介護食対応のレストラン・ホテルなら家族で食事ができる

介護食対応のレストラン・ホテルなら家族で食事ができる

目次

久しぶりに外食をしたいけれど、介護食を普段食べていて普通食を取るのは難しい家族がいるので二の足を踏んでいるという人はいませんか?
この記事ではそのような家族に外食の夢をかなえる介護食レストランについて詳しく解説します。


外食産業に介護食を希望する声

近年高齢者や子供において問題視されている「孤食」は、農林水産省が推進する食育施策において、「週の半分以上一日の全ての食事を一人で食べていること」と定義づけられています。
また家族・地域社会・職場または趣味の仲間などと一緒に食べる食事を共食と呼びます。

介護食は、高齢者や病気の方など、食事に制限がある方々が摂取しやすいように調理された食事であり、栄養バランスや消化のしやすさが考慮されています。一方、普通食は、制限がない健康な人が食べることを想定した食事です。
最近では介護食を提供するレストランも増えてきており、介護施設や福祉施設の内部にレストランがある場合があります。

2022年3月に農林水産省が発表した「食育に関する意識調査」では、高齢者の共食の頻度について、「ほとんどない」と回答した人の割合は次の結果となりました。

年齢・性別 食事のタイミング 共食の頻度を「ほとんどない」と回答した人の割合
60才~69才の男性 朝食 24.9%
60才~69才の男性 夕食 7.7%
60才~69才の女性 朝食 17.5%
60才~69才の女性 夕食 4.0%
70才以上の男性 朝食 12.3%
70才以上の男性 夕食 6.2%
70才以上の女性 朝食 15.5%
70才以上の女性 夕食 7.0%

家族が忙しい朝食において、高齢者が孤食をしなければならない状況が浮かび上がってきます。
また新型コロナウイルス感染症の感染防止対策が十分に取られているという前提で地域や所属コミュニティでの食事会の機会があれば参加したいかという質問について、「とてもそう思う」「そう思う」と回答した人の割合は次の結果となりました。

年齢・性別 「とてもそう思う」と回答した人の割合 「そう思う」と回答した人の割合
60才~69才の男性 3.8% 27.7%
60才~69才の女性 7.0% 26.1%
70才以上の男性 4.2% 28.8%
70才以上の女性 5.0% 30.0%

年齢を経るにつれ、共食をしたいと感じる人が増加してきています。
これらのことから共食をする機会を増やす意味で、介護食レストランへのニーズは高まってきていると言えるでしょう。
このことを踏まえて、介護食レストランを利用するメリットを2つご紹介します。

参考:農林水産省「食育に関する意識調査(令和4年3月)」


介護食と普通食を一緒に食べられる家族団らんの時間

介護食レストランでは介護食と普通食を一緒に食べられるため、家族での共食を楽しむことができます。
家族それぞれが忙しく過ごしている中でも、このような時間を作ることでコミュニケーションが生まれ、家族の絆をさらに深めることができるでしょう。


外食で調理する家族の負担を軽減

介護食は通常食を刻んで作るきざみ食、つぶした食材をゼラチンやゲル化剤で固めて作るムース食、調理した食材に水分を加えてミキサーにかけるミキサー食などさまざまな種類がありますが、どれも通常食と比較して調理に手間がかかります。
しかし、介護食レストランであれば専門のスタッフが調理を全て行ってくれるだけではなく、ゲル化剤の提供や食事に使うスプーン・フォーク等の介護用品の貸出などもしてもらえるため家族の負担を軽減できるでしょう。


介護食対応なら白米をお粥に

2014年に厚生労働省では「高齢者の摂食嚥下・栄養に関する地域包括的ケアについての研究」が発足し、同研究班において高齢者の摂食嚥下・栄養に関する問題に対応できる機関を登録したウェブサイト「摂食嚥下関連医療資源マップ」を作成しました。

「摂食嚥下関連医療資源マップ」には医療機関・飲食店・訪問診療に対応できるインプラントの問題に対応可能な医療機関の3種類が登録されていて、飲食店においては連絡先、駐車場、バリアフリーであるかどうかなどの周辺情報とホームページへのリンクが掲載されています。

介護食レストランだけではなく介護食対応のホテル、カフェなども掲載されているため、外食の楽しみが広がるでしょう。
介護食対応の飲食店におけるメリットを3つご紹介します。

参考:厚生労働省「摂食嚥下関連医療資源マップ」

やわらか食、嚥下食、きざみ食に対応可能なレストラン・ホテルは意外と多い

摂食嚥下関連医療資源マップで飲食店を調べてみると、お店によって異なりますがやわらか食、嚥下食、きざみ食など意外と介護食の選択肢が多いことがわかります。

介護食対応のホテルも、地域や国によって異なる可能性がありますが、最近では介護食対応のホテルが増えています。
特に高齢者や身体的な制限がある人が旅行をすることが増えているため、介護食の提供やバリアフリー設備の充実など、アクセシビリティの向上に力を入れているホテルもあります。

一般的に、介護食の提供については、事前にホテルに申し込みをしておく必要があります。
また、介護食以外にも、食物アレルギーなどの食事制限がある場合にも、事前にホテルに連絡をしておくことが重要です。
介護食対応のホテルについては、インターネットで検索することができます。また、旅行代理店に相談することもできます。


ホテルのウェブサイトや宿泊予約サイトには、介護食の提供やバリアフリー設備の情報が記載されていることがあります。
介護食が必要な人の嚥下レベルに応じて相談の上、柔軟に対応をしてもらえるレストランやホテルも存在するので、まずは問い合わせをしてみるのもよいでしょう。


旅先に介護食持参の必要なし。ゼリー状、ミキサーにかけたもので代用も可

家族での旅行先に介護食レストラン、ホテル、カフェがある場合、介護食を別で持参する必要がありません。

介護食に代わるような通常の食事の代わりに、口や喉の機能が低下している方々が摂取しやすいように調理された、固形物をゼリー状にした食品もあります。このようなゼリー状の介護食は、固形物を咀嚼することが困難な方々でも、舌でつぶすことで摂取しやすいように作られています。一般的に、魚や肉、野菜などの食材をミキサーやブレンダーなどでペースト状にし、寒天やアガーなどのゲル化剤を加えて固めたものが多く使われています。

また、ゼリー状の介護食には、味や香り、見た目などが通常の食事と比べて劣る場合があるため、栄養バランスや食事の質を保つために、ビタミンやミネラル、たんぱく質などが補充された栄養ドリンクやサプリメントなどが併用されることがあります。
なお、介護食用に、ゼリー状のもの以外にも、軟らかい煮物や蒸し物、すりつぶしたおかゆなど、摂取しやすい形態に加工されたものがあります。旅先の訪問予定のレストランなどにどのようなメニューがあるかリサーチするとよいでしょう。

白米からお粥の変更も可能


介護食レストランの中には白米からおかゆへの変更といったごはんの固さを調整してくれる飲食店もあります。
また介護食メニューとして作られたメニューでなくても、お店がバリアフリー対応となっていて食べられるものがメニューに含まれているお店もあるため、まずは問い合わせをしてみるのが大切だと言えるでしょう。


まとめ

介護食レストランでは介護食と普通食を一緒に食べられるため、家族での共食を楽しめるだけではなく、高齢者にとってお出かけの機会を増やしQOL(生活の質)を高めることができるでしょう。
この記事も参考にして、ぜひ介護食レストランを積極的に活用してみてください。

お米の事なら関西業務用米.comへお任せください

お電話ご希望の方はこちら