最近では、無洗米も人気のお米となり、多く流通するようになりました。無洗米とは実際にはどういうお米なのか、お米の加工状態や味について詳しくご紹介します。
どんなニーズがあるのかも知っておくといいでしょう。また、保管方法についても参考にして、無洗米の魅力を再発見してみませんか。
無洗米とは?
無洗米として売られているお米には、どういう特徴があるのかをご紹介していきたいと思います。
通常、お米はぬかがあるために洗わないと炊いた際にぬか臭さが残り美味しく感じられません。
どうして無洗米はなぜ洗わなくていいのかが気になる所でしょう。
無洗米に危険性はあるの?安全性とお米の加工方法
無洗米は便利な一方で、「危険性があるのでは?」という疑問を持つ方もいます。特に、加工過程で栄養素が失われるのではないか、化学薬品が使われているのではないかと心配する声があります。
無洗米に化学薬品は使われているのか?
無洗米の製造には、基本的に化学薬品は使用されていません。現在主流の「タピオカ式」や「ぬか式」などの加工方法では、お米同士を摩擦させることで肌ぬかを除去しています。
そのため、化学薬品の影響を心配する必要はありません。また、無洗米は加工時に表面が磨かれるため、炊き上がりがふっくらしやすいという利点があります。適切に管理された製造プロセスを経ているため、安心して利用できる食品です。
無洗米の加工方法とは
無洗米のお米は、工場で加工をしていることによって洗わずに済みます。
精米したお米を新しい精米方法でさらに無洗米加工し、工場で肌ぬかを取り除いた状態にしたものです。
無洗米に加工する方法も、高速で撹拌して肌ぬかを削る方法や水洗い式など様々な方法で行われています。
そして、この肌ぬかを落とす加工によって、どんなお米でも無洗米にすることが可能なのが嬉しい点です。
無洗米は精米後に残っている肌ぬかをいくつかの製法で取り除いています。
- ブラシ方式:精米されたお米を専用の機械に通し、ブラシでお米の表面を軽く擦ることで肌ぬかを除去します
- 水流方式:精米されたお米に少量の水を加え、回転させながら表面の肌ぬかを洗い流します。その後、乾燥させて仕上げます
- タピオカ方式:高温で熱したタピオカのでんぷんに吸着させる方法
- ぬか式:吸着性の強い肌ぬかの性質を利用する方法
普通米との違い
普通米との違いですが、すでに表面の肌ぬかが取れている状態の無洗米では見た目がより白く艶があるように見えるのが特徴です。
様々な銘柄の「無洗米」と表示されているお米がありますので、お好みの銘柄の「無洗米」を探してみませんか。
同じ硬さや食味のお米を食べることができておすすめです。
ただ、無洗米の方が研がずに済むように加工してあるために、少し割高になっている違いがあります。
価格の面では少し高くなっていますので、忙しい時や必要な時だけに無洗米にする方法もおすすめです。
無洗米は普通の米に比べて味や栄養が落ちるか
「無洗米の味が普通米に比べて落ちるのではないか」という声がありますが、無洗米の方がむしろ鮮度や美味しさが長持ちします。
長く保管していると、ぬかの脂肪分が酸化して味が落ちますが、無洗米は精米の段階で加工していますので、ぬかが既にない状態です。
そのため美味しさが長持ちします。
少し長く保管する場合は、無洗米の方が美味しさを保てるとも言えます。
無洗米は、普通米に比べて栄養素が失われやすいと心配されることがありますが、これは誤解です。
製造工程で取り除かれるのは、表面の「肌ぬか」のみで、米粒内のビタミンB1やミネラルなどの栄養成分にはほとんど影響がありません。
また、普通米を水で洗う際に流れてしまうビタミンB群なども、無洗米では失われることがないため、むしろ栄養を効率よく摂取できる場合があります。
適切な水加減で炊けば、無洗米でも十分な栄養が摂取可能です。
無洗米へのニーズ
また無洗米のニーズは、環境への配慮からも高まっています。
どんなニーズがあるのかも詳しく見ていきたいと思います。
米を研ぐ手間を省略、本当に研がなくていいのか
主婦にとっては、お米を研がずにそのまま炊飯器に入れて炊けて時短のメリットがあります。
冬の寒い時期などは、あまり水に触らなくていいのも助かります。
