高齢者にやさしい食欲不振なときの介護食レシピ

目次

高齢者の方に食事をお出ししているけれど、食欲不振であまり召し上がっていただけずどうすればよいのか悩んでいる人はいませんか?
この記事では高齢者の方が食欲不振を起こす原因からおすすめレシピまで詳しく解説します。

食欲不振の原因


高齢者における食欲不振では、お腹がすかない、食事をする気にならない、偏った栄養バランスの食事を摂ってしまうなどの症状が見受けられるでしょう。

食欲不振には低栄養、脱水、低血糖などを引き起こすリスクがあるため長く続くのは望ましくありませんが、高齢者はどうして食欲不振を起こしやすいのでしょうか。
食欲不振の原因を3つご紹介します。

①病気が原因の食欲不振

高齢者は病気が原因で食欲不振を起こす可能性があります。

身体の病気では消化器官の病気、癌、心不全、甲状腺機能低下症、誤嚥性肺炎などが考えられますが、このうち誤嚥性肺炎は自覚症状がないため、食事中にむせたり、食後に喀痰したりすることがないかよく観察しておくことが重要です。

また精神の病気では老人性うつが食欲不振を引き起こしやすいため、もし普段の行動全てに意欲が感じられないようなら早急に受診することをおすすめします。

②病気以外が原因の食欲不振

食欲不振の原因は、病気以外では次のようなことが考えられます。

・運動量や基礎代謝の低下
・ストレスによる自律神経の乱れ
・嚥下障害
・味覚・嗅覚・視覚の衰え
・生活習慣が不規則
・薬の副作用
・口腔状態が良くない

原因がはっきりとわかればそれに応じた対応ができるため、どのような原因で食欲不振が引き起こされているのかをまずはしっかりと把握することが重要です。


③暑さ、冷えなど季節の影響

高齢者は上記の原因以外にも、暑さや冷えなど季節が原因で食欲不振を起こす可能性があります。

健康な成人でも夏に食欲が低下し、秋に食欲旺盛になるといったことはあり得るため、神経質になり過ぎる必要はありませんが、体重が大きく低下するなどの変化が見られた場合は何らかの対策を講じる方が望ましいでしょう。

介護食にひと手間


高齢者に食欲不振が見られた場合、どのような対処をするのがよいのでしょうか。
2つご紹介します。

のど越しの良さ

のど越しがよく「食べなければ」というプレッシャーがかかりにくいメニューやレシピを工夫することで、高齢者の食欲不振が改善されることがあります。

例えば小さな器に盛り付けたスープ、一口大に握ったおにぎり、小さく切ったサンドイッチ、細巻にしたのり巻などは具材で栄養バランスは整えられるのと同時に、たくさん食べなければならないという気持ちにはなりにくいためおすすめです。

低栄養を防ぐ

高齢者における低栄養状態とは具体的にどのような状態を言うのでしょうか。

2020年版「日本人の食事摂取基準」において新しく示された高齢者の推定エネルギー必要量は次の通りです。

男性 女性
身体活動レベル1(低い)

※自宅でほとんど外出しない、もしくは高齢者施設で自立している人

2,050kcal 1,550kcal
身体活動レベル2(普通)

※自宅で自立している人

2,400kcal 1,850kcal
身体活動レベル3(高い)

※仕事に従事するかスポーツを行っている人

2,750kcal 2,100kcal

この基準を参考として、なるべくこの数値よりエネルギー摂取量が低下しないように配慮した食事作りを心がけましょう。

参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年度版)」高齢者

食欲不振のときおすすめの介護食レシピ


高齢者の方が食欲不振の時でもおやつ感覚で食べることのできる、きな粉フレンチトーストのレシピをご紹介します。


材料(1人分)
・6枚切り食パン(1枚)

卵液用
・卵(1/2個)
・牛乳(75ml)
・砂糖(小さじ1)
・きな粉(大さじ1/2)
焼いた後用
・バター(5g)
・ホイップクリーム(10g)
・黒蜜(10g)

・きな粉(大さじ1/2)

作り方
①ボウルに卵液の材料を入れてよく混ぜたらバットに移し食パンを浸す
②約5分浸したらひっくり返してもう片面にも味をしみこませる
③フライパンのバターを入れて弱火で溶かし、その後中火にして食パンを入れる
④焼き目がつき、中まで火が通るまで加熱する
⑤焼けたら小さめにカットし、黒蜜ときな粉をかけ、ホイップクリームで飾りきな粉をふりかけて完成

時短で調理したい際は、パンの耳の内側に沿ってフォークで数カ所穴を開けると早く卵液が浸み込みます。

糖質、タンパク質を摂取できて塩分も少なめなので、食欲不振の高齢者の方がすぐに栄養補給したい際にもおすすめです。

まとめ


高齢者が食欲不振を起こした際はまずはしっかりと原因を把握し、病気が原因の場合は受診して医師の指示を受けた後に対応、病気以外が原因の場合はレシピなどを工夫してなるべく本人の身体活動レベルに合わせたエネルギーを摂取してもらうことが大切だとわかりました。
低栄養、脱水、低血糖などを引き起こさないようにするためにも、なるべく早めの対応を心がけてみてください。

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