お弁当やおにぎりに使うお米は、冷めても美味しいものを使用しなければなりません。
そこで、お米の温度変化による味の違いや、冷めても美味しいお米の種類を詳しく紹介します。
冷めても美味しいお米とは
お米は冷めると味や食感が悪くなるというイメージを持つ方が多いですが、冷めても美味しいお米はあります。
また、冷めるとお米の味や食感が低下する理由を知ることで、冷めても美味しいお米を探しやすくなるでしょう。
お弁当やおにぎりのように、炊き立てとは違うおいしさ
お弁当やおにぎりは、冷めていても食感が柔らかく、甘味を感じられたり、おかずに合ったりなど美味しく食べられます。
もちろん、お弁当やおにぎりは温かい状態でも美味しいですが、冷めることによって味の変化が感じられることもあるでしょう。
風味が落ちない、硬くなりにくい
炊き上がったばかりの米は柔らかく甘さがあり、粘り気もあって美味しいと感じますが、冷めたお米は食べにくく食感も変わったと感じるでしょう。
冷めるとお米の食感や風味が変化する原因は、加熱することでお米の主成分のデンプンが変わるためです。
炊く前の米は、βデンプンといわれる消化しにくいものです。
お米に水分を吸収させ、加熱してお米を炊くと、デンプンがαデンプンといわれる構造に変化します。
お米が冷めると、αデンプンが再びβデンプンのような状態になります。
「デンプンが老化する」と表現されることもあり、冷めるとお米のデンプンがβデンプンに必ず戻ってしまいますが、お米の種類によっては冷めても食感や味粘り気が残り、美味しく食べられるものもあります。
低アミロース米が特徴
冷めても美味しいお米の特徴は、「低アミロース米」であることです。
低アミロース米とはどのようなお米を指すのか、成分や特徴を紹介します。
低アミロース米とは
お米の粘り気は、デンプンによって異なります。
デンプンはアミロースペクチンとアミロースに分かれており、アミロースの量が少ないと少ないものは粘り気があるお米になり、アミロースが多いものは粘り気が少ないお米になります。
例えば、非常に粘り気があるもち米のデンプン量はすべてアミロペクチンであり、アミロースは含まれていません。
日本で一般的に食べられているうるち米は、アミロースがおよそ23%です。
低アミロース米は、うるち米ともち米の特徴を併せ持つお米であり、アミロースの量が3~17%ほどで、うるち米と比較してアミロースの量が少ないです。
そのため、低アミロース米は一般的なうるち米と比較して柔らかく艶があり、粘り気も感じられるような、冷めても美味しいお米です。
冷めても硬くなりにくい特徴
低アミロース米は冷めても食感が劣化しにくく、おにぎりやお弁当などに最適です。
また、古くパサついたお米も、低アミロース米を混ぜて炊き上げることで粘り気が出て美味しく食べられるでしょう。
冷めても美味しいお米の銘柄ランキングTOP10
冷めても美味しいお米の銘柄をランキングで見てみましょう。
1.ミルキークイーン
2.ゆめぴりか
3.夢ごこち
4.コシヒカリ
5.あきたこまち
6.つや姫
7.はえぬき
8.ひとめぼれ
9.きぬむすめ
10.ななつぼし
ミルキークイーンは低アミロース米であり、炊く際の水加減を若干少なくすることで美味しく炊き上がります。
粘り気が強く、炊きたてでも十分に美味しいですが、冷めるとお米の特徴がより際立つでしょう。
おにぎりやお弁当におすすめで、冷めても食感が変わりにくく、炊きたてと同様の風味や旨味を感じられます。ミルキークイーンだけでも美味しく食べられますが、他のお米に食感や弾力を加えたい時にブレンドするのもおすすめです。
ゆめぴりかは、北海道産のお米としては初めて特Aランクを得たお米です。低アミロース米のため冷めても食感が変わりにくく、たんぱく質も少ないため柔らかいことが特徴です。ゆめぴりかは炊き上がった際に柔らかくツヤがあり、噛むと旨味が広がり、粒が大きいため食感も強いです。
濃い味付けのおかずとの相性が良いお米で、お弁当に最適です。
夢心地は、粘り気が非常に強いお米です。
さらに、たんぱく質の量が少ないため、お米を炊いた際に水分を吸収し、ふっくらと炊き上がることが魅力です。
保水力が高いため、若干固くなるように炊き上げると美味しくなるでしょう。
まとめ
低アミロース米は、お米を炊いた後に冷めても固くなりにくく美味しく食べられることが特徴です。
おにぎり、お弁当、レトルト、チルドなどに最適だといえるでしょう。
低アミロース米のみで食べると、うるち米と比較して粘り気があり、柔らかさを感じられます。
うるち米を炊く際と同様の水加減にすると柔らかくなってしまうため、1割ほど水を少なくするのがポイントです。
家庭でご飯を炊く際に使い分けるケースは少ないですが、業務用の場合は古くなったお米や乾燥したお米を低アミロース米を混ぜると、粘り気が出て冷めても美味しいおにぎりやお弁当を作れます。
もちろん、美味しいお米に低アミロース米を混ぜると、粘り気が増してより美味しくなります。
冷めてもお米の食感や旨味を維持したいときには、銘柄ランキングを参考にしてお米を購入しましょう。