ブレンド米の袋の表示
最近では、ブレンド米も多く見かけるようになってきました。ただ、ブレンド米とはどういったお米なのかを詳しく知っている人は、割と少ないのではないでしょうか。
ブレンド米の意味、そして、その表示方法について詳しくご紹介しますので参考にしてみませんか。
ブレンド米は、複数のブランドのお米を混ぜた複数原料米のことです。最近では、様々な美味しい銘柄のお米をブレンドして、それぞれの良さを活かしたブレンド米も人気です。
まず、ブレンド米とは何か、そしてお米の袋での表示について詳しくご紹介します。
複数原料米
ブレンド米は、複数の銘柄のお米がブレンドされたもので、「複数原料米」とも言われます。
複数の銘柄を混合していないお米のことは、「単一原料米」と呼び、多く見かけることが多いでしょう。
「コシヒカリ」「ササニシキ」「あきたこまち」などと表示されているお米は単一原料米です。
品種だけでなく、産地や収穫した年(産年)も同じお米が「単一原料米」です。
同じ品種、産地、産年の原料の玄米を100%使用したお米となります。
これに対して、複数原料米は、品種や産地、産年が異なるお米が混合されていますので、内容がわかりにくいことがあります。
そのため、複数原料米、ブレンド米については詳しい表示義務がありますので、知っておくといいでしょう。
ブレンド米
複数の銘柄を混合したブレンド米は、ブレンド米として袋への表示が定められています。
JAS法(日本農林規格等に関する法律)で「玄米及び精米品質表示基準」によって、「複数原料米」と表記し、複数の産地、品種、産年、使用割合の表示が義務づけられています。
例えば、袋の表示は下記のようになっていますので、参考にしてください。
表示を見ることで、どんな内訳の複数原料米かがすぐにわかるようになっていておすすめです。
原料玄米 複数原料米
産地・品種・産年・使用割合
国内産 10割
秋田県 あきたこまち 令和2年産 8割
新潟県 コシヒカリ 令和2年産 2割
上記のような表示がある場合は、秋田県産のあきたこまちと新潟県産のコシヒカリのブレンド米で、秋田県産のあきたこまちが多くの割合を占めているお米であることがわかります。
そして、中には、3つ以上の原料米がブレンドされている時などもありますので、しっかり袋の表示で確認するといいでしょう。
ブレンド米・複数原料米・混合米の違いは?
ブレンド米・複数原料米・混合米は似たように見えて、それぞれ明確な違いがあります。以下にわかりやすく整理します。
ブレンド米とは?
複数の品種や産地のお米を混ぜたお米の総称です。
- 一般的な呼び方で、法律上の定義はありません。
- 目的:味や価格、安定供給を考慮して、数種類のお米をブレンド。
- 例:新米と古米のブレンド、コシヒカリとあきたこまちのブレンドなど。
複数原料米とは?
食品表示法に基づく表示名で、2種類以上のお米(品種・産地・年度が異なるもの)を使用している場合の表記です。
- 原料原産地の表示として「複数原料米」と記載されます。
- 例:産地未分別米や、異なる年産米のブレンドなど。
- 「国内産10割」などと組み合わせて表示される場合が多いです。
混合米とは?
