自分の作りたい料理に合いそうなので、今度からお店で山形のつや姫を仕入れて、使ってみようかと検討している人はいませんか?
この記事ではつや姫の特徴から相性の良いお料理まで詳しく解説します。
つや姫とは
つや姫は、山形県庄内市の水稲育種家阿部亀治氏によって生み出されたコシヒカリやササニシキの先祖としても知られる「亀の尾」のDNAを受け継いだ山形県産のオリジナル品種のお米です。
山形県立農業試験場庄内市場(現:山形県農業総合研究センター水田農業研究所)で1998年から開発が始まり、10万分の1という少ない確率の中から選抜されて誕生したのがつや姫です。
山形「つや姫」「雪若丸」ブランド化戦略推進本部では「つ」を英語の「two」、「や」を「八」に読み換え、毎月28日をつや姫の日としています。
名前の由来
つや姫は全国から名前を公募し、その中から最終的に7つを選んで県民投票が実施されました。
その結果、商品特性が伝わりやすいことと首都圏在住の女性からの評価が高いこと、炊きあがりのツヤと輝きが素晴らしく、丹精込めて姫のように育ててきた想いからこの投票で3位だった「つや姫」が選ばれたのです。
つや姫の特徴まとめ
つや姫にはどのような特徴があるのでしょうか。
表にまとめてみました。
項目 | 概要 |
食味 | ・一般財団法人日本穀物検定協会の食味官能試験で毎年最も高い特Aを獲得 ・2002年~2010年に農業総合研究センターが行った生産力検定試験で「炊飯光沢」「外観」「香り」「味」「粘り」「硬さ」の全ての項目で山形県産つや姫が山形県産コシヒカリを上回る |
色 | ・山形県農業総合研究センターが食味官能試験の外観(白さ)と独自開発した炊飯米白色度評価法による測定で11品種・系統を比較した結果つや姫が最も高い結果となる |
粒 | ・2002年~2006年の間水田農業試験場でつや姫とコシヒカリで粒の厚さを調べたところ2.0mm以上の割合がつや姫53.4%、コシヒカリは48.2% |
栽培しやすさ | ・2002年~2006年の間水田農業試験場でつや姫とコシヒカリで数値が大きいほど稲が倒れている倒伏度を調べたところつや姫は0.4、コシヒカリは2.4 |
つや姫は味や見た目ももちろんですが、栽培しやすさにもその特徴があるのが見て取れます。
うまみ成分であるグルタミン酸やアスパラギン酸の含有量が多い
飲食店の方々がこだわりたい米の食味ですが、つや姫の味についてもう少し詳しくみていきましょう。
2012年に山形農業総合研究センターでは、炊飯したお米の味には複数の代謝物が関わる可能性が高いことから、代謝物を網羅的に解析できるメタボローム解析を国内のお米における主要銘柄品種に対して行いました。
その結果つや姫はコシヒカリと比較して旨味アミノ酸の含有量が高く、特に旨味アミノ酸の中でもグルタミン酸とアスパラギン酸が多く含まれていることがわかったのです。
また同時に味覚センサーを用いてつや姫とコシヒカリの味を測定し「渋み刺激」「甘味」「旨味コク」「旨味」「苦味雑味」の5項目で比較してみたところ、つや姫はコシヒカリより「甘味」「旨味」「旨味コク」の測定値が高いという結果でした。
これらの科学的な分析の結果からも、つや姫は甘味と旨味のバランスが良く、美味しいお米であることがわかります。
参考:つや姫・雪若丸公式サイト「品種の特徴」
おいしい炊き方は?
2022年10月現在、Googleで「つや姫 炊き方」と検索すると検索結果として約46万1,000件もの結果が表示されることや、クックパッドでも農家直伝のつや姫の炊き方を紹介している人が見受けられることから、人気のつや姫を美味しく炊きたいというニーズがとても高いことがわかります。
つや姫を美味しく炊くには吸水時間と水分量にコツがあるので、それぞれご紹介します。
冬場なら1時間程度、夏場なら30分程吸水
つや姫を美味しく炊きたい場合は、冬場なら1時間程度、夏場なら30分程度吸水させましょう。
またどのようなお米でも同じですが、乾燥していて最初に水につけた瞬間が一番吸水するため、お水は浄水器の水やミネラルウォーターを使うのがおすすめです。
水分量のコツ
つや姫を炊く時は通常より水を少し少なめにしましょう。
炊き上がったら10分ほど蒸らすと、さらに美味しくなります。
相性のいい料理・メニュー
つや姫は味が良いだけではなく見た目もきれいなので、少量でも満足できるという特徴があります。
またお米自体の味が良いので、つや姫の味自体に大きく手を加えるような調理法は避けた方が望ましいでしょう。
天ぷら・唐揚げなど揚げ物料理
つや姫の特性を踏まえるとボリュームがあって味のしっかりしたおかずとの相性が良いため、天ぷらや唐揚げなどの揚げ物料理と合わせてみるのがおすすめです。
比較的濃い味わいの揚げ物料理を、つや姫の旨味と甘味がしっかりと受け止めてくれるので、さらに美味しさが増すのではないでしょうか。
まとめ
つや姫は山形県産のオリジナル品種のお米で、従来の品種と比較して食味、見た目、栽培しやすさなどの点において優れているのが特徴的だと言えるでしょう。
ぜひ積極的にお店のメニューに取り入れ、お客様にその豊かな味わいを届けてみてください。