アキタコマチはブランド米で人気も高いお米だということは知っているけれど、業務用米としてお店で取り入れる時にはどのようなことに気をつければよいかよくわからない人はいませんか?
この記事ではそんな人に知ってほしい、業務用アキタコマチの特徴や炊き方のコツ、相性の良い料理について詳しく解説します。
アキタコマチとは
アキタコマチとはどのような品種のお米なのでしょうか。
名前の由来と主な産地をご紹介します。
名前の由来
アキタコマチという名前は公募した中から、秋田県湯沢市で産まれたとする説がある平安時代の歌人の小野小町にちなみ、秋田で成育した美味しいお米として、末永く愛されるようにとの願いを込めて命名されました。
秋田県が独自の良食味品種を目指して5年以上の歳月をかけて開発し、2021年においては全国の品種別作付割合で6.9%、4位という結果でした。
現在では秋田県だけではなく岩手県、茨城県、長野県、三重県などの道府県別作付け上位品種となっています。
参考:米国機構米ネット「品種別作付動向」
おもな産地による違い
仕入れの参考にアキタコマチの主な産地による特徴の違いを表にまとめてみました。
産地 | 特徴 |
秋田 | ・県北、県中、県南で味に違いがあり最も高い評価なのは肥沃な穀倉地帯である県南産 ・2019年県南産のあきたこまちは一般財団法人日本穀物検定協会の食味試験で特Aランク ・弾力性に富み、もち肌のような繊細で美しい光沢と粘りが特徴で粒感がよい |
岡山 | ・完成度の高い味で、炊きあがりの香りのよさが人気 |
三重 | ・旨味、甘み、粘り、歯ごたえのバランスが良く、あっさりとした風味 |
愛媛 | ・適度な粘りとお米本来の味がするのが特徴 |
同じアキタコマチでも、産地によって味や見た目の特徴が異なることを覚えておきましょう。
参考:一般財団法人日本穀物検定協会「食味試験」
アキタコマチの特徴まとめ
お米の品種としてアキタコマチがどのような特徴を持っているのかを表にまとめてみました。
項目 | 概要 |
米粒 | ・透明感のある白さとつやつやした輝きがある |
粘り | ・粘りが強く玄米でも粘りがある |
味 | ・旨味と甘味はしっかりしているが後味があっさりとしている |
食感 | ・軽すぎず重すぎない食感 |
弾力 | ・適度な弾力 |
アキタコマチはコシヒカリを交配してできたお米であり、お米の旨味と甘味がしっかりしているという点をコシヒカリから受け継いでいるのですが、味が濃すぎず後味もあっさりとしているため、食の細い人や女性、高齢者にとっても食べやすいお米であるというのが特徴的だと言えるでしょう。
また一般的にお米は玄米にするとパサパサした食感が気になるものですが、アキタコマチの場合玄米でも粘りを維持するため、食感を気にせずお米の美味しさをそのまま味わうことができます。
おいしい炊き方は?
業務用のアキタコマチを美味しく炊くには、どのようなことに気を付ければよいのでしょうか。
吸水時間と水分量に分けてご紹介します。
30分以上吸水
アキタコマチはお米の中でも吸水しにくいという特徴を持つため、普通のお米でも無洗米でも最低30分以上は吸水させるようにしましょう。
水分量のコツ
アキタコマチは吸水しにくいため、水加減は通常より20%程度多くするのが望ましいでしょう。
新米は水の量を少し少なめ、古米は少し多めにします。
お好みもありますが、少し軟らかめに炊いた方が美味しい品種と言われております。
相性のいい料理・メニュー
吸水時間や水分量にこだわって炊いたアキタコマチは、どのような料理やメニューに合わせるのがよいのでしょうか。
相性の良い料理をご紹介します。
洋食、和食いずれも合うがどちらかといえば和食全般に合う
アキタコマチは旨味と甘味はしっかりしているけれど後味があっさりとしていることと、軽すぎず重すぎない食感や適度な弾力を持つことから洋食、和食いずれにも合いますが、どちらかと言えば和食全般と相性が良いと言えるでしょう。
具体的には味噌汁、漬物、酢の物、温泉卵といった素朴なものから魚、肉料理に至るまでおかずの味を引き立ててくれるので、いわゆる「ごはんの進むおかず」であればよいということです。
お店で和食のメニューを提供したいと思ったら、まずは業務用アキタコマチとの組み合わせを試してみるのがおすすめです。
まとめ
アキタコマチは小野小町にちなみ秋田で成育した美味しいお米として、末永く愛されるようにとの願いを込めて命名された品種で、秋田県が独自の良食味品種を目指し5年以上の歳月をかけて開発したお米です。
和食全般との相性がとても良いので、この記事を仕入れの参考に、ぜひお客様の舌も心も楽しませることのできるメニューをお店で提供してみてください。