高齢者のための朝食メニュー介護食レシピ

目次

高齢者の方に健康を維持してもらうためには朝食をきちんと摂ってもらうことが重要なのは理解しているけれど、どのようなメニューが喜んでもらえるのかよくわからないと悩んでいる人はいませんか?
この記事では起きてすぐの時間帯でも高齢者の方が口に運びやすい介護食の朝食レシピについて詳しく解説します。

朝食はカラダの目覚ましごはん

2016年11月10日に行われた未来投資会議で、国際医療福祉大学大学院の竹内孝仁教授によって自立支援介護という新しい概念が提唱されました。
これは高齢者の方が「身体的自立」「精神的自立」「社会的自立」を達成できるように支援していくことを意味します。

自立支援介護における基本的なケアは、次の4つです。
①水分を1日1500ml摂取してもらうこと
②栄養を1日1500kcal摂取してもらうこと
③1日2km歩行による運動をしてもらうこと
④3日以内に自然排便してもらうこと

朝食で身体を目覚めさせ水分と栄養をしっかりと摂取してもらうことは、高齢者の方の自立につながりQOLも向上します。

参考:11/10第2回未来投資会議
参考:一般社団法人日本自立支援介護・パワーリハ学会「自立支援介護とは」


介護食で喜ばれる朝食

介護食において高齢者の方に喜んでもらえる朝食メニューとはどのようなものなのでしょうか。
2つの観点から考えてみましょう。

食べやすいメニュー

年齢を重ねると老化により人間の生体機能には変化が生じてきますが、この変化の中には消化・吸収機能の低下、排泄機能の低下も含まれます。
消化・吸収機能の低下においては具体的に脂肪吸収機能、糖質吸収機能、脾外分泌機能が衰えるため、脂質や糖質を大量に摂取することで下痢を引き起こすなどの体調変化をきたすのです。
また排泄機能の低下においては腎機能が衰えるため夜間頻尿や尿量の低下などを引き起こします。

これらのことから高齢者の場合、朝になっても夕食が消化しきれず空腹にならないといったことが想定されるのです。
このため朝食は本人が好きなメニューを取り入れたり、主食と主菜を兼ねたレシピで品数を少なくしたりと食べやすくする工夫をするのが望ましいでしょう。

参考:メヂカルフレンド社「新体系看護学全書老年看護学①老年看護学概論・老年保健」

手早くつくれる簡単なもの

介護食を作る場合、朝食であっても高齢者本人の飲み込む力や噛む力に配慮する必要があり、通常食と比較して作るのに手間がかかる場合が多いと言えます。
しかし介護者がそのことを負担に感じてしまうと、長期に渡って続けるのは難しくなるでしょう。
このことから朝食は作り置きのおかずを温めて提供したり、市販の介護食を利用したりするのも良い方法だと言えます。

市販の介護食でも、近年スマイルケア食などの国が定める介護食の基準に合致した食品が増え、タンパク質の摂取に配慮したり、高齢者の方の飲み込む力や噛む力に配慮したりできるようになってきているのです。
朝食は手早く作れる簡単なレシピで提供し、がんばりすぎない介護を目指すことが大切だと言えるでしょう。


おすすめの介護食朝食レシピ


栄養のバランスが良く、高齢者の方にとってあまり食べなければというプレッシャーになりにくいコンソメスープの朝食向けレシピをご紹介します。

材料(1人分)
・にんじん(1/4本)
・じゃがいも(1個)
・玉ねぎ(1/4個)
・キャベツ(50g)
・ウィンナー(2本)
・水(250ml)
・コンソメ(小さじ2)
・塩(適量)
・こしょう(適量)

作り方
①にんじん、じゃがいも、玉ねぎは皮をむいて水洗いする
②キャベツは芯を切り落とし、小さめに切る
③ウィンナーは1/4程度の大きさにカットする
④にんじんとじゃがいもは小さめの乱切りにする
⑤玉ねぎは2cm幅の串切りにする
⑥フライパンに水、コンソメ、切ったにんじん、じゃがいも、玉ねぎを入れて火にかけ沸騰させる
⑦アクを取ってからふたをして10分ほど煮込む
⑧にんじんとじゃがいもに火が通ったらキャベツとウィンナーを加えて弱火で5分加熱する
⑨塩とこしょうで味を整えて完成

具が多く感じるかもしれませんが、ほとんど野菜なので消化・吸収がスムーズで、汁物であることから身体も温まります。
高齢者の方の飲み込む力や噛む力に配慮して材料の大きさや火を通す時間を調整するとより食べやすく仕上げることができるでしょう。
またワンパンレシピのため、介護者の方にとっては朝食を作成する負担が減り、洗い物も少なくて済みます。

【関連記事】
朝ごはんにお米を食べることは栄養満点

参考動画 朝ごはん 高齢者 一人暮らしの朝ごはん

まとめ

高齢者の方のための介護食における朝食レシピは、自立支援介護のために栄養と水分がしっかりと摂れるメニューで、作る人の負担にならないものであることが大切だとわかりました。
高齢者の方の中には、施設やショートステイで他の人が朝ごはんを食べるのを見て、それまでは朝食を食べる習慣がなかったのに、新たなチャレンジとして朝食を生活の中に取り入れる方もいます。

年齢を重ねたとしても、良い生活習慣を学んでQOLを高められる可能性は十分にあるため、ぜひ朝食の大切さを知っていただき、楽しく食べられる朝食を提供するようにしてください。

お米の事なら関西業務用米.comへお任せください

お電話ご希望の方はこちら