お客様に美味しいお米を食べてほしいので業務用米を購入したけれど、どのような保管方法が望ましいのかわからず困っている人はいませんか?
この記事では業務用米を保管するためにはどのようなことに気を付ければよいのかから、大型保管庫の種類まで詳しく解説します。
お米をおいしく保管したい
業務用米の保管期限は、一般的には夏は2週間、その他の季節は3~4週間と言われています。
つまりこの期間に業務用米をどのような環境下で保管するかによって、提供できるごはんの美味しさが変わるというわけです。
業務用米を保管するにはどのような環境がふさわしいのかを、3つの観点から考えてみましょう。
酸化を抑える
精米した白米は空気に触れると酸化して味が落ちてしまいます。
具体的には白米の表面を覆っている糊粉層(こふんそう)が分解されて味が劣化したり、臭いの原因となったりします。
玄米の場合は糊粉層がさらに果皮に覆われているため酸化しにくく、無洗米の場合も糊粉層が取り除かれているため酸化しにくいのですが、白米の場合は周囲の温度が高くなるほど酸化が活発になってしまうのです。
このため白米を保管する場合は温度を10度以下とし、酸化を抑えることが重要だと言えるでしょう。
防湿・防カビ
お米を保管する環境が水に触れる場所だったり、湿度の高い場所だったりして含水率が17%以上になるとカビが発生しやすくなります。
お米にカビが生えると、色が変色し湿った手触りになりますが生え始めのころはわかりにくいのでうっかり食べてしまわないよう注意が必要です。
カビが生えたお米を食べることですぐに健康を害するといったことはなくても、カビには発がん性物質を含むものもあるため長期的にみると身体に良くないということは覚えておかなければなりません。
防虫
温度が15度~20度になるとお米につく虫は活動を開始し、20度~25度になると活動が活発化します。
虫に食べられてしまったお米はその部分を取り除けば食べることに問題はありませんが、心理的に抵抗のある人も多いでしょう。
お米を食べる虫にはノシメマダラメイガ、コクゾウムシ、コクヌスト、コメノゴミムシダマシ、ノコギリヒラタムシ、コナナガシンクイなどたくさんの種類がありますが、まずは虫たちが活動しにくい温度を意識したり、お米に虫がつきにくいよう密閉して保管したりといった対策が重要です。
業務用の保管庫には家庭用より大型がおすすめ
業務用米は家庭用のお米と異なり大量に保管しなければならないため、家庭用の米びつでは容量、機能共に物足りないことの方が多いでしょう。
そのため業務用米を保管するなら米びつより保管庫、またある程度大型のものがおすすめなのですが、用途に応じてさまざまな種類から選ぶことができるため、それぞれご紹介します。
低温貯蔵庫
低温貯蔵庫とは玄米の保管に最適な13度前後の温度と60%~70%程度の湿度を維持することができる保管庫です。
玄米を保管できるものと、玄米だけではなく野菜も保管できるものがあるため、ニーズに合わせたタイプを活用できるのが魅力的だと言えるでしょう。
また玄米30kgを5袋から収納できる小型の低温貯蔵庫から、200袋収納できるプレハブ型の大型低温貯蔵庫まであるので、業務用米をどの程度保管したいのかによって大きさも柔軟に選べます。
保冷庫
低温貯蔵庫のことを保冷庫と呼ぶこともあります。
ただし保冷庫と呼ぶ場合、業務用だけではなく家庭用も含まれているめ、検索エンジンで検索してみると、家庭用と業務用の両方が出てくるでしょう。
業務用米の保管を目的として調べるなら、「低温貯蔵庫」で検索する方が適切な情報にたどりつけるのではないでしょうか。
冷蔵庫
冷蔵庫はコンプレッサーというモーターを使用してものを冷やす冷却機能がついている保管庫です。
前項目で紹介した保冷庫はもともと冷えているお米をそのままの状態で維持することしかできませんが、冷蔵庫では常温だったお米を冷やすことが可能だということです。
保冷庫はクーラーボックスのようなものだとイメージするとわかりやすいのではないでしょうか。
お米専用というよりは、野菜や肉も保管する業務用冷蔵庫内にお米も入れるといった形で活用する場合の方が多いでしょう。
プレハブ式で1坪~3坪など大型のものもあるため、十分な収納力が必要な場合でも対応できます。
米用保管庫
米専用の保管庫で、除湿機能や換気機能がついているものもあります。
いわゆる「米びつ」も米用保管庫に分類されるため、米用保管庫は家庭用と業務用の両方が存在しているのです。
保冷機能や冷蔵機能がついていない分、費用を抑えて手に入れることができるでしょう。
まとめ
業務用米を保管するためには、防虫・防カビ・酸化防止のため13度前後の温度と60%~70%程度の湿度を維持することが望ましいため、そのような環境を維持できる大型の保管庫を準備することが大切だとわかりました。
ぜひお米の美味しさを維持できる環境で、適切な保管を行ってみてください。