古いお米になると、美味しくないと思うことも多いでしょう。
しかし、炊き方などを工夫すれば美味しく食べることもできます。
そのためには古いお米の特徴を知ることが大切ですのでご紹介します。
また古い米でも美味しく炊く方法についてご紹介しますので参考にしてみませんか。
古いお米の特徴
まず、古いお米を美味しく炊くには、古いお米の特徴を知っておくことが大切です。
古いお米がどのような状態にあるのかを知っておくといいでしょう。
お米の賞味期限は?
そもそもお米の賞味期限はあるのでしょうか?
お米は生鮮食品で気候・温度・湿度・保存方法などによって食べることのできる期間が変化するため、実は賞味期限や消費期限の記載が義務付けられていません。
お米の開封前と開封後の賞味期限は袋に小さな空気穴があるため変わりません。
ただし、未開封のお米の賞味期限は精米前と精米後では違います。
未開封のお米の精米前の賞味期限は購入してから約1年。
開封後のお米の精米後の賞味期限は春夏で約1か月、秋冬で約2か月が目安となります。
お米は開封か未開封かよりも劣化しにくい保管環境を保っているかかが重要となります。
未開封のお米だと、賞味期限はどのくらい?

お米は生鮮食品。おいしいうちに
お米は新米が美味しいと言われるように、収穫して間もないお米が美味しく、保管するうちに味が少しずつ劣化していきます。
お米は、生鮮食品と同じように保管に気をつけて、美味しいうちに早く食べることがおすすめです。
また、精米したお米も早く食べることが大事と言われています。
精米すると空気に触れることでお米の酸化が始まり、風味が落ちてしまいますので精米後の古米は、特に注意が必要です。
古米の特徴についてですが、古米は水分量が少ないため、新米に比べて同じように炊くと硬く炊けてふっくらとならないことが多くなります。
ぬかの部分などから古米の香りがしてしまうこともあるでしょう。
また、古米が劣化してしまった場合は、食べて酸味を感じる場合があります。
そうならないうちに早く食べるのがおすすめです。
前年に収穫されたお米を「古米」「古古米」「古古古米」など年を重ねると古くなる呼び方に
2025年6月現在、米の需給調整の影響で古米・古古米の備蓄活用が注目されています。物価高騰や食料安全保障への関心が高まる中、備蓄米の放出により古米の流通量が増加。業務用や加工用への活用が進んでおり、価格面でも再評価されています。
お米は、その年に収穫されたお米を新米と呼び、1年以上経ったものは古米となります。
翌年からは古米となり、その前の年のお米は古古米、その前は古古古米などと呼ばれます。
できるだけ早く食べるのが良く、お米の袋には産年が表示してありますので、何年産というのを見て確認するといいでしょう。
産年と精米日を見て、古いお米と新しいお米を判別するのがおすすめです。
古いお米でも美味しくなる炊き方9選
できるだけ早く食べるのがすぐに食べきれないこともあるでしょう。
そんな時に古いお米でも美味しく感じられる炊き方もありますので知っておくといいでしょう。
次のような方法を工夫して、古いお米でも美味しく味わってみませんか。
①お米を研ぐ際に力を入れすぎない
まず、古い米の場合には研ぐ際にあまり力を入れすぎないで研いでください。
最初の水には糠がたくさん含まれているので、その水を米に吸わせないようにします。
古い米は、水分量が減っていて割れやすくなっています。軽めに研いでお米の粒が割れないように注意することが大切です。
また、古米のニオイが気になる場合は力を入れずに研ぎながら繰り返し研いで、ニオイを取ることも必要です。
②しっかりめに浸水、水分を行き渡らせる
また、古い米は水分が減っているため、しっかりと浸水させることが大切です。
夏は30分、冬は2時間程度浸水させてから炊くといいでしょう。
少し長めに浸水させてください。
また、炊飯時の水の量は少しだけ多めにして炊くのが美味しい炊き方です。
