ブレンド米の袋の表示
最近では、ブレンド米も多く見かけるようになってきました。ただ、ブレンド米とはどういったお米なのかを詳しく知っている人は、割と少ないのではないでしょうか。
ブレンド米の意味、そして、その表示方法について詳しくご紹介しますので参考にしてみませんか。
ブレンド米は、複数のブランドのお米を混ぜた複数原料米のことです。最近では、様々な美味しい銘柄のお米をブレンドして、それぞれの良さを活かしたブレンド米も人気です。
まず、ブレンド米とは何か、そしてお米の袋での表示について詳しくご紹介します。
複数原料米
ブレンド米は、複数の銘柄のお米がブレンドされたもので、「複数原料米」とも言われます。
複数の銘柄を混合していないお米のことは、「単一原料米」と呼び、多く見かけることが多いでしょう。
「コシヒカリ」「ひのひかり」「あきたこまち」などと表示されているお米は単一原料米です。
品種だけでなく、産地や収穫した年(産年)も同じお米が「単一原料米」です。
同じ品種、産地、産年の原料の玄米を10割使用したお米となります。
これに対して、複数原料米は、品種や産地、産年が異なるお米が混合されていますので、内容がわかりにくいことがあります。
そのため、複数原料米、ブレンド米については詳しい表示義務がありますので、知っておくといいでしょう。
ブレンド米
複数の銘柄を混合したブレンド米は、ブレンド米として袋への表示が定められています。
JAS法(日本農林規格等に関する法律)で「玄米及び精米品質表示基準」によって、「複数原料米」と表記し、複数の産地、品種、産年、使用割合の表示が義務づけられています。
例えば、袋の表示は下記のようになっていますので、参考にしてください。
表示を見ることで、どんな内訳の複数原料米かがすぐにわかるようになっていておすすめです。
原料玄米 複数原料米
産地・品種・産年・使用割合
国内産 10割
秋田県 あきたこまち 令和2年産 8割
新潟県 コシヒカリ 令和2年産 2割
上記のような表示がある場合は、秋田県産のあきたこまちと新潟県産のコシヒカリのブレンド米で、秋田県産のあきたこまちが多くの割合を占めているお米であることがわかります。
そして、中には、3つ以上の原料米がブレンドされている時などもありますので、しっかり袋の表示で確認するといいでしょう。
ブレンド米・複数原料米・混合米の違いは?
ブレンド米・複数原料米・混合米は似たように見えて、それぞれ明確な違いがあります。以下にわかりやすく整理します。
ブレンド米とは?
複数の品種や産地のお米を混ぜたお米の総称です。
- 一般的な呼び方で、法律上の定義はありません。
- 目的:味や価格、安定供給を考慮して、数種類のお米をブレンド。
- 例:新米と古米のブレンド、コシヒカリとあきたこまちのブレンドなど。
複数原料米とは?
食品表示法に基づく表示名で、2種類以上のお米(品種・産地・年度が異なるもの)を使用している場合の表記です。
- 原料原産地の表示として「複数原料米」と記載されます。
- 例:産地未分別米や、異なる年産米のブレンドなど。
- 「国内産10割」などと組み合わせて表示される場合が多いです。
混合米とは?
うるち米ともち米など、種類の異なるお米を混ぜたものを指します。
- 法律上の定義はなく、一般的な呼び方。
- 用途に応じて、粘りや風味を調整するために使用。
- 例:うるち米9割+もち米1割の炊飯用ブレンド。
| 用語 | 定義・特徴 | 主な使用目的 |
|---|---|---|
| ブレンド米 | 品種や産地を組み合わせたお米(非公式な呼称) | 味や価格のバランス |
| 複数原料米 | 食品表示法に基づく表示。2種以上の異なる原料を使用 | パッケージ表示上の用語 |
| 混合米 | うるち米ともち米など種類が異なる米の混合(非公式な呼称) | 食感・風味の調整 |
ブレンド米の割合表示
ブレンド米の割合の表示には、また次のような表示のポイントがありますので、知っておくのがおすすめです。
原料の割合が5割以上の場合は「○○ブレンド」
ブレンド米では、原料の割合が5割以上の品種がある場合は、「ブレンド」などの文字を大きく表示することができます。その品種の名称を付けて「〇〇ブレンド」、例えば「あきたこまちブレンド」などと袋に記載されています。
「〇〇ブレンド」と書かれていた場合は、その銘柄が半分以上メインで入っていて、他の銘柄も少し混ざっていると考えるといいでしょう。
5割未満の場合は「○○(産地・品種等)△△割」
そして、5割未満の原料米がいろいろ混合されている場合には、「○○(産地・品種等)△△割」と、産地・品種・使用割合を大きく表示するようになっています。
5割以上の品種がない場合には「〇〇ブレンド」と表示できないようになっている点が異なります。
主な銘柄名が大きく出せないようになっていて、その代わりに個々の銘柄の割合を記載するのが特徴です。
つまり、様々なお米の特徴が混ざり合ったお米と言えるでしょう。
複数原料米 国内産10割とは?
