日本米の輸出に挑戦するためのリスクとその対策とは

目次


日本米を輸出するときのリスクとは?

日本米は、年々国内での消費量が毎年10万トンほど減少しています。

そのため、海外市場に積極的に進出し、輸出を拡大していくことが緊急課題となっています。
日本の強みである美味しい日本米は、輸出拡大の余地が大きくあります。
輸出重点品目ともなっているのですが、同時に輸出のリスクも挙げられていますので詳しい内容を参考にしてください。

日本米は高品質ながら高価格であり、海外市場での価格競争力に欠ける

日本米を輸出する際ですが、日本米は高品質を誇っているため、高価格ともなっています。
米は、大きく分けると、ジャポニカ米(短粒種)、インディカ米(長粒種)の区別があり、日本米「ジャポニカ米(短粒種)は、インディカ米(長粒種)に比べて品質も違い価格も高額です。他の国のお米と比べると日本米は価格が高い傾向と言えます。
そのため、輸出をした場合の海外市場では、価格競争で負けるリスクが高くなっています。国による支援、農林水産省の支援はありますが、もっと日本米の魅力を発信していくことが大切となっています。

日本米は輸出先国の植物検疫や食品安全規制に対応する必要がある

日本米の輸出は主に「香港・アメリカ・中国・シンガポール」への輸出が多く行われています。
輸出先国によって、食物検疫や食品安全規制がありますので、それらの届出も必要です。
例えば、中国やタイなどへは玄米での輸出が不可です。
また、福島第一原子力発電所の事故に伴い、放射能検査証明や産地証明等を求めている国、地域があります。
韓国では、福島、宮城県産の米の輸入停止をしていました。

また、中国への輸出では、指定精米工場での精米と登録くん蒸倉庫でのくん蒸が行われていること等の特別な条件が必要です。
これらに関する届出を行わずに虚偽の届出でお米を輸出した場合には、20万円以下の過料が必要です。
輸出に関してはこれらのことに注意することが大切と言えます。

日本米の価格競争力を高めるためには?

日本米の輸出を促進するためには、価格競争力を高める必要があり、次のような方法が現在検討されています。

生産コストの削減のため水田リノベーションや低コスト生産技術の導入を推進

生産コストがかかるために、日本米の価格は高くなっています。
そのため、生産段階での水田リノベーションや低コストの生産技術などが求められています。
水田リノベーションとは、低コストでの水田作り、米作りの取り組みです。
新市場開拓米10a当たり4万円を農林水産省が支援して、コスト削減が図られています。
低コスト生産の取り組みとして、米の場合には12種類ほど挙げられています。
その中から3種類以上に取り組むことを支援し、ドローンによる直播栽培なども低コスト生産の取り組みとして支援されている一つです。

日本米の規制対応を円滑にするためには?

日本米の輸出を増やすために、日本米の規制対応を円滑に行っていく必要も出てきています。次のような届出や証明書、最新情報などの取得が大切です。

輸出手続きは食糧法に基づく届出や植物検疫証明書の取得などが必要

輸出手続きをする際には、食糧法に基づいて届出をする必要があります。
事前に最寄りの農政局管内の窓口へ輸出数量の届出を行うことが義務付けられています。
また、輸出先国次第で植物検疫証明書の添付や輸出先国の「輸入許可証」の取得等が必要な場合があります。
植物等の輸入について、事前に農業担当当局または植物検疫当局の輸入許可がなければ、輸入が認められない場合がありますので、注意が必要です。
中国向け輸出では、中国側の検疫条件により、中国側が認可した指定登録施設でとう精・くん蒸等がなされた精米のみ輸出可能なことも注意してください。

情報収集は農林水産省やJETROなどの公的機関や品目団体から入手可能

米の輸出をする場合は、届出などや許可などが必要ですので、それらについての細かな情報収集をする必要があります。
農林水産省や輸出先国・地域における輸入手続き、各種輸入規制、関税等については「独立行政法人日本貿易振興機構JETRO」で確認してください。
「日本からの輸出に関する制度」などの情報を取得することが大切です。
また、品目団体「一般社団法人全日本コメ・コメ関連食品輸出促進協議会(全米輸)」などから情報を入手することも必要となるでしょう。

日本米の輸出における成功事例とは?

輸出で成功している日本米の例についても紹介しますので、参考にしてください。
これからの日本米の輸出にはリスクを超える期待が寄せられています。

香港では日本米専門店や日本食レストランなどで日本米の需要が高まっている

日本食は海外で人気ですが、香港では多くの日本の企業も進出し、日本米を使った日系寿司チェーンや日本食レストランが人気です。
日本米を使っていることから、美味しさを実感してもらい、日本米の需要が実際に高まっていると言えます。
日本食店やレストランなどで、きちんと日本米を味わってもらう機会を増やすことが大切と言えます。

アメリカでは日本酒や寿司などとセットで日本米を販売する戦略が功を奏している

また、アメリカでは、日本酒や寿司とセットで日本米を販売して成功しています。
日本酒や寿司は既にとても人気となっていますので、その美味しさを支える日本米の良さも知ってもらうものです。
日本酒、寿司、日本米を合わせることで、日本食の魅力をセットにして伝えることができるものと言えます。

関西業務用米.comからワンポイントアドバイス

お米の輸出についてご興味のある方、お問い合わせください

まとめ

日本米の輸出について価格競争面でのリスクと価格競争力を高める対策について紹介しました。
これからは、日本食の人気とともに、日本米の魅力もアピールしていくことが重要な時代です。
そして、価格の面でも低コストで美味しい日本米が輸出できるように、水田リノベーションなどを進めていくことが大切です。
農林水産省からの支援も行われていますので、日本米の魅力を伝え、多くの輸出ができるように積極的にリスク対策をいろいろ取っていく必要があると言えます。

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