そうした研ぐ手間を省けるだけでなく、何回米を研いだらいいのかを悩む心配もいらなくなるでしょう。
簡単に炊飯器に入れて炊くだけですので、誰でも上手に美味しく炊けます。
本当に無洗米を研がなくていいのか?と疑問に思う方が多いと思いますが、基本的には洗わなくてOKです。
ただ、製法によってはぬかが完全に取り切れていなくて匂いや味が気になる場合は、1.2回軽く水洗いするといいでしょう。
無洗米を洗うとどうなる?洗いすぎに注意が必要です
無洗米を洗いすぎると次のようなマイナス点が発生する可能性があります。
- お米の表面が削れ、風味や食感が損なわれる
- 必要な成分が流れ出る
- 水の吸収がかたよる
- 洗いすぎることでお米が割れる
- 炊き上がりがべちゃっとしたり、風味が落ちたりする原因になる
環境に優しい
また、米のとぎ汁を廃棄することが環境に良くないとも言われますので、その点でも無洗米が人気です。
水を何度も捨てて研ぐこと水の無駄使いも防げます。炊飯時の水だけで済む無洗米ならば、節水になり環境に優しいと言えるでしょう。
大型イベント等、外での炊飯作業がラク
さらに無洗米はイベント時などにも便利です。大量にお米を炊く際に無洗米ならば手間が省けて効率的です。
屋外では研いだ水を洗い流す場所がない場合もよくあります。
水の便がよくない屋外、キャンプなどで少量の水で炊飯できておすすめと言えます。
屋外でも室内でもどんな場所でも少しの水さえあれば炊くことができる無洗米のニーズは高まっています。
無洗米と普通米はどんな場面で使い分ける?
無洗米は、特に飲食店や介護施設などの業務用に適しており、炊飯の準備時間を短縮できるため効率的です。
一方、普通米は、コストパフォーマンスを重視したい場合や、炊飯前に浸水時間をしっかり取りたい家庭での利用に向いています。
また、アウトドアや災害時には水の使用量を抑えられる無洗米が便利です。
選び方のポイントは、使用シーンと求める手軽さです。場面に応じて適切な米を選ぶことで、効率と品質を両立させられます。
無洗米のおすすめ保管方法・消費期限・保存期間
無洗米の保管方法についても知っておくのがおすすめです。
普通米よりもぬかが取り除いてある分保存しやすい無洗米ですが、保管方法を知っておくことが大切です。
温度・湿度の適正
無洗米も、やはり通常のお米と同じように保存温度や湿度には注意をして保存する必要があります。
あまり暑くならないようにし、湿度が低く風通しのいい所で保管するのがポイントです。高温多湿を避けて保管しましょう。
保存に適している場所
保存に向いているのは、冷蔵庫の野菜室のような温度と湿度の場所です。冷暗所を探して保存するのがいい方法です。
あまり温度や湿度変化の少ない場所を探してみましょう。
保存期間・消費期限
無洗米は、普通米に比べるとぬかが取り除いてあるために長持ちします。
本来、お米は保存食なので賞味期限はありませんが、美味しく食べられる目安は精米から1か月です。
普通米は、精米日から2週間~1ヶ月程度で食べるのがおすすめですが、無洗米は少し日持ちします。
特に夏場はお米が持っている水分の低下や高温によるひび割れなど品質に影響を及ぼす季節ですので、夏は2週間から1か月で食べるのがおすすめですが、冬ならば1か月から1か月半程度で消費するのがおすすめです。
少し保管期間が長い場合は、無洗米を購入しておくのもおすすめです。
無洗米から臭いがする原因は?保存状態に注意しよう
無洗米から臭いを感じる場合、主な原因は保存状態の悪化や酸化、湿気によるカビの発生です。
無洗米は肌ぬかが除去されている分、酸化しやすいため、高温多湿の場所での保管は劣化を早める原因になります。また、開封後に密閉せず保存していると、外部のにおいを吸収してしまうことも。
臭いが気になる場合は、冷暗所での保管や密閉容器の使用がおすすめです。正しい保存方法を守ることで、無洗米の鮮度と美味しさを長持ちさせることができます。
無洗米を炊くときの水の量は?
無洗米の水加減は少し多めが良いかどうかは、メーカーやお米の品種によって異なりますが、基本的には「水加減を少し多めにする」のが推奨されています。これにはいくつかの理由があります。
なぜ無洗米は水加減を多めにするのか?