「複数原料米 国内産10割」とは、使用されているすべてのお米が日本国内で生産されたブレンド米を意味します。
異なる産地や品種を組み合わせることで、安定した品質と価格を実現できるうえ、安全性も高いのが特徴です。
業務用としても人気があり、味・コスト・供給面でバランスの取れた選択肢として、多くの飲食店で採用されています。
賞味期限は書かなくてもよい
また、お米の表示では、賞味期限は書かれていないのもポイントの一つです。
単一原料米でもブレンド米の場合でも、賞味期限の記載はしなくてもよくなっています。ただし、お米には必ず、精米月日の記載がありますので、それを参考に賞味期限を考えるといいでしょう。
お米の賞味期限は、野菜などと同じように扱われているため賞味期限自体は書かれていませんが、精米日を見て早めに食べるようにするのがおすすめです。
例えば、春夏の時期は、精米してから2週間~1ヶ月、秋冬も精米から1ヶ月~2ヶ月で食べるのがおすすめです。
ブレンド米(複数原料米)の表示に年産(収穫年)がない場合がある
ブレンド米(複数原料米)の表示に年産(収穫年)がない場合はあります。これは食品表示基準に基づいたルールにより、以下のような条件で「年産なし(年表示なし)」となることがあります。
1. 産地未分別や流通米などで年の特定が困難な場合
- 原料玄米の収穫年が特定できない場合、「産地未分別」や「複数原料米」とだけ記載されることがあります。
- このとき「年産」表示は省略され、「複数原料米 国内産」などの表記になります。
例:
「名称:精米」
「原料玄米:複数原料米 国内産 10割」
※この場合、年産の記載はなし(2024年産などの表示はありません)
2. 2年以上の古米などを含む場合
- 古米や古古米など、複数年にわたる原料米がブレンドされている場合。
- 年産を一括表示できないため、意図的に年産表示を省くケースがあります。
なぜ年産がない米があるのかというとコストを抑えるために複数年産の米をブレンドする場合があるからです。
飲食店や加工食品向けには「味・価格・安定供給のバランス」を重視するため、単年産でなくても問題とされません。
複数原料米が業務用で選ばれる理由
複数原料米は、業務用米としてよく選ばれます。その理由としては次のような理由が挙げられます。
コストと品質のバランスを取りやすい
「複数原料米」は、産地・品種・産年が同一のお米を10割使用している「単一原料米」と比べて、コストが安い傾向です。同一銘柄米などはコストがどうしても高くなります。それに比べるとコストが下がる点が喜ばれています。
また、様々な品種・産地・年度が異なるお米をブレンドしていますので、品質のバランスを取りやすいお米ともなっています。
飲食店や施設ごとに最適な配合ができる
複数原料米は、それぞれの飲食店や施設ごとに最適な配合のブレンドが可能です。お米は品種や産地などによって特徴がありますので、それらを活かした様々なブレンドができておすすめです。
配合などによって、飲食店や施設、メニューに合わせたお米にこだわることができ、特別なお米にもできます。
味のばらつきを抑えられるメリット
複数原料米にすると、冷えたら美味しくなくなるや味のばらつきがあるなどのデメリットが抑えられるメリットがあります。それぞれの品種のデメリットを補え合えるメリットがあっておすすめです。
飲食店や施設で活用するには、様々なメニューに対応するお米として活用できていいでしょう。
ブレンド米の品質はどう決まる?業務用米の卸会社が見ているポイント
ブレンド米は、単に複数のお米を混ぜれば完成するものではありません。原料米にはそれぞれ、硬さや粘り、粒の大きさ、炊き上がったときの食感などに違いがあります。
