単一原料米と複数原料米の違いを仕入れに生かす方法

目次

お米には、単一原料米と様々なお米の種類をブレンドした複数原料米があります。これらの違いは実際にどのようになっているのか、また仕入れをする際にこれらをどう活かしたらいいのかについて詳しく紹介します。

米の卸問屋として、専門的にこれらのお米の違いを紹介しますので、参考にしてください。

単一原料米と複数原料米の違いとは? 

お米の価格が高騰するというケースも増えてきています。そのため、単一原料米だけでなく、比較的安い複数原料米を利用する機会も増加傾向です。これらのお米の違いは具体的に何なのかについて、詳しく見ていきます。

単一原料米とは?特徴と表示ルール 

「単一原料米」とは、産地・品種・産年が同一のお米を10割使用しているお米のことです。特徴としては、お米の品質や味などが安定しやすいのが特徴と言えます。

お米の袋には、「どこの場所で」「どの品種で」「何年産」ということが表示されています。

1産地で、1品種、同年産という表示がなされているお米が「単一原料米」です。

例えば、「新潟県産コシヒカリ〇年産」などと表示されています。

複数原料米とは?ブレンド米の仕組み

「複数原料米」とは、複数の産地や年産、品種を混ぜているお米のことです。特徴としては、ブレンドの仕方、それぞれのお米の特徴によって品質や味が変わります。それぞれの特徴を活かしたお米になるようブレンドすることが可能です。

お米の袋には、ブレンドしたお米の使用割合や主な原料のみを表示するルールです。

「国内産10割」などと表示されることがあります。

単一原料米と複数原料米の違いを比較  

単一原料米と複数原料米の違いについて比較しますので、参考にしてください。それぞれに特徴がありますので、よく知っておくことが大切です。

・単一原料米

  • 産地・品種 明確に表示されていて産地・品種が単一に特定されている
  • 味・品質 安定しやすいのが特徴
  • 価格    産地・品種にもよるが、やや高めの傾向

・複数原料米(ブレンド米)

  • 産地・品種 複数のものの組み合わせで、様々な割合でブレンドされている
  • 味・品質 バラつきが出やすい場合があるが、個性のバランスが取れている場合もある
  • 価格    安い場合が多い

飲食店・業務用ではどちらを選ぶべき? 

飲食店や業務用で仕入れる場合に、単一原料米と複数原料米のどちらを選ぶべきかについても見ていきます。

単一原料米が向いている飲食店 

単一原料米が向いている飲食店としては、お米を主役にして「〇〇産の銘柄米を使用しています」などとアピールしたいお店です。

具体的には次のような飲食店に向いています。

  • お米の産地や品種を表示して、他店と差別化を図りたい飲食店
  • こだわりの定食屋や和食などの店
  • 高級和食や高級寿司店など高単価が狙える店

複数原料米が向いている飲食店 

複数原料米が向いている飲食店は、コストを大切に、お米の安定した供給などを重視したいお店です。

具体的には次のようなお店に向いています。

  • 一般的な定食屋
  • お弁当などを中心とした店
  • 居酒屋
  • カレーや安い単価の飲食店など
  • 特定の利用者向けの給食や施設など
  • 多くのお米を安定して提供したいホテルなど

お米選びで失敗しないためのポイント 

お米選びで失敗しないためのポイントについても見ていきます。お米選びのポイントとしては、使用用途、メニューなどを明確にして選ぶことが大切です。それぞれに合ったお米を単一原料米、複数原料米の中から選んでください。

単一原料米、複数原料米のそれぞれの特徴を理解して、味、品質、価格を考え併せて選ぶことがポイントです。

しかし、仕入れる際に専門的な知識がないとこれらを選ぶことは難しいため、専門の米穀卸会社に相談することもポイントの一つです。

単一原料米とは?業務用で選ばれる理由

単一原料米とは、産地・品種・産年などの情報が明確なお米です。飲食店では「○○県産コシヒカリ使用」のようにお米そのものを店舗のこだわりとして訴求しやすく、メニューの付加価値を高める目的でも選ばれています。

一方、給食事業者や高齢者施設など大量のお米を使用する現場では、食味だけでなく仕入れ価格や安定供給も重要です。そのため、単一原料米の特徴を理解したうえで、提供する料理や予算に適しているかを判断する必要があります。

