介護食の中でも人気が高いのがうどんですが、介護食として取り入れるとどのようなメリットがあるのでしょうか。
この記事では介護食としてうどんがおすすめな理由からレシピまで詳しく解説します。
「きしめん」のような平たいうどん、など世代をこえて人気の「うどん」
2019年7月にマイボイスコム株式会社が10代~70代の男女10,289名を対象にインターネットで行った麺類に関するアンケート調査の結果によると、麺類を食べる頻度は週2~3回と回答した人が33.8%、自宅でよく食べる麺類は「うどん」「ラーメン・中華麺」と回答した人が全体の7割を占めました。
この結果から日本人は世代に関係なく麺類が好きで食べる頻度も高く、その中でもうどんは特に人気の高いメニューであることがわかります。
また日本のうどんには地域性があり、生まれ育った地域のうどんを大人になってからも食べたいと思うのは当然ですし、旅行に行った時やお取り寄せなどでご当地うどんを楽しむといった人が多いのも特徴的です。
平たいうどんなど全国各地のご当地うどんとその特徴を表にまとめてみました。
うどんの名称 | 地域 | 特徴 |
下川うどん | 北海道 | 日本最北の手延べうどん |
稲庭うどん | 秋田県 | 300有余年歴史を持つといわれる平たい手延べうどんでひやむぎ程度の太さが特徴的 |
水沢うどん | 群馬県 | 江戸時代初期から水沢地内にある水澤寺(水澤観音)付近で参拝客に提供されたのが始まりとされている手打ちうどん |
桐生うどん | 群馬県 | 平たく打たれた太めの形が特徴の手打ちうどんで中でも「ひもかわうどん」が有名 |
耳うどん | 栃木県 | 耳の形をしたすいとんに似た手打ち麺で平たく打った麺生地を7cm×4cm程度に切り分け折りたたんで調理する |
加須うどん | 埼玉県 | 江戸時代中期に不動ヶ岡不動尊總願寺付近で参拝客に提供されたのが始まりといわれている名物うどん |
武蔵野うどん | 埼玉県 | 小麦栽培に適した武蔵野台地で栽培された地粉を使った手打ちうどんでややくすんだ色合いと加水率が低めなのが特徴的 |
吉田のうどん | 山梨県 | 低加水で力強く打たれた麺でコシの強さと一般的なうどんの2倍ほどの太さが特徴的な手打ちうどん |
ほうとう | 山梨県 | 小麦粉を水だけで練った生地をうどん風にざっくりと包丁で切ったものを、野菜と一緒にみそ仕立ての汁で煮込んだ郷土料理 |
氷見うどん | 富山県 | 手延べ油は使用せず打ち粉澱粉を使った細めのうどん |
小松うどん | 石川県 | 江戸時代に加賀藩の名物として将軍様へ献上されていたと言われるうどん |
きしめん | 愛知県 | 幅が5mm程度の薄く平たい機械式の乾めんで「ひもかわうどん」とも呼ばれている |
伊勢うどん | 三重県 | 約一時間かけてゆで上げられた極太の麺にたまり醤油に出汁を加えた独自のタレをかけて食べる名物料理 |
備中うどん | 岡山県 | 生産量日本一を誇り鴨方うどんやかも川うどんとも呼ばれる |
讃岐うどん | 香川県 | 手打ちうどんの代名詞でつるりとした口当たりとコシの強さが特徴 |
博多うろん | 福岡県 | 柔らかくゆでられた麺にいりこ・サバ節・あご・うるめに昆布などからとった澄んだ出汁をかけトッピングに丸天(すり身の天ぷら)やごぼう天などを乗せるのが特徴的 |
五島うどん | 長崎県 | 冷麦より少し太く口当たりはなめらかでコシが強い手延べうどん |
高齢者の方の地元の思い出が詰まったうどんを、ぜひ介護食としても取り入れることをおすすめします。
参考:マイボイスコム株式会社「第3回 麺類に関するアンケート調査」
介護食でも、うどんがおすすめの理由
介護食としてうどんが特におすすめな理由を3つご紹介します。
やわらかい
うどんは種類やレシピによってはコシの強いものもありますが、基本的にゆでて食べる食材のためやわらかいのが特徴的と言えるでしょう。
このやわらかさとつるりとした喉越しが、噛むことや飲み込むことに問題のある高齢者の人にとっても食べやすい食材と言われる理由です。
エネルギーに変わりやすい
うどんは胃で消化されるのにかかる時間が2~3時間のため、消化・吸収しやすく栄養素をエネルギーとして取り入れやすい食品と言えます。
介護食を普段食べている高齢者の方があまり食欲のない時にうどんをメニューとして取り入れると、カロリー不足を回避することができるでしょう。
アレンジが豊富
うどんは上に乗せる食材をアレンジしてさまざまなレシピを作ることができるため、高齢者の方が飽きずに食事を摂ることができます。
食の楽しみが増え、QOL向上にもつながるでしょう。
おすすめレシピ「豆乳うどん」
おすすめの介護食うどんのレシピとして、タンパク質も摂れる豆乳のうどんをご紹介します。
材料(1人分)
・うどん半玉(90g)
※うどんの太さは高齢者の方の好みや嚥下の状態に合わせて選択する
・調整豆乳(100ml)
・めんつゆ(10ml)
・ブラックペッパー(少々)
※嚥下の状態が良くない人は使用を控える
①鍋に豆乳とめんつゆを入れ、うどんの長さは高齢者の飲み込みの状態に合わせて調整する
②焦げないようにかきまぜながら温め、煮立ってきたら火を止める
③器に盛りつけてブラックペッパーを散らす
参考動画【レトルト食材で作るざっくり介護食】うどん
まとめ
うどんはやわらかくて消化が良く、アレンジも豊富なため介護食として積極的に取り入れたいメニューだとわかりました。
ぜひさまざまなうどんのレシピを取り入れて、高齢者の方の食卓に華やぎを添えてみてください。