粉状質粒とは?お米の見た目と品質への影響
最近、お米を見た時に白い米粒が多いと感じることはありませんか。猛暑が続く影響もあって、「粉状質粒(ふんじょうしつりゅう)」という米粒が増えています。「粉状質粒」は、米粒の内部が粉状に白濁している粒のことです。米の品質を検査する際に未熟米と言われますが、味にはあまり影響がないと言われています。
お米の見た目と品質への影響について詳しく解説しますので、参考にしてください。
粉状質粒の定義と見た目の特徴
お米は、品質検査をする際に、未熟な粒を状態によって分けます。色によって主に次のように分けられていますので参考にしてください。
・粉状質粒(ふんじょうしつりゅう):米粒の内部が粉状に白濁している粒
・シラタ(しらた):見た目が白い粒の総称で「粉状質粒」の通称ともなっている
・乳白粒(にゅうはくりゅう):表面または内部が乳白色に濁った粒(精米時の乾燥過多や登熟期の高温や日照不足で起きる)
この他にも様々な未熟粒の言い方がありますが、粒質が粉状又は半粉状の粒のことを「粉状質粒」と品質検査をする上で言います。見た目の特徴としては、米粒の内部に空気が入り、光が乱反射して白く濁って見えるのが特徴です。
粉状質粒が発生する原因とは?
粉状質粒ができる原因は何かについても紹介します。粉状質粒は、稲の生育期に高温や日照不足などの天候の影響を受けて、デンプンが十分に蓄積されずに白く濁ったものです。
稲の生育中に30℃以上の高温が続くと光合成が阻害され、デンプンを十分に作れなくなることが原因となっています。生育が上手くいかず、未熟な米粒と言われています。
見た目以外の品質への影響
粒が白いことが見た目の特徴ですが、その他にも米粒の内部に空気が入っているために、通常のお米よりも米粒がもろい特徴があります。強く力を入れて洗うと割れてしまうことがあるでしょう。お米を研ぐ際に優しく扱うことが大切です。
ただし、食味に問題はありません。

粉状質粒のお米の味や炊き上がりへの影響
粉状質粒を炊いた際の味や炊きあがりへの影響についても紹介しますので、参考にしてください。
炊き上がりの特徴
粉状質粒は、水を吸収しやすい傾向があります。そのため、柔らかく炊き上がりやすいことが特徴です。白い粒が多い場合はべたつかないように水を少し控えて炊くのがコツです。
味や香りへの影響
粉状質粒は味にはあまり影響はありません。また、香りについても影響はありません。品種や栽培地域、保管状態(新米か古米か)などの他の要因が影響することが多くなります。
飲食店での活用の工夫
飲食店で粉状質粒を活用する場合は、大量に炊く場合には優しく研ぎ、米粒を崩さないようにしてください。水を控える工夫で美味しく炊くことができます。
浸水時間を短くするのもおすすめの方法です。
粉状質粒米の取り扱いと防止対策
粉状質粒米の取り扱い方法と防止対策についても見ていきます。粉状質粒を防ぐ保管方法や精米・選別でのチェック法、仕入れの工夫について紹介します。
粉状質粒の発生を防ぐ保管方法
粉状質粒になった原因は、生育時の高温や日照不足のため、保管方法が原因ではありません。ただし、粉状質粒米を保管する場合は、乾燥や温度変化に注意が必要です。
これまで高温や乾燥の影響を受けたお米のため、保管中もこれらの影響を受けないようにすることがおすすめです。保管方法が悪いと胴割れなどを起こして、粉状質にさらに見えるようになります。保管に注意をしてください。
精米・選別工程でのチェックポイント
また、精米・選別工程で粉状質粒をどうチェックしているかですが、目視できちんとチェックしています。お米の色が白く濁っていないかをチェックし、粒状質粒のお米の混入割合は15%以下に抑えられています。
お米を光に当てて色を見たり、手で混ぜて白い粉がつかないかを見たりしてチェックがしっかり行われています。
粉状質粒米を上手に活かす仕入れの工夫
価格が安くリーズナブルなブレンド米の場合にも、粉状質粒の混入割合は15%以下です。弊社のブレンド米でも、しっかりチェックをして美味しいブレンド米に仕上げています。
また、1割~2割程度の白い粉状質粒米が混じっていても、食味や炊き上がりにはあまり変わりません。できるだけ白いお米の方が見栄えはいいのですが、少し粉状質粒が含まれているようなブレンド米でも、味はあまり変わらないため安心です。
ブレンド米は、仕入れの面では安くて美味しいお米が仕入れられておすすめです。
まとめ
見た目が白い「粉状質粒米」とは何かについて紹介しました。見た目は少し白くなっていますが、あまり味には影響がないお米です。炊き方を工夫して美味しく炊くことができます。
ブレンド米などで、「粉状質粒米」が混じることがありますが、リーズナブルで美味しく食べることができますので、店舗や家庭などでも上手に活かしてみられませんか。







