産業給食のごはん提供量の変化とは?変化の推移や原価管理

目次

産業給食では、従業員に十分な栄養を提供しながら、限られた予算のなかで食事の品質を維持しなければなりません。

特に、ごはんは多くの献立で主食として使用されるため、提供量の設定は給食運営のコストや利用者の満足度に関わります。

近年は、健康経営への関心が高まっているほか、働き方や職場の年齢構成も変化しています。

さらに、米価格の上昇によって、ごはんの提供量と原価をどのように管理するかも重要です。

この記事では、産業給食におけるごはん提供量の考え方、食べ残しや炊飯ロスを抑えるためのポイントについて解説します。

産業給食におけるごはんの提供量はどう変化している?

産業給食で提供するごはんの量を考える際には、利用者の身体活動量や年齢、性別、メニューなどを総合的に考える必要があります。

最初に、産業給食におけるごはん量の基本的な考え方と、近年の変化について解説します。

産業給食で提供されるごはん量の考え方

産業給食におけるごはんの提供量は、利用者が必要とするエネルギー量や給食のメニュー、職場での活動量などによって変わります。

例えば、デスクワークが中心のオフィスと、工場や建設現場などでは、必要とされるエネルギー量に違いがあります。

同じ昼食であっても、日常的に身体を動かす従業員が多い職場では、ごはんを含めた食事全体の量を考えなければなりません。

一方、座って仕事をする時間が長い職場では、必要以上に多くのごはんを提供すると食べ残しにつながる可能性があります。

特に健康管理を意識する従業員が多い場合には、適量を選べる仕組みが利用者の満足度につながるでしょう。

また、同じ利用者であっても、メニューによって適切なごはんの量は異なります。

例えば、焼き魚や煮物などのおかずを中心とした定食では、ごはんそのものを味わえる量が必要です。

ごはんを多く盛りすぎればルーが不足してしまい、反対にごはんが少なければ物足りなさを感じる可能性があるでしょう。

以前は1食あたり300g前後のごはんを提供するケースも見られましたが、現在では200g前後が主流となっています。ただし、適切な量は利用者の年齢や性別、仕事内容、メニューなどによっても異なります。そのため、平均的な提供量だけを基準にするのではなく、実際の喫食状況や食べ残しの量を確認しながら、自社の利用者に合った盛付量を設定することが大切です。適量を把握することは、利用者の満足度を維持するとともに、食品ロスや食材原価の削減にもつながります。