うるち米ともち米など、種類の異なるお米を混ぜたものを指します。
- 法律上の定義はなく、一般的な呼び方。
- 用途に応じて、粘りや風味を調整するために使用。
- 例:うるち米90%+もち米10%の炊飯用ブレンド。
用語 | 定義・特徴 | 主な使用目的 |
---|---|---|
ブレンド米 | 品種や産地を組み合わせたお米(非公式な呼称) | 味や価格のバランス |
複数原料米 | 食品表示法に基づく表示。2種以上の異なる原料を使用 | パッケージ表示上の用語 |
混合米 | うるち米ともち米など種類が異なる米の混合(非公式な呼称) | 食感・風味の調整 |
ブレンド米の割合表示
ブレンド米の割合の表示には、また次のような表示のポイントがありますので、知っておくのがおすすめです。
原料の割合が50%以上の場合は「○○ブレンド」
ブレンド米では、原料の割合が50%以上の品種がある場合は、「ブレンド」などの文字を大きく表示することができます。その品種の名称を付けて「〇〇ブレンド」、例えば「あきたこまちブレンド」などと袋に記載されています。
「〇〇ブレンド」と書かれていた場合は、その銘柄が半分以上メインで入っていて、他の銘柄も少し混ざっていると考えるといいでしょう。
50%未満の場合は「○○(産地・品種等)△△%」
そして、50%未満の原料米がいろいろ混合されている場合には、「○○(産地・品種等)△△%」と、産地・品種・使用割合を大きく表示するようになっています。
50%以上の品種がない場合には「〇〇ブレンド」と表示できないようになっている点が異なります。
主な銘柄名が大きく出せないようになっていて、その代わりに個々の銘柄の割合を記載するのが特徴です。
つまり、様々なお米の特徴が混ざり合ったお米と言えるでしょう。
複数原料米 国内産10割とは?
「複数原料米 国内産10割」とは、使用されているすべてのお米が日本国内で生産されたブレンド米を意味します。
異なる産地や品種を組み合わせることで、安定した品質と価格を実現できるうえ、安全性も高いのが特徴です。
業務用としても人気があり、味・コスト・供給面でバランスの取れた選択肢として、多くの飲食店で採用されています。
賞味期限は書かなくてもよい
また、お米の表示では、賞味期限は書かれていないのもポイントの一つです。
単一原料米でもブレンド米の場合でも、賞味期限の記載はしなくてもよくなっています。ただし、お米には必ず、精米月日の記載がありますので、それを参考に賞味期限を考えるといいでしょう。
お米の賞味期限は、野菜などと同じように扱われているため賞味期限自体は書かれていませんが、精米日を見て早めに食べるようにするのがおすすめです。
例えば、春夏の時期は、精米してから2週間~1ヶ月、秋冬も精米から1ヶ月~2ヶ月で食べるのがおすすめです。
ブレンド米(複数原料米)の表示に年産(収穫年)がない場合がある
ブレンド米(複数原料米)の表示に年産(収穫年)がない場合はあります。これは食品表示基準に基づいたルールにより、以下のような条件で「年産なし(年表示なし)」となることがあります。
1. 産地未分別や流通米などで年の特定が困難な場合
- 原料玄米の収穫年が特定できない場合、「産地未分別」や「複数原料米」とだけ記載されることがあります。
- このとき「年産」表示は省略され、「複数原料米 国内産」などの表記になります。
例:
「名称:精米」
「原料玄米:複数原料米 国内産 10割」
※この場合、年産の記載はなし(2024年産などの表示はありません)
2. 2年以上の古米などを含む場合
- 古米や古古米など、複数年にわたる原料米がブレンドされている場合。
- 年産を一括表示できないため、意図的に年産表示を省くケースがあります。
なぜ年産がない米があるのかというとコストを抑えるために複数年産の米をブレンドする場合があるからです。
飲食店や加工食品向けには「味・価格・安定供給のバランス」を重視するため、単年産でなくても問題とされません。
まとめ
ブレンド米についてご紹介しました。
また、その表示がどのように行われているのかについても見てきました。
ブレンド米の表示は、細かくブレンドした割合まで書くように義務づけられています。
そのため、袋の表示を見れば、どんなお米なのかをきちんと知ることができるでしょう。
最近では、ブレンド米も多く登場しています。
それぞれの食事に合わせたブレンド米、それぞれの好みに合わせたブレンド米を選んでみるといいでしょう。
各々好きな銘柄米があると思いますが、それらがどうブレンドされていて、どんなブレンド米になっているのかを知った上で、その美味しさを堪能してみるのがおすすめです。