ここでは、単一原料米とはどのようなお米なのか、ブランド米・銘柄米との違いや、業務用として使用するメリット・デメリットについて解説します。

単一原料米は産地・品種・産年が明確なお米

単一原料米とは、基本的に産地・品種・産年が同一である原料玄米を使用したお米を指します。

例えば、「兵庫県産・コシヒカリ・令和8年産」というように、どこで生産され、どの品種で、いつ収穫されたお米なのかを確認しやすいのが特徴です。

お米を購入するときは価格や商品名だけでなく、袋に記載されている表示を確認すると、どのような原料が使用されているのかを判断できます。

確認する項目内容表示例
産地お米が生産された地域兵庫県
品種お米の品種コシヒカリ
産年お米が生産された年令和8年産
使用割合該当する原料玄米の割合10割

単一原料米は産地や品種などが明確なため、「使用しているお米にこだわりたい飲食店」と相性がよいのも特徴です。

例えば、定食店や和食店、おにぎり専門店などでは、

  • ○○県産コシヒカリ使用
  • 地元産のお米を使用
  • 令和8年産○○使用

といった形で、お米を店舗のこだわりとしてお客様へ伝えることもできます。

ただし、「単一原料米だから必ずおいしい」というわけではありません。同じ品種であっても産地や作柄、保管状態、精米状態、炊飯方法などによって食味は変わります。

業務用として選ぶ場合は、表示だけで判断するのではなく、実際の食味や料理との相性、仕入れ価格まで含めて比較することが大切です。

単一原料米とブランド米・銘柄米は同じもの?

単一原料米について調べていると、「ブランド米」「銘柄米」といった言葉を目にすることがあります。

これらは似た意味で使われることがありますが、単一原料米=高級なブランド米という意味ではありません。

単一原料米は、原料となるお米の産地・品種・産年などに基づく表示上の区分として考えると分かりやすいでしょう。

一方、ブランド米という言葉は、特定の産地や品種などの特徴を活かし、ブランドとして販売・認知されているお米を指す際に一般的に使われています。

例えば、

「コシヒカリだから単一原料米」

と品種名だけで判断することはできません。

同じコシヒカリでも、複数の産地や産年の原料を使用している商品も考えられるため、実際の商品表示を確認することが重要です。

業務用のお米を選ぶ際は、

  • 単一原料米かどうか
  • どこの産地なのか
  • どの品種なのか
  • 食味が料理に合っているか
  • 仕入れ価格が予算に合っているか
  • 必要量を継続して確保できるか

などを総合的に比較しましょう。

特に毎月大量のお米を使用する給食事業者や高齢者施設では、知名度の高いブランドだけを基準にするのではなく、必要な品質と価格、供給量のバランスから選ぶことが重要です。

単一原料米のメリット・デメリット

単一原料米には、産地や品種を分かりやすく訴求できるメリットがあります。その一方で、業務用として大量に使用する場合には、価格や安定供給などについても考えておく必要があります。

主なメリット・デメリットを整理すると次のようになります。

項目メリットデメリット・注意点
産地・品種使用しているお米が分かりやすい産地・品種を限定すると選択肢が狭くなる
店舗での訴求「○○県産○○使用」などを打ち出しやすい銘柄変更時にメニュー表示などの見直しが必要になる場合がある
食味品種本来の特徴を活かしやすい年産や作柄などによって違いが生じる
価格お米を付加価値として訴求しやすい人気銘柄などは仕入れ価格が高くなる場合がある
仕入れ産地・品種を指定して仕入れられる作柄や流通量によって確保しにくくなる場合がある

例えば、白ご飯そのもののおいしさを売りにしている和食店や定食店では、単一原料米を使用して産地・品種を訴求することが店舗の付加価値につながります。

一方、社員食堂や給食事業者、高齢者施設などでは、毎日大量のお米が必要です。単一原料米に限定すると、相場や作柄によっては仕入れ価格や供給量の影響を受ける可能性があります。

そのため、業務用米では**「単一原料米か複数原料米か」だけで良し悪しを決めるのではなく、用途に対して必要な品質を満たしているか**という視点が重要です。

例えば、次のように用途によって考え方を変える方法があります。

  • 白ご飯を商品の強みにしたい飲食店:産地や品種、食味を重視して単一原料米を検討する
  • カレー・丼などを提供する飲食店:料理との相性と原価のバランスを重視する
  • 給食事業者:大量炊飯への適性、価格、安定供給を重視する
  • 高齢者施設:白ご飯・お粥など食形態ごとの適性と価格を重視する