特に飲食店や給食、弁当などで使用する業務用米の場合は、「炊きたてがおいしいか」だけでは十分とはいえません。保温した後や冷めた後にどのような食感になるのか、料理と合わせたときにご飯の存在感が強すぎたり弱すぎたりしないかなど、実際の提供方法まで考えて選ぶことが大切です。
業務用米を扱う卸会社では、こうした原料米ごとの特徴を見ながら、用途に合わせた食味になるようブレンドを考えます。
原料米ごとの硬さ・粘り・粒感などの特徴を見極める
お米は、品種や産地などによって炊き上がりの特徴が異なります。
たとえば、粘りの強いお米もあれば、粒感が残りやすく、あっさりとした食感のお米もあります。そのため、ブレンド米をつくる際には「どの銘柄を使うか」だけでなく、それぞれのお米が持っている特徴をどのように組み合わせるかが重要です。
専門的には、米のでんぷんに含まれる「アミロース」の割合も食感に関係します。一般的にアミロースの割合が低いお米は粘りが強くやわらかくなりやすく、割合が高くなると硬めで粘りの少ない食感になりやすい傾向があります。
ただし、実際の食味はアミロースだけで決まるわけではありません。品種や産地、栽培条件、保管状態、精米方法、炊飯方法など、さまざまな条件によって変化します。
そのため、用途に合ったブレンド米を考える際には、次のようなポイントを総合的に確認します。
| 確認するポイント | ブレンドを考える際の視点 |
|---|---|
| 硬さ | しっかりした粒感を残すか、やわらかく仕上げるか |
| 粘り | もちもち感を出すか、あっさり仕上げるか |
| 粒感 | 丼やカレーなどでご飯の粒を感じられるか |
| 甘み | 白ご飯として食べたときの存在感をどうするか |
| 炊き上がり | 必要なボリューム感が得られるか |
| 冷めた後 | 弁当やおにぎりとして食べたときの食感を保てるか |
たとえば、カレーや丼物ならある程度粒感があり、ソースやタレと合わせてもべたつきにくいご飯が向くことがあります。一方、和食の定食などでは、適度な粘りや甘みを求められることもあります。
このように「高価な品種だから良い」と考えるのではなく、提供する料理に合う食感をつくることがブレンド米では重要です。
炊きたてだけでなく保温後・冷めた後の状態まで確認する
業務用のお米を選ぶ際に見落とされやすいのが、「提供するまでの時間」です。
家庭では炊き上がったご飯を比較的すぐに食べることが多いものの、飲食店や施設では炊飯してからしばらく保温するケースがあります。弁当やおにぎりの場合は、炊飯後に冷ましてから提供することもあります。
そのため、業務用米では、
・炊飯直後の食感
・1~数時間保温した後の食感
・冷めた後の硬さや粘り
・再加熱したときの食感
なども確認しておくことが大切です。
たとえば、炊きたてではやわらかくおいしく感じても、長時間保温すると水分が抜けて硬く感じることがあります。
反対に、弁当やおにぎりでは、冷めても適度なやわらかさや粘りが残ることが求められます。
業務用ブレンド米を選ぶときは、試食する場合にも炊飯直後だけを見るのではなく、実際の店舗や施設と近い条件で確認することで、導入後のミスマッチを防ぎやすくなります。
原料米の状態が変わっても安定した食味を目指して配合を調整する
お米は工業製品ではなく農産物です。
同じ品種であっても、産地やその年の気候、栽培環境などによって状態に違いが生じます。そのため、毎年まったく同じ原料を同じ割合で混ぜれば、必ず同じ食味になるとは限りません。
ここにブレンド米の大きな特徴があります。
ブレンドする目的は「決められた割合で複数のお米を混ぜること」そのものではなく、必要とする味や食感へ近づけることです。
たとえば、ある原料米の粘りが例年より強ければ、あっさりした特徴を持つ原料米とのバランスを考えるなど、原料の状態を見ながら調整する方法があります。
