ご飯には、玄米・白米・雑穀入り米などの種類があり、それぞれ栄養価に違いがあります。
玄米は「おいしくない」「硬い」「炊き方が分からない」など、ネガティブなイメージを持つ方もいるでしょう。
しかし、玄米は栄養価が高く、炊き方も難しいわけではありません。そこで、白米と玄米の違い、玄米を美味しく炊くための研ぎ方や水加減を紹介します。
玄米と白米の違い
玄米は、収穫した籾の籾殻を取ったものです。
籾殻は籾の外側にある殻のことで、玄米は糠と胚芽によって茶色をしていることが特徴です。
白米は玄米の胚芽と糠を除去して、胚に栄養素を送るための胚乳のみにしています。そのため、玄米とは異なり白色です。
また、玄米から白米にする方法を精米と呼びます。玄米はお米自体が硬くパサついており、しっかりと噛む必要がありますが、噛むと甘味を感じることが特徴です。
玄米の中にでんぷんが含まれており、唾液の酵素と合わさると糖に分解されるため甘く感じます。白米は玄米と比較してモチっとしており、糠層がなくすぐに甘さを感じられるでしょう。
さらに、しっかりと噛むことによって消化吸収によく、満腹になりやすいことから、過食を抑える効果も期待できます。
そのため、ダイエット効果が期待できる食品としても玄米は人気を集めているのです。
なお、玄米は1kgあたり1,000円ほど、白米は1kgあたり500円ほどが相場で、玄米のほうが価格が高いことが特徴です。
玄米のほうが価格が高い理由は、白米と比較して需要が少なく、作るのに時間がかかることが理由だといえるでしょう。お米を作る際に農薬を使用しますが、玄米は糠に農薬が残りやすいため、農薬を削減する手間がかかります。玄米を白米にする手間よりも、農薬の量を減らすほうが手間がかかるため、玄米は価格が高い傾向にあるのです。
玄米の栄養価
玄米は籾殻を除去したものであり、胚芽は残った状態です。
しかし、白米は稲から胚芽と糠を除去しているため、白米と玄米の栄養素に違いがあります。
白米と比べて玄米はカルシウム、マグネシウムといったミネラル、ビタミンB群、たんぱく質、食物繊維が多いことが特徴です。
さらに、玄米に水分を加えて少し発芽させた玄米は、ストレス軽減に効果が期待できるギャバ、マグネシウム、食物繊維が白米と比較して多く含まれています。
飲食店や自宅で食べている白米は玄米を精米し、胚乳を残した状態です。
たんぱく質やでんぷん、カルシウム、食物繊維、ビタミンといった栄養素は含まれていますが、玄米と比較すると栄養素の量は少ないでしょう。
玄米は水加減でおいしく炊ける
玄米を炊く際には、水加減や研ぎ方、吸水方法などを工夫することでおいしく仕上がります。そこで、玄米を炊く際に大切な3つのポイントを見ていきましょう。
洗い方
玄米を研ぐ方法は、白米とは若干異なります。
玄米を研ぐ際には、流水で簡単に流したらもみ洗いをすることがポイントです。もみ洗いは両手でお米同士をこすり合わせて洗う方法であり、玄米の表面に目に見えない小さな傷をつけることで水分を吸収しやすくする方法です。
ただし、もみ洗いの際には力を入れることでお米が割れることがあるため、優しくもみ洗いをします。
玄米をボウルに入れて水を注いだら、水に浮いているゴミを取り除きましょう。次に両手で玄米をもみ洗いして水を入れて、すすぎます。
もみ洗いをしてすすぐという工程は、2~3回繰り返しましょう。
米に対して水加減は?
玄米を炊飯器に入れて、玄米用の目盛りまで水を入れます。
目盛りまで水を入れたら、炊飯器の「玄米」ボタンを押して完了です。
玄米メニューには吸水の工程が入っており、玄米を数時間水に浸さず、すぐに炊くことが可能です。
ただし、玄米メニューで硬い場合は、あらかじめ2時間程度吸水させましょう。
炊飯器の目盛り以上の水を入れても、玄米の芯は残ってお米の周りだけが柔らかくなり、食感が悪くなるため注意が必要です。
炊き方のポイント
玄米を白米と比較すると、水に浸すさなければならない長く、玄米は5時間程度が目安です。
白米と比較して外皮が多く、食感を良くするためには時間がかかります。
さらに、24時間以上水に入れておくことで胚芽が若干発芽することで味が変わる「発芽玄米」になります。
白米は、30分から1時間程度水に浸けます。糠層がないため玄米と比較して水分を吸収しやすく、玄米より水に浸す時間は短いです。
まとめ
玄米は白米とは異なり、食べにくい、硬いといったデメリットがあります。
しかし、食物繊維やビタミンCが多く含まれており、しっかり噛むと甘味を感じられます。
栄養素を重視するのであれば、玄米を積極的に食べるのがおすすめです。
玄米を炊く際には、もみ洗いをする、吸水させるなどの工夫をすると美味しく炊けます。
また、玄米を炊く際には電気圧力釜、炊飯器といった便利な家電製品を利用する方法もあります。
白米と混ぜて炊く、水加減で程よい硬さにするなどの方法で、おいしく炊くことが可能です。
様々な炊き方を試して、自分好みに仕上げましょう。