単一原料米には単一原料米の良さがありますが、すべての飲食店や施設にとって最適とは限りません。

食味・料理との相性・1食あたりの原価・年間を通した供給の安定性まで含めて判断することが、業務用のお米選びでは大切です。

単一原料米の表示から分かること・分からないこと

単一原料米は、産地・品種・産年がそろったお米です。そのため、パッケージを見ることで「どこで作られた、何という品種の、何年産のお米なのか」を確認できます。

一方で、「単一原料米」と表示されているからといって、すべてが同じ農家や同じ田んぼで作られたお米という意味ではありません。

業務用のお米を仕入れる場合は、表示から読み取れる情報と、実際の品質を分けて考えることが大切です。

単一原料米は「同じ農家・同じ田んぼのお米」とは限らない

単一原料米について、「一つの田んぼで収穫されたお米」「一人の生産者が作ったお米」と考える方もいるかもしれません。

しかし、単一原料米の条件として重要なのは、基本的に産地・品種・産年が同一であることです。

たとえば、同じ地域で複数の農家が栽培した同じ品種・同じ年産のお米を使用していても、条件を満たし、根拠となる資料が確認できれば単一原料米として扱うことができます。

つまり、

・単一原料米=一つの産地
・単一原料米=一つの品種
・単一原料米=同じ年産

ではありますが、

単一原料米=一つの田んぼ・一人の生産者

という意味ではありません。

この違いを理解しておくと、表示だけでお米の品質を判断してしまうことを防げます。

産地・品種・産年には根拠となる情報が必要

単一原料米として産地・品種・産年を表示する場合は、その内容を確認できる根拠資料が必要です。

以前は農産物検査による証明というイメージが強くありましたが、現在の食品表示制度では、産地・品種・産年について根拠を示す資料を保管していることが重要となっています。

そのため、業務用米を仕入れる際にも「単一原料米と書いてあるから安心」と考えるだけではなく、産地や年産などの商品情報を確認することが大切です。

特に「○○県産コシヒカリ使用」のように、お米の産地や品種を店舗のメニューやWebサイトでアピールする場合は、仕入れている商品の表示内容を確認しておきましょう。

単一原料米でも味がすべて同じになるわけではない

産地・品種・産年が同じでも、お米の食味が完全に同じになるわけではありません。

お米は農産物のため、生産された地域の気候や土壌、栽培方法、収穫後の乾燥や保管状態などによって違いが生まれます。

さらに、精米してからの保管状態や炊飯方法によっても、ご飯の硬さや粘り、香りは変化します。

そのため業務用で単一原料米を選ぶ場合は、表示だけでなく実際に炊飯し、

硬さ・粘り・粒立ち・香り・料理との相性

まで確認することが重要です。

業務用で単一原料米を使うなら年産切り替え時の確認が重要

飲食店や給食施設では、一度決めたお米を長期間使用するケースが多くあります。

そこで注意したいのが、新米への切り替えなどで年産が変わるタイミングです。

同じ産地・同じ品種を継続して仕入れていても、年産が変われば作柄や米の状態も変わるため、昨年とまったく同じ炊飯条件が適しているとは限りません。

同じ品種でも年産によって炊き上がりが変わることがある

お米は毎年同じ条件で生産されるわけではありません。

気温、日照時間、降水量などによって生育状況は変わるため、同じ産地・同じ品種でも、年によって硬さや粘りなどに違いが出る場合があります。

そのため、前年と同じ銘柄だからといって、

「去年と同じ水加減なら大丈夫」

とは限りません。

年産が切り替わった際には、まず少量で試し炊きを行い、自店で求める食感になっているかを確認するのがおすすめです。

炊きたてだけでなく保温後や冷めた状態まで確認する

業務用米では、お客様が実際に食べる状態を確認することも重要です。

定食店なら炊飯後に一定時間保温する場合がありますし、弁当やおにぎりであれば冷めた状態で食べることになります。

試し炊きをする場合は、

確認する状態チェックするポイント
炊飯直後香り・粘り・粒立ち
保温後硬さ・黄ばみ・乾燥
冷めた後パサつき・粘り・食べやすさ
料理と合わせた状態タレやおかずとの相性