③みりん・お酒大さじ1~2杯を加えると、ニオイ消しとツヤ出しになる
古いお米は、パサパサした印象になったり、古米ならではのニオイがしたりします。
ニオイ消しとツヤ出しのためにお酒や本みりんなどを加えて炊くのもいい方法です。
米1合当たり大さじ1程度を投入して炊き上げてみるといいでしょう。甘みも出て美味しいお米が炊けます。
④昆布や梅干しを使う
炊飯時に昆布や梅干しを一緒に炊き込むと、風味が増し、古いお米でもおいしく食べられます。
だしパックなどを入れて炊くと手軽で、出汁の香りで古いお米の臭いをカバーできます。
梅干しは酸味で臭いを抑える効果もありますので入れて炊くとおにぎりにも最適です。
⑤竹炭をいれて炊く
竹炭をいれて炊くと色々な効果があります。
竹炭には多くの微細な穴があり、古いお米が持つ独特の匂いや雑味を竹炭が吸収し、炊き上がったご飯の風味が改善されることがあります。
また竹炭にはミネラルが含まれており、炊飯中にその一部が水に溶け出すことがあります。このミネラルがご飯に吸収されることで、味に深みが増すとされています。
⑥お餅を入れて炊く
小さく切ったお餅を入れて炊くのも古いお米を美味しく食べる一つの方法です。
お餅を加えることで、古いお米のぱさついた食感が改善され、炊き上がりがもちもちとした食感になります。特に古いお米は乾燥して水分が少なくなっているため、お餅の粘りが加わることで口当たりが良くなります。
お持ちを入れて炊くとお餅の粘りとデンプンが冷めた際のご飯のパサつきを抑えてくれるため、お弁当やおにぎりにしても美味しく食べられます。
⑦寒天を入れて炊く
古米特有のパサつきや硬さを和らげる方法として「寒天」を入れて炊くのがおすすめです。
寒天には保水性があり、炊飯時に水分をしっかりとお米に届けてくれるため、ふっくらもっちりとした食感に仕上がります。
入れ方の目安は粉寒天(無糖)を使用して
・ お米2合に対して小さじ1/2(約1g)程度が目安です。
・洗米・水加減のあとに直接炊飯器に入れ、一緒に炊きます。
無味無臭のためごはんの風味を損なうこともなく、冷めても硬くなりにくいのが特長です。お弁当やおにぎりにも最適で、業務用のご飯提供にも役立ちます。古米の活用にぜひ取り入れてみてください。
注意点としては入れすぎると粘りすぎる可能性があるので、少量から試すのがコツです。
⑧保温せず食べきる気持ちで
また古い米の場合には、保温していくとさらに水分がなくなり、ニオイも強くなります。
保温せずに食べるのが美味しい食べ方です。
古米は新米に比べて水分が少なく酸化しやすいため、保温時間が長いと風味が落ちたり黄色く変色しやすくなります。保温は2〜3時間以内を目安にし、なるべく早めに食べるか、冷凍保存を検討しましょう。
食べきれる量ずつ炊いていくといいでしょう。
⑨古米の特徴を活かしたレシピで食べるのもおすすめ

そして、古米の硬めの食感の特徴を生かして味をつけるご飯として食べるのがおすすめです。
少しパラパラとした食感を楽しむことができていい方法と言えます。
炊き込みご飯
古米は新米よりも水分が少ないので炊き込みご飯にすると、具材や調味料の味がよくなじみ美味しく食べることが出来ます。
季節の具材を入れてみたり、和風洋風とバリエーションもたくさんあるので楽しむことができます。
チャーハン
美味しいチャーハンといえばお米がパラパラしていることが重要と言えます。
古米は水分量が少なく少し硬めの食感なので、炒めた時にパラパラの仕上がりになり、また調理中に焦げ付きにくいというメリットもあります。
このほかにもピラフやリゾット、パエリアなど、調理すると古米を美味しく食べることができます。
水分が少なく、粘りが控えめな古米は、「パラっと仕上げたい料理」「味がしっかりした料理」と相性抜群です。
以下に、古米との相性を料理ごとに簡潔に解説します。
料理名 | 古米との相性 | 解説 |