無洗米は通常の白米と比べて、表面が滑らかに加工されているため、水の吸収がわずかに異なります。無洗米は、製造時に表面の「肌ぬか」を物理的に除去する加工が施されていますが、その際にお米の表面が微細に削られ、吸水性が変化します。
また、計量カップで計量すると、無洗米は肌ヌカがない分、精白米よりも正味量が少し多く計量されます。そのため、精白米よりも多めの水加減にします。
そのため無洗米のパッケージには「水を通常の米よりも5〜10%多めにしてください」と書かれていることが多いです。
具体的には、1合(150g)の米に対して、通常180mlの水が必要なところを190~200ml程度に増やすのが一般的な目安です。
水加減の調整が必要ないケース
最近では、「無洗米専用モード」が搭載された炊飯器もあります。この場合、メーカーが無洗米に最適な水加減を自動で調整してくれます。これを使えば、通常の白米と同じ水加減でも美味しく炊けるため、特に水加減の調整は必要ありません。
水加減を増やさないと炊き上がりが固めになったり、パサつきが生じたり、表面が均一に吸水できていないため、場所によって硬さが異なる場合があります。
無洗米の浸水時間はどれくらい?美味しく炊くための目安とは
無洗米は肌ぬかが取り除かれているため、水を吸いやすい反面、芯が残ることもあるため、適切な浸水時間が重要です。
目安としては、夏場は30分、冬場は1時間程度の浸水がおすすめです。短すぎると炊き上がりが固くなりやすく、長すぎるとべちゃつくこともあります。また、炊飯器に無洗米モードがある場合は自動で調整してくれるため便利です。浸水をしっかり行うことで、ふっくらとした美味しいご飯に仕上がります。
炊き上がり後は10分以上蒸らすことで、より美味しいご飯が楽しめます。
無洗米のメリットデメリットとは?
無洗米にはいくつかのメリットデメリットがあります。
無洗米のメリット
- 時短:洗米の手間がないので時短になる
- 節水:精白米を洗うためには、3カップあたり約4.5リットルの水が必要となりますが、これを無洗米に変えると1年間で1,656リットル節水できます
- 環境にやさしい:とぎ汁がでないため環境にやさしい
- 水溶性ビタミンが多い:水溶性のビタミンであるビタミンB1やナイアシンなどが失われず、精白米と比較すると約2倍の量が栄養価として残ります
無洗米のデメリット
- コスト高:加工工程が多いのでコスト高になる。20円~30円/㎏ほど精白米より価格が上がる
- 加水量が多め:お米の水分量が低いので加水量が多めになり、少し水臭さが出てしまう可能性がある
- 銘柄が少ない:すべての銘柄の無洗米があるわけではないので選択肢が限られる
- 臭いがつきやすい:匂いがつきやすく、乾燥や湿気、虫に注意が必要です
無洗米が精白米よりちょっと高い理由がわかる!コスパ・栄養・おいしさ・保存方法を解説
自分のお米が無洗米かどうかを簡単に見分ける方法
「このお米は無洗米?それとも普通米?」と迷うことはありませんか? 無洗米は、表面に肌ぬかが取り除かれているため、普通米と見た目で少し違いがあります
見た目と触った感覚で無洗米かどうかを見分ける
無洗米は、表面が滑らかでツヤがあり、触ったときに粉っぽさがありません。一方、普通米は肌ぬかが残っているため、米を触ると少し粉が手につくことがあります。
また、無洗米は見た目がより白く、粒が均一に見えるのも特徴です。炊く前に水を加えた際、水が濁らなければ無洗米である可能性が高いです。これらの違いをチェックすることで、無洗米と普通米を簡単に見分けることができます。
パッケージ表示で無洗米を確認する方法
無洗米かどうかを確実に確認するには、購入時にパッケージをチェックするのが最も簡単です。
「無洗米」または「肌ぬか除去済み」などの記載があれば無洗米で間違いありません。また、メーカーが無洗米専用のロゴやマークを付けている場合も多いです。パッケージがない場合でも、製造元のウェブサイトや問い合わせ先で確認することができます。自分の用途に合ったお米を選ぶために、パッケージ表示をよく確認しましょう。
まとめ
無洗米について詳しくご紹介しました。時短や環境に優しいということで人気の無洗米です。
既に肌ぬかが取り除いてある状態ですので、洗わなくて済むというのは大きなメリットです。
有効に活用して便利に使ってみるといいでしょう。
最近では屋外などの様々な場面でもニーズが高まっています。
こだわりのお米を無洗米で試してみるのもおすすめです。
美味しさも長持ちしやすい無洗米美味しく味わってみませんか。