飲食店や給食施設では、季節や仕入れ時期によってご飯の食感が大きく変わってしまうと、提供する料理全体の品質にも影響します。
だからこそ業務用ブレンド米では、「何を何%入れているか」だけを見るのではなく、年間を通して求める食味をどのように維持していくのかという視点も大切です。
複数原料米はまずい?と言われる理由と実際
単一原料米に比べて、複数原料米は安くてまずいという印象が一般的にあります。しかし、それは誤解とも言えるでしょう。安いからまずいということはなく、ブレンドの仕方次第です。専門的な業者から複数原料米(ブレンド米)を仕入れることで美味しいお米となる可能性が高くなります。
複数原料米はどんな配合になっているのかなどを確認することがとても重要ですので、以下を参考にしてください。
「複数原料米=品質が低い」は誤解
複数原料米は、単一原料米に比べて様々な品種を混ぜていてまずい、品質が低いというのは誤解です。複数原料米にも様々なものがあります。ブレンドの仕方で、個々のお米の特徴をしっかり活かして美味しいお米にすることが可能です。
ブレンド次第で食味は大きく変わる
複数原料米は、ブレンド次第で食味が変わります。配合次第で、新たな味わいが生まれると言えます。
例えば、寿司用のお米などは、粘りが少なくて口の中でほどけるような食感のお米が向いています。お米の品種としては、コシヒカリなどの品種よりも粘りの少ない品種を配合するようにします。大粒のお米やあっさりしたお米、噛み応えのあるお米を配合する方法がおすすめです。専用にブレンドしたお米にすると、食味は大きく変わっていいでしょう。
また、カレー用専用米なども作ることができます。カレーになじみつつ、噛み応えのあるお米の特徴を活かすようにブレンドできておすすめです。さらっと食べやすい品種、ルーになじみやすい品種を配合し、カレーの美味しさを惹きたてるブレンドができます。
美味しい複数原料米を選ぶポイント
美味しい複数原料米を選ぶには、それぞれのお米の特徴をよく知って、ブレンドしたお米を選ぶことがポイントです。できるだけ専門の米穀卸売会社に相談して、こだわったブレンド米を選ぶことがポイントと言えます。
複数原料米を選ぶ際に確認したいポイント
複数原料米を選ぶ際には、次のようなポイントを確認して選ぶといいでしょう。ポイントを紹介しますので参考にしてください。
パッケージ表示の見方を理解する
複数原料米は、袋にブレンド内容の表示がありますので、よく確認して選んでください。
- 「複数原料米 国内産10割」は、日本国内で生産されたブレンド米が全て10割となっています。
- 「〇〇ブレンド」は、ある品種が5割以上となっていて主な割合を占めているブレンド米に表示されます。
- 「〇〇(産地・品種等)△△割」は、5割未満の原料米があることを表示しています。使用割合が表示されていますので、どんなお米が配合されているのかを確認できます。
用途に合わせて選ぶことが重要
複数原料米には、様々な配合のお米がありますので、飲食店や施設、メニューごとにどのようなお米が合うのかを考えて、用途に合わせて選ぶことが重要です。
下記の内容などで選ぶことが大切と言えます。
- 冷めても美味しい(弁当やおにぎり用)
- さらっとしている(お寿司やカレー用)
- 甘く粘り重視(肉、魚などのおかずなど)
- 粒立ち重視(うなぎや和食、定食など)
それぞれのお米の特徴を考えて複数原料米を選ぶようにするといいでしょう。
地元の米穀卸売会社へ相談するメリット
美味しい複数原料米は、専門の米穀卸売会社から仕入れることも大きなポイントです。それぞれのお米の特徴を知っていますので、複数原料米がどのようなバランスになっているのかを理解しています。
相談して、最適な複数原料米を教えてもらうことができることがメリットとなっていいでしょう。
業務用ブレンド米は「1kgあたりの価格」だけで選ばない