---|---|---|
酢飯 | ◎ | 水分が少なく粘りが少ない古米は、寿司酢とよくなじみ、べたつかずさっぱりした酢飯に仕上がる。冷めても美味しい。 |
オムライス | ◎ | パラッと仕上がる古米はケチャップライスに向いており、卵とのバランスも良好。 |
カレーライス | ○ | 古米のあっさりした風味がカレーの濃い味を引き立てる。水加減を調整して炊けば適度な食感に。 |
リゾット | ○~△ | 粘り気の少ない古米でも対応可能だが、アルデンテ感を出すには炊き方に工夫が必要。向いているが少しテクニックがいる。 |
雑炊 | ◎ | 古米は水分をよく吸収するため、ふっくらとした雑炊に最適。味がしみ込みやすい。 |
ドリア | ◎ | ベシャメルソースやチーズとの相性がよく、粘りすぎない古米が全体のバランスを整える。冷ごはんでも活用しやすい。 |
パエリア | ◎ | パラっと仕上がる古米は、サフランライスや具材との絡みも良く、本場風の食感に近づく。 |
参考動画 古くなったお米を美味しく炊く方法
古米の保存方法|季節ごとの保管ポイントと消費目安
古米は新米と比べて風味や水分量に変化があるため、保存方法に工夫が必要です。特に季節ごとの気温や湿度の変化に対応した保管が大切で、間違った保存をすると風味の劣化や虫害の原因にもなります。
以下で古米を美味しく保つための季節ごとの保管ポイントや消費の目安をわかりやすくご紹介します。
古米の保存方法:季節別の目安とポイント
季節 | 保管場所の目安温度 | 保管方法のポイント | 消費の目安 |
---|---|---|---|
春(3〜5月) | 15℃前後 | 直射日光を避けて風通しのよい冷暗所に。湿気に注意。 | 2〜3ヶ月以内 |
夏(6〜8月) | 20〜25℃以下 | 冷蔵庫または米専用の低温保管庫を活用。虫害対策を必ず行う。 | 1〜2ヶ月以内 |
秋(9〜11月) | 15℃前後 | 夏を越えた米は劣化が進んでいる可能性あり。匂いや色に注意。 | 1〜2ヶ月以内 |
冬(12〜2月) | 10〜15℃ | 湿気と結露に注意しつつ、常温でも比較的保存しやすい。 | 2〜3ヶ月以内 |
新米との違いと古米保存時の注意点
項目 | 新米 | 古米 | 注意点・保存の工夫 |
---|---|---|---|
水分量 | 多め(約15%) | 少なめ(13〜14%) | 古米は乾燥しているため、吸水時間を長めに |
香り・風味 | 香り・粘りが強くみずみずしい | 香りが抜け、風味が弱まる | 匂い移りしやすいので密閉保存を徹底 |
劣化スピード | 比較的遅い(半年〜1年) | 劣化が進行している(特に夏以降) | こまめに精米・小分け保存がおすすめ |
保存適性 | 冷暗所で半年程度持つ | 温度・湿度管理が必要(特に虫・カビ) | 防虫剤(天然素材)・除湿剤などの併用を |
まとめ
古い米を美味しく食べる炊き方についてご紹介しました。
古い米は、どうしても美味しくないという印象になることが多くなります。
特徴を知っておくことで、少しでも美味しく食べるように工夫してみませんか。
古い米には水分が不足し、ふっくらした美味しさが味わえないこともあります。
またニオイの面でも改善することが大切です。
- 古米は水に浸ける時間を長めにとり、水分をしっかり吸わせます。
- 古米は研ぎすぎないようにし、糠臭さを取り除きます。
- 古米は炊飯器の目盛りに合わせて水を入れ、日本酒やみりんなどのアルコールを少量加えて炊きます。
- アルコールは揮発するときに臭みを消し、糖分は米にツヤや旨みを与えます。
これらの方法で、古米も新米並みに美味しく炊くことができます。このように炊き方の工夫を知っておくだけで、古い米も長く美味しく食べることができますので、これらの方法を工夫してみるといいでしょう。
新米にはどんな栄養が含まれている?古米との栄養差は?