業務用米を保存する際、米びつで常温保存する方も多いのではないでしょうか。
しかし、冷蔵庫でお米を保存したほうが良いという意見もあり、どちらが正しいのか判断に迷うという方もいるでしょう。
そこで、業務用米を保存するのに適した冷蔵庫の機能や、お米を長持ちさせるための正しい保存方法について紹介します。
業務用米の常温保存と冷蔵保存の違いとは
業務用米は常温保存でも長持ちするという印象があり、基本的に冷蔵庫に入れず保存をしている方が多いです。そこで、常温保存と冷蔵保存の違いについて紹介します。
温度によってカビや虫が発生する
業務用米を含め、お米は15度前後で保存するのが正しいといわれています。
18度以上の場所で業務用米を保存すると、お米が傷み、虫が湧いたりカビが発生したりすることがあるためです。
そのため、15度以下で保存することによって業務用米の劣化を予防し、虫やカビの発生も防いで安全に保存できるでしょう。
夏以外は常温でも保存できる
業務用米の保存温度として最適なのは15度以下ですが、夏の室内は20度以上になることも多いです。さらに、湿度も上がるため、業務用米を常温で保存するのに適しているとはいえません。
ただし、5月~10月頭を除いた春や冬の時期は、常温でも保存できるでしょう。
時期によっては、湿度が低く、暗く涼しい場所であれば、業務用米を常温保存することは可能です。
冷蔵庫で保存する際には野菜室に入れる
夏の時期以外は常温で保存することが可能ですが、業務用米を含めお米には賞味期限があります。
毎日、大量に業務用米を使用していれば賞味期限内に消費することは可能ですが、毎日業務用米を使わない場合には賞味期限を確認しておきましょう。
春や秋は精米してからおよそ1ヶ月、冬は精米してからおよそ2ヶ月、夏場は精米してからおよそ2週間が目安です。
冬は業務用米が長持ちしますが、夏は賞味期限が非常に短くなるため、業務用米を大量に購入すると2週間以内に消費するのは難しい場合もあるでしょう。
賞味期限内に消費できない場合には常温で保存せず、鮮度を維持できる冷蔵庫の野菜室に入れておく方法が有効です。
業務用米が痛むのを予防し、常温で保存するよりも長持ちさせられます。
しかし、冷蔵庫の野菜室はスペースが狭いため、野菜室に入れられない場合には、賞味期限内に食べられる部分だけ買うようにしましょう。
お米の保存に!業務用の冷蔵庫
業務用米の保存に適した冷蔵庫とはどのようなものか、必要な機能について紹介します。
また、業務用米を冷蔵庫で保存する方法や、冷蔵庫で保存するメリットについても合わせて確認していきましょう。
防虫・防カビ
業務用冷蔵庫に使用するサイズの防カビシートや防虫ダニシートを活用したり、防カビコーティングを施すことも検討しましょう。
基本的にお米についている虫は害がありませんが、虫がついていると気持ちが悪く食べたくないと感じる方が多いでしょう。虫を予防するためには、にんにくや鷹の爪のほか、お米用の防虫剤を米びつに入れておく方法が有効です。
さらに、お米は濡れた手や濡れた計量カップを使わないように注意が必要です。
手や計量カップが濡れた状態でお米に触れると水分がつき、湿気が溜まり、お米にカビが生えたり変色したりします。変色したりカビが生えたりしたお米は、洗っても食べられないため注意が必要です。
温度・湿度調節
業務用冷蔵庫は、無風状態で温度調整機能や湿度を保つ機能が搭載されているものが一般的です。
お米を20度以上の場所で保存していると、虫がつく可能性が高いです。
さらに、温度が高い場所に置くとお米が劣化するため注意しましょう。
基本的には温度は15度以下の環境で、直射日光が当たらない暗い場所に保管することが重要です。
湿度は60%~70%で維持するのがベストです。
温度が低く暗い場所に置くことによって、劣化スピードを遅らせる効果が期待できます。
湿度が上がるとお米が水分を吸収してカビが発生しますが、湿度が低いとお米の水分が抜けてしまうため、湿度60%ほどを維持できる冷蔵庫を使用しましょう。
鮮度をキープ
業務用冷蔵庫は、低温と湿度を安定させ、業務用米の保存に理想的な環境を維持する機能が搭載されているものが多いです。
また、業務用米は密閉できる保存容器に入れることで、鮮度を維持できます。
密閉容器ではなくビニール袋に入れる場合は、口がしっかりと閉じるものに入れたり、業務用米の袋ごと蓋がついてる密閉容器に入れたりする方法もおすすめです。
また、牛乳パックやペットボトルは、業務用米を入れる密閉容器として活用できます。
なお、お米はニオイが移ることが特徴です。冷蔵庫の中は業務用米を保存するのに最適ですが、様々な食材が入っているため、業務用米にニオイが移る可能性が高いです。
お米以外の食材も、ニオイが強いものは密閉容器に入れると良いでしょう。
特に魚や肉、醤油差しを冷蔵庫に入れている場合には、お米にニオイが移ることがあるため注意が必要です。
おすすめ保存は玄米のまま?精米してから?
精米した後のお米は、白米の部分が空気に触れた状態です。
お米が空気に触れると少しずつ劣化するため、精米する前の玄米のほうが長持ちしやすいことが特徴です。
まとめ
業務用米は、適切な温度や湿度で保存することが大切です。
季節によっては常温保存でも良いですが、基本的には冷蔵庫の中に入れておくと安心だといえます。
業務用米を保存する際には、防虫や防カビグッズを入れるもしくは加工を施した冷蔵庫や、温度や湿度を自動調整できるような機能性に優れた冷蔵庫に入れ、賞味期限内に使い切るようにしましょう。
関連記事:お米の保管には保冷庫・冷蔵庫がおすすめ