飲食店や給食施設で大量のお米を使用する場合、仕入価格は重要な判断材料です。ただし、「1kgあたり何円か」だけで比較してしまうと、本当のコストが分かりにくくなることがあります。
業務用米では、炊飯したときにどのくらいの量になるのか、1食あたりいくらになるのか、保温や提供の際に無駄が出ないかといった部分まで考えることが大切です。
さらに、毎日一定量のお米を必要とする事業者の場合は、価格だけでなく安定して仕入れられることも重要な条件になります。
炊飯後の量まで考えて1食あたりの原価を比較する
業務用米の価格を比較するときは、仕入価格だけでなく「実際に何食提供できるか」という視点を持つことがおすすめです。
たとえば同じ量のお米を仕入れても、使用するお米や加水量、炊飯方法によって炊き上がりの状態は変わります。
飲食店であれば、
「1kgいくらのお米か」
ではなく、
「1食150gのご飯として提供した場合、1食あたりの米原価はいくらになるのか」
まで計算すると、より実際の店舗運営に近い比較ができます。
考え方としては、
お米の仕入価格 → 炊飯後の出来上がり量 → 1食あたりの提供量 → 1食あたりの米原価
という順番で確認します。
特に毎日数十食、数百食を提供する施設や店舗では、1食あたり数円の差でも、年間では大きな差になることがあります。
一方で、価格を下げることだけを優先すると、料理との相性や食味に影響する可能性もあります。
そのため、価格と食味の両方を確認しながら、店舗にとってバランスのよいお米を選ぶことが重要です。
保温後の品質や食べ残しまで含めてコストを考える
仕入価格が安いお米が、必ずしも店舗にとって最もコストの低いお米とは限りません。
たとえば、長時間保温したときに硬くなりやすかったり、料理との相性が合わなかったりすると、食べ残しや廃棄につながる可能性があります。
また、お米の特徴と店舗の炊飯方法が合っていない場合、水加減や炊飯時間を何度も調整する必要があり、現場のオペレーションにも負担がかかります。
業務用米を選ぶ際には、
| 比較したい項目 | 確認したい内容 |
|---|---|
| 仕入価格 | 1kg・10kg・30kgあたりの価格 |
| 1食あたり原価 | 実際の提供量から計算した米原価 |
| 炊飯後の状態 | 粒感・粘り・ボリューム |
| 保温適性 | 時間が経っても食感を保てるか |
| 冷飯適性 | 弁当やおにぎりに使用できるか |
| 食べ残し | 料理との相性が悪く残されていないか |
| 作業性 | 現在の炊飯設備で扱いやすいか |
といった項目を総合的に見ることが大切です。
「安いお米を探す」のではなく、「現在の料理や提供方法に合い、結果として原価を抑えられるお米を探す」という考え方が業務用米では重要になります。
価格だけでなく安定供給まで含めて仕入れ先を選ぶ
業務用のお米では、「必要なときに必要な量を仕入れられること」も重要です。
特に飲食店や給食、弁当事業者などでは、毎日の提供食数に合わせてお米を確保する必要があります。
特定の産地や品種だけに限定すると、収穫量や市場の状況によっては、価格が大きく変動したり、必要量を確保しにくくなったりすることがあります。
その点、ブレンド米は複数の原料米の特徴を組み合わせられるため、求める品質を維持しながら原料を調整できることがあります。
仕入れ先を選ぶ際には、
・希望する食味に対応できるか
・必要な数量を確保できるか
・価格変動時に代替案を提案してもらえるか
・納品頻度に対応できるか
・原料が変わった際にも品質を調整できるか
といった点まで確認しておくと安心です。
長期的に使用する業務用米だからこそ、単価だけでなく「品質・価格・供給」の3つをバランスよく考えることが大切です。
業務用ブレンド米を選ぶときは米卸に何を伝えればいい?
