最近の精米機は高機能だと聞くけれど、どのようなことができるのかイメージがわかないという人もいるのではないでしょうか。
この記事では無洗米も作ることのできる精米機について詳しく解説します。
精米機とは?その役割
そもそも精米機とはどのようなものなのかと、その役割についてご紹介します。
玄米の表面にある、ぬか層を取り除いて精白米にする役割
精米機とは玄米からぬかを取り除いて精白米にするための役割を持つ、農業機械のうちの1つで、利用形態と構造によって次のようにわけられます。
分け方 | 精米機の分類 | 概要 |
利用形態による区分 | コイン精米機 | ・お金を支払うことで一定時間稼働させられる精米機 |
業務用精米機 | ・お米屋さんなどが使う大型で高効率・高機能な精米機 | |
農家用精米機 | ・農家が自分の家で食べるお米 のために使う精米機で、家庭用と業務用の中間程度の性能を持つ | |
家庭用精米機 | ・家庭で都度精米ができる機械 | |
構造上の区分 | 摩擦式精米機 | ・玄米同士に作用する摩擦力によってぬかを除去する仕組みの精米機 |
循環式精米機 | ・上部に備え付けられた漏斗状のタンクに玄米を入れ、タンク下部にあるローラー(回転刃)がぬかを除去し、タンクの下部では玄米にかかった圧力を利用してぬかを削ぎ落とす仕組みの精米機 | |
撹拌式精米機 | ・精米カゴ(ホッパー)の中で撹拌棒(または羽根)が回転することで玄米同士や玄米と精米カゴを摩擦させて精米する精米機 | |
研削式精米機 | ・表面が砥石状のロールで研磨することで玄米のぬかを除去する精米機 | |
縦型精米機 | ・目の粗い金剛ロール(砥石の1種)の高速回転、目の細かい金剛ロールの低速回転によりぬかを精米する機械で酒造用に多く用いられる | |
横型精米機 | ・研削ローラーが横型に取り付けられた米屋で多く使用する精米機 |
精米機は使う場所や精米したいお米の量に応じて多くの種類があることがわかります。
精米機の種類
飲食店で使用することの多いのが家庭用精米機ですが、家庭用精米機にはどのような特徴があるのでしょうか?
購入する時のポイントと知っておきたい精米方式をご紹介します。
精米したての美味しさにこだわりたいから購入するときのポイント
飲食店で精米機を導入する理由は、圧倒的に「精米したての美味しいお米をお客様に提供したい」というものではないでしょうか。
美味しさにこだわるために、精米機を購入する時にあらかじめチェックしておきたいポイントは次の通りです。
・容量
・精米方式
・精米モード
・お手入れのしやすさ
・運転音
・外形の寸法
優先順位はニーズによって異なりますが、最低限上記の6つはチェックしておくとより自分の使い勝手に合った家庭用精米機を選ぶことができるでしょう。
圧力循環方式、圧力方式、かくはん方式があります
上記のチェックポイントのうち精米方式に着目すると、家庭用精米機には次の3つの精米方式があることがわかります。
精米方式 | 概要 | メリット |
圧力方式 | ・チューブにお米を通して圧力をかけることでもみがらが取れる仕組みの精米機 | ・撹拌方式と比較するとお米の欠けがすくなく見た目がきれいに仕上がる |
圧力循環方式 | ・圧力方式の中でお米を循環させる仕組みを持つ精米機 | ・あまり温度が上昇せず仕上がりのムラが少ない |
撹拌方式 | ・内側にある羽根を高速回転させてもみがらを取る仕組みの精米機 | ・パーツが大きくお手入れが楽 |
それぞれの精米方式におけるメリットや価格相場を比較してから購入するのがおすすめです
飲食店で業務用精米機を導入するメリット
飲食店で使用することの多いのが家庭用精米機ですが、導入するメリットはあるのでしょうか?
少量の米を新鮮に精米できる
家庭用精米機は数百グラムから数キロの少量の精米に適しており少量の米をその都度精米できるため、必要な分だけを新鮮に提供することが可能です。
すぐにお使いいただくことで、飲食店ではお客様により風味豊かなご飯をご提供できます。
設置スペースが無くても大丈夫
家庭用精米機はコンパクトで、キッチンやバックヤードなどの限られたスペースに設置できるため、飲食店の貴重なスペースを有効に使えることができます。
操作が簡単で誰でも使える
家庭用精米機は操作がとてもシンプルで、ボタンを押すだけで簡単に精米できます。 飲食店では多忙な時間帯でも手軽に精米できるため、スタッフの負担を減らし、精米のプロセスを効率化できます。
初期コストを抑えられる
業務用精米機は高価なため、小規模の飲食店にとっては導入コストがかかりますが、家庭用精米機は手頃な価格で購入でき、初期投資を抑えられます。
メンテナンスが簡単
家庭用精米機はメンテナンスも簡単で、日常的な清掃だけで一瞬使用できます。 業務用精米機と比較して、複雑なメンテナンス作業や専門的な技術が不要なため、運用が簡単です。故障が少ない点も、忙しい飲食店では大きなメリットです。
多様な精米の種類が選べる
家庭用精米機でも、無洗米、白米、胚芽米、七分つき米など、いくつかの精米モードを選択できるため、メニューに応じて異なるお米を提供できます。
電力コストが低い
家庭用精米機は小型で消費電力も低いため、電力コストを重視することができます。 業務用精米機は大量の米を短時間で精米するため、消費電力が高くなることがありますが、家庭用なら運用コストが軽減されます。
玄米・白米から無洗米にする機能に注目
前の項目で家庭用精米機を購入する前には精米モードをチェックした方がよいとお伝えしましたが、飲食店で活用するなら無洗米に精米できるモードがある精米機も選択肢に含めてみましょう。
無洗米に精米できるコースがあります
どうして飲食店で業務用米を精米するなら、無洗米に精米できる精米モードを持つ精米機を選んだ方がよいのでしょうか。
それは次のようなメリットがあるためです。
・お米を研ぐ手間が省けるため時間の節約になる
・研ぎ洗いによる味のムラが出なくなり一定の品質のお米をお客様に提供できる
・ぬかを洗い流さないので精白米より内容量が多くなる
家庭用精米機で無洗米に精米することで、飲食店特有の悩みがたくさん解決できると言えるでしょう。
精白米との違い
無洗米は精白米と比較して、炊く時に少し水加減を多くしなければなりません。
1カップにつき5ccの水を追加するのが目安です。
なぜ無洗米なのか?
飲食店に無洗米をおすすめする理由はもう2つあります。
無洗米はおいしい
無洗米は味が落ちるというイメージがありますが、現在では正しい水加減や吸水のさせ方などが広まっていいるため、そのようなことはありません。
ぬかがお米の酸化を早めるため、それがきれいに取り除かれている無洗米は味が落ちにくく、また洗いすぎによる旨味層の流出も最大限抑えられるお米と言えるのです。
(参照:全国無洗米協会)
研がずに炊ける手軽さが◎無洗米モードの炊飯コースもあり
飲食店を運営するにあたって節約したいものの上位が「時間」ですが、無洗米は研がずにお米を炊くことができるため、このニーズにも応えることができます。
またお米を洗う時に使っていた水の分だけ水道代も節約できるので、無洗米は飲食店におけるコスト削減にも貢献できるお米なのです。
まとめ
飲食店で業務用米用として家庭用精米機を導入するなら、無洗米に精米できる精米モードを持つ機種を導入することをおすすめします。
この記事も参考にして、ぜひ自分のお店に合った精米機を見つけてみてください。