イタリアでは定番料理のリゾットについて、本場の味に近いものを作りたいと考える方も多いのではないでしょうか。しかし、リゾットの特徴や使用するお米の種類など、詳しく知らない方もいるでしょう。
そこで、意外と知らないリゾットの特徴、おすすめのお米の種類などを詳しく紹介します。
人気メニュー、リゾットとは
イタリアンレストランや本場イタリアでも人気のリゾットは、名前や見た目を知っている、食べたことがあるという方でも、詳しい特徴は知らない方も多いでしょう。
そこで、リゾットの特徴や、日本の料理との違いについて紹介します。
イタリア発、ほっと温まるごはん料理
リゾットは、イタリアの代表的な料理です。リゾットに使うお米については、日本で食べられているお米とは違い、細く長い形状のイタリア米を使います。リゾットはお米を研がず、バターで炒めて牛肉や魚、野菜のブイヨンで煮込んで作り、お米の水分が足りない場合にはブイヨンを追加してお米に芯が残ったアルデンテに仕上げることが一般的です。
日本の炊き込みご飯とは異なり、お米にどの程度水分を含ませるのかは、料理人や家庭ごとに異なります。リゾットは日本の雑炊だというイメージを持つ方も多いですが、雑炊と比較すると水分が少なく油分が多いことが特徴です。
また、スープにお米が浸かった状態のものを「リゾット」としてメニューに載せている飲食店もありますが、スープに浸かった状態のお米はリゾットではなく「ズッパ」と呼ばれる料理で、本場イタリアではリゾットとは別の料理として扱われています。
特徴
イタリアのお米は日本のお米と異なり、水分が少なくパサついています。また、イタリアではパスタと同様にお米は芯が残ったアルデンテの状態で作ることや、副菜として食卓に並ぶことが特徴です。
さらに、イタリアのリゾットはお米を洗わないことや、撹拌せず粘り気が出ないようにすることもポイントです。お米とスープを煮込む際に浅い鍋に入れ、スープとお米を入れて水分を蒸発させながら調理します。スープを加える場合には3回ほどに分け、お米の硬さを調整することが一般的です。
リゾットに合う、日本米
リゾットに日本米を使う場合、どのように選べばよいのか、リゾットに適した日本米の特徴や品種を紹介します。また、リゾットを作る際のポイントについても合わせて見ていきましょう。
粘り気のある品種がおすすめ
リゾットに日本米を使う場合は、粘り気がある品種が良いでしょう。スープは多めのほうが良いのか、お米の食感を楽しみたいのかによって使うお米は異なります。
お米の食感は、アミノペクチンとアミノローズと呼ばれる2種類のデンプンの比率で異なります。アミロペクチンが多い場合は粘り気があり、お米の表面や内側に水分を吸収しやすいことが特徴です。
しかし、お米が崩れやすいことはデメリットだといえます。アミノロースが多いお米は、お米の形が崩れにくいですが粘り気が少ないため、スープを吸収しにくいことが特徴です。
リゾットに合うのは粘り気がある品種のため、アミノペクチンがの比率が高いゆめぴりかやコシヒカリ、ミルキークイーン、はえぬきなどが良いでしょう。アミノローストとアミロペクチンのバランスが良いお米として、ひとめぼれ、あきたこまち、つや姫などを使用するのもおすすめです。
コメを洗わずに炒めても◎
日本ではお米を洗ってから炊くため、リゾットに使用するお米も洗ったほうが良いのか迷う方もいるでしょう。
お米を洗う理由は、粘りを防ぎ、お米にスープを吸収させやすくするためです。とろっとした食感にしたくない場合には、お米を洗わずに炒める方法がおすすめです。さらりとした食感にしたい場合には、お米を洗っても良いでしょう。
アルデンテ仕上げ
アルデンテに仕上げるためには、お米を洗わず油で膜を作ることや、ブイヨンを少しずつ加えること、炊いている際に混ぜすぎないことがポイントです。お米を洗うと水分を吸収しやすくなるため、粘り気が出ます。お米を洗わないで炒めると油でお米をコーティングすることになり、お米に芯が残りやすく、本場イタリアのリゾットのように仕上がるでしょう。
また、お米の温度が下がりすぎないよう高温のブイヨンを少しずつ加えることがポイントです。お米の温度が下がることによってデンプンの性質が変わり、粘り気が出ます。さらに、ブイヨンを1度に注ぐことによってスープの中で米が舞ってぶつかり、お米のデンプンが流れて粘り気が出てしまうため、ブイヨンは少しずつ入れることがポイントです。
お米を炊いている間にヘラで混ぜるとお米が割れて粘り気が出てしまうため、アルデンテに仕上がるまでは鍋底を木べらで削ぐ程度にして混ぜすぎないようにしましょう。
リゾットには業務用米もおすすめ
リゾットを作る際には、リゾットに適した業務米を使用するのがおすすめです。業務用米は、料理に適したお米を選べます。飲食店や宿泊施設など専門店で使用されており、高品質なお米を低価格で購入することが可能です。
業務用米のなかにはブレンド米もあり、特徴が異なるお米を混ぜてリゾットに適したお米を作れます。業務用米を利用し、リゾットに適したお米をブレンドするのも良いでしょう。
まとめ
美味しいリゾットを作るためには、イタリアで食べられているリゾットの特徴を押さえて、リゾットに合ったお米を使うことが重要です。
日本のお米であっても粘り気は少なく粒が大きかったり、さらっとした食感だったりするものもあります。業務用として販売されているお米も活用して、お米にこだわってリゾットを作るのがおすすめです。
リゾットに適したお米を使って、本場イタリアの味を追求しましょう。