自店や施設に合ったブレンド米を選びたい場合は、米穀卸会社へ相談する方法があります。
ただし「安くておいしいお米がほしい」と伝えるだけでは、適したお米を絞り込むことが難しい場合があります。
料理の種類や希望する食感、現在使用している炊飯設備、月間使用量などを具体的に伝えることで、より実際の運用に合ったお米を提案してもらいやすくなります。
料理の種類と「どんなご飯にしたいか」を伝える
まず伝えたいのが、お米を何に使用するのかです。
一口に業務用米といっても、求められる食感は業態によって異なります。
たとえば、
定食
おかずと一緒に白ご飯として食べるため、適度な甘みや粘り、粒感など全体的なバランスが求められます。
カレー
ルーと合わせてもべたつきすぎず、ご飯の粒がある程度感じられる仕上がりが好まれることがあります。
丼物
タレを吸ってもご飯がつぶれすぎず、最後まで食感を残せることが重要です。
弁当・おにぎり
炊きたてではなく冷めた状態で食べることが多いため、冷めた後のやわらかさや粘りも重要になります。
寿司
強い粘りよりも、酢飯にしたときの粒立ちや口の中でのほぐれやすさなどが求められます。
このように、単に「おいしいお米」と伝えるのではなく、
「粒感を残したい」
「冷めても硬くなりにくくしたい」
「粘りを少し抑えたい」
「白ご飯として存在感を出したい」
など、希望する仕上がりを伝えることがポイントです。
炊飯設備・提供時間・提供方法まで伝える
同じお米でも、炊飯条件によって仕上がりは変わります。
そのため、業務用米を相談するときには、現在使用している炊飯設備についても伝えておくことがおすすめです。
たとえば、
・ガス炊飯器
・電気炊飯器
・大型の業務用炊飯器
・連続炊飯設備
など、店舗や施設によって使用している設備は異なります。
さらに、
「炊飯後すぐに提供する」
「2~3時間程度保温する」
「炊飯後に冷まして弁当に使用する」
「冷蔵後に再加熱する」
など、炊飯してからお客様が食べるまでの流れも伝えておくとよいでしょう。
実際の提供環境を把握できれば、「炊きたての食味」だけではなく、店舗で提供する時点の状態を考えたお米を検討しやすくなります。
月間使用量・予算・納品頻度を伝える
最後に、実際の仕入れ条件を伝えます。
具体的には、次のような情報を整理しておくと相談がスムーズです。
| 米卸会社へ伝える内容 | 具体例 |
|---|---|
| 使用用途 | 定食・丼・カレー・弁当・給食など |
| 希望する食感 | やわらかめ・硬め・粘り・粒立ちなど |
| 現在使用している米 | 産地・品種・商品名など |
| 現在の使用量 | 1日○kg・月○kgなど |
| 現在の仕入価格 | 10kg・30kgなどの価格 |
| 炊飯設備 | ガス・電気・大型炊飯設備など |
| 提供方法 | 炊きたて・保温・弁当など |
| 希望予算 | 1kgまたは1食あたりの予算 |
| 納品頻度 | 毎週・月2回など |
| 保管スペース | 一度に保管できる数量 |
特に業務用の場合は、現在使っているお米や価格、月間使用量を伝えることで、現状と比較しながら提案を受けやすくなります。
「今より価格を抑えたいが、食味はできるだけ落としたくない」
「弁当に使っているので、冷めた後の食感を改善したい」
「米価が変動しても、できるだけ安定して仕入れたい」
など、現在困っていることを伝えることも重要です。
ブレンド米は、単に価格を抑えるためのお米ではありません。原料それぞれの特徴を組み合わせることで、料理との相性や食感、価格、安定供給など複数の条件を調整できる点にメリットがあります。
業務用米を選ぶ際は、銘柄や価格だけで判断せず、「どんな料理に、どのような状態で提供するのか」まで米穀卸会社へ伝え、自店や施設に合ったお米を検討してみるとよいでしょう。
まとめ
ブレンド米とは、複数のお米を組み合わせ、それぞれの特徴を活かして味や食感、価格などのバランスを整えたお米です。単に価格を抑えるためだけではなく、硬さや粘り、粒感などを調整したり、年間を通して安定した食味を目指したりできることもブレンド米の大きな特徴です。
特に飲食店や給食施設、弁当などで使用する業務用米では、炊きたてのおいしさだけで判断するのではなく、保温後や冷めた後の食感、料理との相性、1食あたりの原価なども含めて選ぶことが大切です。
また、お米は農産物のため、同じ品種でも産地やその年の気候などによって状態が変わります。ブレンド米では、原料米それぞれの特徴を見ながら配合を調整することで、求める味や食感に近づけることができます。
業務用米を選ぶ際は、1kgあたりの価格だけでなく、炊飯後の量や保温適性、安定供給のしやすさなども含めて比較するとよいでしょう。
自店や施設に合ったブレンド米を探す場合は、米穀卸売会社へ、使用する料理や希望する食感、炊飯設備、月間使用量、予算、納品頻度などを伝えて相談するのも一つの方法です。
「価格を抑えながら食味も維持したい」「冷めてもおいしいご飯にしたい」「安定して必要量を仕入れたい」など、具体的な希望を伝えることで、用途や運営状況に合った業務用米を検討しやすくなります。
ブレンド米の特徴を正しく理解し、価格だけではなく、味・用途・コスト・供給のバランスまで考えながら、自店や施設に合ったお米を選びましょう。


