お米の等級について理解しよう

目次

2014年に日本テレビの「鉄腕DASH」においてTOKIOの皆さんが生産した「男米」が初めて一等米と認められたことで、お米には等級があることを初めて知った人も多いのではないでしょうか。
この記事とはお米の等級とはどのような基準なのかを詳しく解説します。

お米の等級とは


お米の等級は、農産物の公正で円滑な取引とその品質の改善とを目指し、併せて農家経済の発展と農産物消費の合理化とに寄与することを目的として行われる、農産物検査の結果から設定されるものです。

米穀検査による検査で分類

玄米における農産物検査(いわゆる米穀検査)では次の2種類の検査が行われます。

①品位等検査
種類(もみ、⽞⽶、精⽶)、銘柄、品位(等級)、量⽬、 荷造り、包装について検査を行います。

②成分検査
たんぱく質、アミロースの含有量についての検査です。

農産物検査の結果は、毎年農林水産省のページにて公開されています。

参考:農林水産省農産局穀物課「コメの農産物検査」

等級の意味と見方


お米には「水稲うるち玄米」、「水稲もち玄米」、「陸稲うるち玄米及び陸稲もち玄米」、「醸造用玄米」、「飼料用玄米」の5つの検査規格があり、この基準に基づいて等級が決められます。

等級の種類

「水稲うるち玄米」「水稲もち玄米」「陸稲うるち玄米及び陸稲もち玄米」「醸造用玄米」「飼料用玄米」の5つの検査規格を表にまとめてみました。

①水稲うるち玄米

整粒(%) 形質 水分(%) 計(%) 死米(%) 着色粒
(%)
異種穀粒
(%)
異物(%)
1等 70 1等標準品 15.0 15 7 0.1 0.4 0.2
2等 60 2等標準品 15.0 20 10 0.3 0.8 0.4
3等 45 3等標準品 15.0 30 20 0.7 1.7 0.6

1等~3等までのそれぞれの数値に当てはまらない玄米で、異種穀粒及び異物を50%以上混入していないものは規格外とされます。

②水稲もち玄米

整粒(%) 形質 水分(%) 計(%) 死米(%) 着色粒
(%)
異種穀粒のもみ
(%)
異種穀粒の麦(%) 異種穀粒のうちもみと麦を除いたもの(%) 異物
1等 70 1等標準品 15.0 15 7 0.1 0.3 0.1 0.3 0.2
2等 60 2等標準品 15.0 20 10 0.3 0.5 0.3 0.5 0.4
3等 45 3等標準品 15.0 30 20 0.7 1.0 0.7 1.0 0.6

1等~3等までのそれぞれの数値に当てはまらない玄米で、異種穀粒及び異物を50%以上混入していないものは規格外とされます。

③陸稲うるち玄米及び陸稲もち玄米

整粒(%) 形質 水分(%) 計(%) 死米(%) 着色粒
(%)
異種穀粒のもみ
(%)
異種穀粒の麦(%) 異種穀粒のうちもみと麦を除いたもの(%) 異物
1等 65 1等標準品 15.0 15 7 0.1 0.3 0.1 0.3 0.2
2等 55 2等標準品 15.0 20 10 0.3 0.5 0.3 0.5 0.4
3等 45 3等標準品 15.0 30 20 0.7 1.0 0.7 1.0 0.6

1等~3等までのそれぞれの数値に当てはまらない玄米で、異種穀粒及び異物を50%以上混入していないものは規格外とされます。

④醸造用玄米

整粒(%) 形質 水分(%) 計(%) 死米(%) 着色粒
(%)
もみ
(%)
異物(%)
特上 90 特上標準品 15.0 5 3 0.0 0.1 0.0 品種固有の色
特等 80 特等標準品 15.0 10 5 0.0 0.2 0.1 品種固有の色
1等 70 1等標準品 15.0 15 7 0.1 0.3 0.1 品種固有の色
2等 60 2等標準品 15.0 20 10 0.3 0.5 0.4
3等 45 3等標準品 15.0 30 20 0.7 1.0 0.6

特上~3等までのそれぞれの数値に当てはまらない醸造用玄米で、もみ及び異物を50%以上混入していないものは規格外とされます。

⑤飼料用玄米

水分(%) 被害粒(%) 異種穀粒のもみ(%) 異種穀粒の麦
(%)
異種穀粒のもみと麦を除いたもの
(%)
異物(%)
合格 15.0 25 3 1 1 1

合格の数値に当てはまらない玄米で、異種穀粒及び異物を50%以上混入していないものは規格外とされます。

参考:農林水産省「玄米の検査規格」


等級の基準


農産物検査の基準となる上記の数値は、農産物検査が農産物流通の現状や、消費者ニーズに合わなくなってきた場合、見直しをされることがあります。

その場合まずは検討会などで議論を重ね、有識者の了承を得てスケジュールに即した形で見直しが進められていくのです。

2019年より行われている最新の農産物検査の見直しについては、2022年2月に農林水産省のホームページへ途中経過が掲載されているため興味のある人は内容を確認してみましょう。

参考:農林水産省「農産物検査の見直しについて」


どこが選定するのか

2006年より農産物検査は全て民間の登録検査機関において、農産物検査に1年以上従事または農林水産大臣が指定する研修課程を修了して資格を得た農産物検査員によって行われるようになりました。

検査機関の登録状況について、毎年農林水産省のホームページで都道府県別の新規登録数、廃止数、登録検査員数をそれぞれ確認することができます。

参考:農林水産省「登録検査機関の登録状況」


まとめ

お米の等級は、民間の登録機関において農産物検査員により行われる農産物検査の結果から設定されますが、1等、2等、3等とそれぞれ項目別に数値が決められていて、その基準をクリアしたお米に対して設定されることがわかりました。

この記事も参考にして、ぜひお米の等級に対する理解を深めてみてください。

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