

業務用米を炊く際に、一緒に入れると美味しくなるアイテムがあります。
例えば、お酒やみりんを入れると、炊き上がりに甘みを与えてくれるためおすすめです。
また、古くなってしまったお米に入れると、お米の臭みをとってくれます。

そのほか、木炭を入れる方法もおいしく炊くための裏技です。
最近は、炊飯専用に加工された備長炭も見られるので、活用すると良いでしょう。
業務用米を高級米のような味わいに変えるためには、昆布を一枚乗せて炊くのがポイントです。

また、にがりを活用するのも良いでしょう。
昆布は、お米に対して旨みを足す役目を果たしてくれます。
一方で、にがりは非常にミネラルが豊富です。
ミネラルの中に含まれる塩化マグネシウムが、お米の組成を変えるため、より美味しいご飯に仕上がります。

蒸らしやほぐしについて

炊き上がったご飯を美味しくする上で、蒸らしも欠かせない工程です。
ガス釜や電気釜を使っている場合であれば、炊飯まで20分程度かかります。

炊飯釜の仕様にもよりますが、ガス釜の場合、加熱開始から約25分~30分程度で、炊きあがります。

お米は加熱終了後でも芯まで水分が十分生きわたっていないので、95℃から98℃の温度で蓋を開けずに20分程度蒸らすようにしましょう。

しかし、必ず蒸らしの工程が必要です。お米を蒸らすことで芯まで加熱され、お米が2.2倍~2.3倍に膨張します。
スイッチが上がっても、10分~15分程度蒸らしを行う事が大切です。

蒸らし終わったら、ほぐしていきます。
家庭用とは異なり、量が多いためほぐしも丁寧に行うように心がけましょう。

まずは、釜の底からひっくり返していきます。
この際、空気を入れるようにほぐすのがポイントです。十字に切り、底から上下を入れ替えるようにほぐすことで、ごはんの粒立ちが良くなります。

蒸らし後に、すぐにご飯を食べない場合でも、しっかりほぐす必要があります。遅くとも20分以内にほぐすことが必要です。
余分な水分が飛び、ムラのない美味しいごはんになります。

まずは、釜の底からひっくり返していきます。
この際、空気を入れるようにほぐすのがポイントです。十字に切り、底から上下を入れ替えるようにほぐすことで、ごはんの粒立ちが良くなります。

ほぐしは釜内のご飯が上と下での炊きあがりを均一にする工程です。粒を潰さないようにしゃもじを立てることが重要です。
大量炊飯の場合、一度にほぐす事が難しい為、ケーキのように何等分かに分け、一つずつほぐしましょう。
ほぐしを行う事で余分な水分を取り除き、甘みが増し美味しいご飯になります。

万が一、ほぐさずに放置してしまうと、黄色く変色してしまうばかりか、コメのツヤがなくなり食感も悪くなるので欠かせさずほぐすようにしましょう。

ほぐしを行わない場合、ご飯の重量で底のお米が潰れてしまい食感が悪くなる原因になったり、蓋についた水滴が釜に帰り(釜帰り)、底のご飯がベタベタになります。

まとめ

昔と比べると、業務用米の美味しさはかなり向上しています。
加えて、炊飯時にコツを押さえて炊くと、より美味しさが増すでしょう。
どのコツも比較的簡単にできるため、炊飯するたびに実行することをおすすめします。

業務用米のメリットと用途って?

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