健康志向や働き方の変化がごはん提供量にも影響

社員食堂や産業給食の利用者側でも、自分が食べるカロリーや栄養バランスを意識する人が増えています。

特にデスクワーク中心の職場では、食べすぎを避けたいという考えを持つ人も増え、ごはんを少なめにしたい利用者への対応が大切です。

また、提供量を考えるうえでは職場の高齢化も重要です。

年齢を重ねるにつれて必要なエネルギー量が変化するため、若年層の従業員と同じ量を一律に提供することが適切とは限りません。

さらに、女性や若年層など、産業給食を利用する人は多様化しています。

従業員全員が同じ食事量を求めているとは限らないため、利用者が自分に合った量を選択できる環境を整えることが、満足度向上につながるでしょう。

こうしたことから、小盛り・普通盛り・大盛りといった複数の選択肢を設けるのもおすすめです。

全体の基準量を維持しながら個々の食事量に対応できるため、食べすぎを避けたい人にも、しっかり食べたい人にも対応できます。

提供量と原価の管理がより重要に

産業給食では、利用者の満足度だけではなく、食材原価の管理も重要です。

特に主食として大量に使用するお米は、仕入れ価格の変動が給食事業全体の原価に影響しやすい食材です。

米価格が上昇すると、1食あたりのごはんの量がそのまま原価に反映されます。

ただし、原価を抑えることだけを目的として一方的にごはんの量を減らすと、利用者から「量が少ない」「満足できない」という評価を受ける可能性があります。

そのため、必要な量を確保しながら、仕入れや炊飯、盛付方法を含めて全体を最適化することが大切です。

限られた予算でごはんを提供するために見直したいポイント

米価格の上昇などによって食材費への負担が大きくなっている場合、単純にごはんの提供量を減らすだけでは十分な原価対策になりません。

利用者の満足度を維持しながらコストを管理するには、盛付方法や食品ロス、仕入れそのものを見直すことが重要です。

ここでは、提供量を維持しながら原価を抑えるための考え方を紹介します。

小盛り・普通盛り・大盛りで必要量を選べるようにする

ごはんの量を一律に決めるのではなく、利用者が小盛り・普通盛り・大盛りから選択できるようにする方法はおすすめです。

例えば、昼食を軽めにしたい従業員には小盛りを提供し、身体活動量が多い従業員には大盛りを選択してもらうことで、利用者ごとのニーズに対応できます。

また、食べきれないほど盛り付けられたごはんが残される状況を防ぎやすくなるため、食品ロスの削減という面でも効果が期待できます。

提供量を細かく管理する場合には、盛付担当者によるばらつきを抑えることも重要です。

計量器や盛付基準を作り、一定の基準で提供できるようにすると、原価管理の精度も高められるでしょう。

食べ残しと炊飯ロスを減らして実質原価を抑える

ごはんの原価を考える際には、仕入れたお米の価格だけではなく、実際に食べられた量まで考えることが重要です。

例えば、毎日大量に炊飯しているものの、利用者が食べきれずに残しているのであれば、仕入れたお米の一部が売上や利用者の満足度につながらないまま廃棄されます。

過去の利用者数や曜日ごとの傾向、メニューごとの注文数などを確認しながら、必要な炊飯量を予測することが大切です。

天候や勤務形態によって利用者数が変化する職場であれば、その傾向も考慮すると、より効率的な炊飯計画を立てやすくなります。

ごはんの提供量を適正化することは、食材費の削減だけではなく、炊飯にかかる水道光熱費や廃棄処理にかかるコストの抑制にもつながるでしょう。

ごはんの量を減らす前にお米の仕入れを見直す

利用者の満足度を維持したいのであれば、提供量を変える前に仕入れそのものを見直す方法もあります。

例えば、これまでブランド米を中心に使用していた場合です。

業務用として品質と価格のバランスに優れたお米へ切り替えることで、食味を大きく変えずに原価を抑えられる可能性があるでしょう。

また、メニューとの相性を考えて品種を変更する方法もあります。

白ごはんとして提供する場合と、カレーや丼ものとして提供する場合では、求められる食感や粘りなどが異なります。

知名度の高い銘柄だけにこだわらず、用途に合った品種を選ぶことが大切です。

ほかにも、複数の品種を組み合わせたブレンド米を活用する方法もあります。

味や食感を調整しながら価格とのバランスを取りやすいため、大量にお米を使用する産業給食では適しているでしょう。

さらに、仕入れ数量や配送頻度、在庫量を見直すことも重要です。

必要以上に在庫を抱えれば保管スペースが必要になり、反対に在庫が少なすぎれば急な需要増加への対応が難しくなります。

実際の使用量を把握したうえで、適切な仕入れサイクルを設定することが安定した運営につながるでしょう。

産業給食のごはん原価を抑えるなら業務用米の選び方も重要

産業給食では毎日まとまった量のお米を使用します。

そのため、炊き上がりの品質や提供するメニューとの相性、安定供給のしやすさなども含めて判断しなければなりません。

ここでは、価格と品質のバランスを考えた業務用米選びの重要性について紹介します。

価格と品質のバランスから業務用米を選ぶ

業務用米を選ぶ際に重要なのは、安いお米を選ぶことではなく、必要な品質を確保しながら適正な価格のお米を選ぶことです。

例えば、白ごはんを中心とした定食を提供する場合には、炊き上がりの香りや食感、粒立ちなどが重要視されます。

一方、カレーや丼ものなどでは、料理と一緒に食べたときの相性がより重要になる場合があります。

そのため、産業給食で使用するお米については、ブランドの知名度だけではなく、実際のメニューとの相性を確認することが大切です。

また、炊飯後の状態が安定しているかどうかもポイントです。

一度に多くのお米を炊くため、炊飯後の品質が安定していれば調理や提供がしやすくなるでしょう。

ブレンド米を活用して予算と品質を両立する

産業給食においては、ブレンド米を活用することもおすすめです。

複数の品種や産地のお米を組み合わせることで、求める食味と価格のバランスを検討しやすくなるためです。

単一銘柄にこだわる場合、特定の品種の収穫量や市場価格の影響を受けやすくなります。

ブレンド米であれば、複数のお米を組み合わせることで、特定銘柄への依存を抑えられる可能性があります。

また、価格変動の影響を抑えながら、一定の味を維持しやすい点もメリットです。

産業給食では毎日同じ品質の食事を提供することが重要であるため、価格だけではなく安定性も仕入れの判断材料になります。

さらに、使用量が多い産業給食では、必要な数量を安定的に確保できることも大切です。

ブレンドの内容を予算や用途に合わせて調整できれば、価格高騰時にも柔軟な仕入れ計画を立てやすくなるでしょう。

米穀卸売会社と連携して予算に合った仕入れ計画を立てる

米穀卸売会社では、飲食店や給食施設など大量にお米を使用する事業者への供給実績をもとに、用途や使用量に応じた業務用米を提案できます。

例えば、白ごはんを中心に提供する施設と、カレーや丼ものなどのメニューが多い施設では、適したお米が異なる可能性があります。

利用者数や1日あたりの使用量、予算などを伝えることで、条件に合わせた仕入れ方法を検討できるでしょう。

また、米の価格は市場環境によって変動します。

そのため、仕入れ計画を立てるうえでは、市場動向や供給状況について情報を得ることも重要です。

その時点で最も安いお米を選ぶのではなく、年間を通じて安定して確保できるかどうかまで考えなければなりません。

さらに、大量に仕入れて保管するのがよいのか、一定量を定期的に納品してもらうのがよいのかは、お米の保管環境や使用量によって異なります。

配送頻度や在庫量についても、専門業者と相談することで適正化できる可能性があるでしょう。

まとめ

産業給食では、食事を毎日安定して提供することが重要です。

より効率のよい給食運営につなげるためには、お米の仕入れは、品質、コスト、供給の安定性を含めて考える必要があります。

また、利用者のニーズに合わせた盛付量を設定し、業務用米やブレンド米なども含めて仕入れを検討することで、品質と原価のバランスを整えられます。

使用量や予算、メニューに合ったお米について、米穀卸売会社へ相談してみましょう。

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