などを確認すると、実際の営業時に近い状態で判断できます。

年産が変わったら炊飯条件も見直す

使用するお米が変わった際に、食感が硬くなったり、べたついたりした場合、お米の品質が悪いとは限りません。

水加減や浸水時間など、これまでのお米に合わせていた炊飯条件が、新しいお米に合っていない可能性もあります。

特に大量炊飯では小さな違いが全体の仕上がりに影響するため、

米の量・加水量・浸水時間・炊飯量・保温時間

などを記録しておくと調整しやすくなります。

単一原料米を長く使い続ける場合も、「銘柄を固定すれば終わり」ではなく、年産ごとの状態を確認して炊飯条件を調整することが安定したご飯を提供するポイントです。

業務用の単一原料米は「銘柄」だけでなく仕入れ条件まで確認する

業務用のお米を選ぶ際には、「有名な産地・品種だから」という理由だけで単一原料米を選ぶのではなく、実際の店舗運営に合っているかを確認することが重要です。

特に毎月大量のお米を使用する場合は、食味だけでなく価格や供給量、年産切り替え時の対応なども仕入れ条件に含まれます。

月間使用量と年間の供給量を確認する

単一原料米は産地・品種・産年を指定するため、希望する銘柄によっては必要量を一年中確保できるとは限りません。

飲食店で月に数十kg程度使用する場合と、給食施設などで月に数百kg、数t単位で使用する場合とでは、仕入れ先に求める供給力も変わります。

特に業務用では、

・月間使用量
・1回あたりの発注量
・納品頻度
・年間予定数量
・保管可能な数量

を仕入れ先へ伝えておくことが大切です。

品種を指定するメリットと仕入れリスクを比較する

単一原料米には、「○○県産○○使用」のようにメニューでお米をアピールできる大きなメリットがあります。

一方で、特定の産地や品種に限定すると、作柄や市場価格によって仕入価格が上昇したり、必要な数量を確保しにくくなったりする可能性があります。

そのため、業務用では次のように考えると分かりやすいでしょう。

重視したいこと選び方の例
産地・銘柄をアピールしたい単一原料米を指定
白ご飯そのものを売りにしたい食味を確認して単一原料米を検討
原価を安定させたい複数原料米も比較
大量に年間使用したい供給量まで確認
料理との相性を重視したい単一・複数に限定せず試食して判断

単一原料米と複数原料米にはそれぞれ特徴があり、どちらが優れているというものではありません。

見積もりだけでなくサンプル炊飯で比較する

業務用米の仕入れでは、価格表だけで商品を決めるのではなく、可能であればサンプルを実際の店舗設備で炊いて比較することをおすすめします。

炊飯時には、

・現在使用しているお米
・候補となる単一原料米
・候補となる複数原料米

を同じ条件で比較すると違いが分かりやすくなります。

さらに、仕入れ先へ相談する際には、業態や料理、希望する食感、月間使用量、現在の仕入価格などを伝えることで、条件に合ったお米を提案してもらいやすくなります。

「単一原料米を使いたい」と銘柄から探すだけではなく、どのようなご飯を、いくらくらいの原価で、年間どのくらい必要としているのかまで整理することが、業務用米選びでは重要です。

地元の米穀卸売会社に相談するメリット 

お米の仕入れに関しては地元の米穀卸売会社に相談することがおすすめの方法です。相談するメリットとしては、次のようなメリットがいろいろあります。

飲食店に合ったお米を提案してもらえる

それぞれの飲食店、またメニューに合ったお米を専門的に提案してもらえます。

例えば、定食屋、テイクアウト専門のおにぎり屋、高級料亭、ホテル、施設などそれぞれの業態、メニューによって個別におすすめのお米を提案してもらえます。

銘柄をアピールする単一原料米がいいのか、複数原料米でコストを抑えてバランスのいいお米にするのかなどを提案してもらえます。

安定供給と品質管理につながる

最近では、お米の価格も高騰し、供給量も不安定です。また、品質も気候や産地によってその都度変わりますので、地元の米穀卸会社に実際に相談することは重要です。

どのようなお米を仕入れたらいいのかを豊富な知識の中からアドバイスしてもらえておすすめです。

単一原料米・複数原料米を上手に使い分けよう  

価格としては、単一原料米が高めで、供給量も不安定な場合がありますので、複数原料米を活用して仕入れを安定させることもポイントです。

専門の米穀卸会社ならば、それぞれのお米の特徴もよく知っていますので、ブレンドの仕方も個々の飲食店やメニューに合わせて行えますので、依頼してみることもポイントです。

 まとめ

単一原料米と複数原料米について紹介しましたが、それぞれの違いをよく理解して使い分けることがとても大切です。飲食店などで仕入れる場合は、味、品質、価格、供給量の安定など、様々な面から考えてみるといいでしょう。

その際は、実績のある米穀卸会社から、アドバイスを受けて仕入れることをおすすめします。複数原料米(ブレンド米)の良さも活かしながら、お米の安定化を図ってみることができておすすめです。

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