はえぬきは、ひとめぼれやコシヒカリなどの有名なお米と比較すると知名度が高いとはいえませんが、非常に美味しく魅力的なお米です。
そこで、はえぬきの特徴や、はえぬきが人気の理由、美味しく炊くコツを紹介します。
はえぬきとは
はえぬきというお米にはどのような特徴があるのか、主にどの地域で生産されているのかなどから見ていきましょう。
おもな生産地
はえぬきは、1993年に1開発されたお米です。
山形県の風土や気候を考慮して、およそ10年の研究を行い誕生したオリジナルの品種です。
あきたこまちやササニシキ、コシヒカリの特徴も含まれており、寒さに比較的強い品種です。
また、はえぬきとは「山形の土地で生まれ育つ」という意味が込められており、品種登録をした後、2年間で山形県内でのシェアが60%になりました。
特徴
はえぬきは稲が倒れにくいことが特徴の耐倒伏性が高いお米です。
他のお米と比較して耐倒伏性が高く、木の茎が強いため倒れにくく、強い風による影響を受けにくいことが特徴です。
そのため、収穫量も安定しています。
さらに、はえぬきは他の品種と比較すると春の寒さに強いことも特徴のひとつです。
生産量
農林水産省「平成21年産水稲の品種別収穫量」によると、山形県でのはえぬきの生産量は251,300tでした。
2022年の山形県のお米の収穫量第4位で、作付けシェア6割以上を占めています。
また日本の米の品種別作付け割合も第6位(2021年産)になっています。
お米の稲は春の冷たい風に当たると収穫量が減少したり、稲を刈るタイミングが遅れたりといったことがありますが、はえぬきは冷気に強いため、東北地方にある山形県の風土や気候に合っているといえるでしょう。
参照:https://www.maff.go.jp/tohoku/monosiritai/touhoku/okome_s.html
はえぬきを味わう
はえぬきは山形県を中心に非常に高評価を得ているお米であり、山形県の作付けシェアが60%を占めているほどです。
はえぬきを味わううえで知っておきたい、2つのポイントを紹介します。
特A常連の優秀なお米
はえぬきは、一般財団法人日本穀物検定協会が実施している「米の食味ランキング」において特Aと認定されています。
発売されてから22年間、特Aを獲っているおり、非常に優秀なお米なのです。
なお、全国的に有名な魚沼産のコシヒカリも特Aの常連であり、はえぬきはコシヒカリに匹敵する美味しさであることが分かります。
はえぬきに特徴が似ている銘柄
あきたこまち: 秋田県産のお米で、はえぬきと同様に粒がしっかりしていて、粘り気がありつつも程よい硬さがあります。炊き上がりが艶やかで、冷めても美味しいのが特徴です。
ひとめぼれ: 宮城県を中心に生産されている銘柄で、ほどよい粘りと甘みがあり、はえぬきと似た食感を持っています。粒立ちがよく、バランスの取れた味わいが特徴です。
コシヒカリ: 全国的に有名なお米で、新潟県産が特に有名です。はえぬきに比べてやや粘りが強いものの、しっかりとした食感と甘みがあり、炊き上がりのツヤも優れています。
つや姫: 山形県産のブランド米で、はえぬきの後継的な存在とも言えます。つやがあり、しっかりとした粒感が特徴で、はえぬきに近い食感と甘みを持っています。
冷めてもおいしい味が人気
はえぬきは、お米の粒に甘みや水気が含まれておりしっとりしていますが、炊いた際に綺麗なお米の形をキープできるため、歯ごたえを感じられるでしょう。
また、適度に水気が含まれるため形が崩れにくいことから、冷めても美味しいことが魅力です。
お米が冷えても、歯ごたえや粘り、お米そのもののほのかな甘さを維持できます。
そのため、コンビニエンスストアのおにぎりにも使用されており、業務用米としても高評価を得ている品種です。
なお、食感や味が強すぎないことから、洋食・和食・中華など様々な料理に合わやすいです。
知名度が高いとはいえないため、品質は高いですが比較的安く、コストパフォーマンスが非常に良いといえるでしょう。
はえぬきの美味しさのヒミツ
はえぬきは、玄米の段階から艶があります。
玄米でも艶がある理由は、夏の暑い時期に成長した稲が山から流れる冷たい水を吸収しており、栄養分を十分に吸い上げているためです。
香りと味がしっかりと詰まっているため、食感と風味を残せるよう美味しく炊き上げましょう。
はえぬきを美味しく炊くためのコツを紹介します。
おいしく炊くコツ
分量は2人分が1合半、3人分は2合、4人分は3合が目安であり、1合は180ml、容量はおよそ150gです。
①米を炊く釜に水を入れて、手のひらを使って優しく研ぎましょう。
②1度水を捨てて、再度水を入れ、残った糠が無くなるように研ぎます。
ただし、何度も研ぐとお米が割れたり、炊いた際に崩れたりするため注意が必要です。
③研ぎ終わったら水を入れます。
水の量はお米の20%が一般的なため、1合で炊く場合はおよそ120mlの水を入れましょう。④30分水に浸して、しっかりと水分を含ませます。
⑤鍋を使用する場合は強火で炊いて、蓋が動いたら10分程度弱火で炊きます。
⑥再度強火にして、すぐに火を止め、10~15分蒸らしましょう。
お米を蒸らさないとお米に芯が残りますが、長時間蒸らしていると食感が非常に悪くなるため、10~15分蒸らしたらしっかりとかき混ぜます。
炊飯器を使用する場合は、水に浸した後そのまま焚き上げます。
いずれの炊き方でも、1度に食べきれない場合は、1日程度は冷蔵庫、2日以上保存する場合には冷凍庫に入れます。
高い温度で保存しているとすぐに傷むため注意しましょう。
はえぬきを活用しよう
はえぬきは粒がしっかりしており歯ごたえ・弾力があることが特徴です。
適度に甘さがありますがあっさりとした味わいで、冷めても美味しく食べられるため、おにぎりお弁当などに活用するのがおすすめです。
コシヒカリのように味が主張しないため様々な料理に合わせやすく、味が薄い和食のほか、味付けが濃い中華や洋食のおかずにも合わせやすいでしょう。
さらに、粒がしっかりしていることから強い力で握ってもお米が潰れにくく、おにぎりの奥まで醤油が染み込むため、焼きおにぎりにするのもおすすめです。
まとめ
はえぬきは冷めてもおいしいことや、形が崩れにくいことが特徴です。
しかし、価格は手頃でありコストパフォーマンスが非常に良いお米だといえます。
様々な料理に合わせられるため、和食・洋食・中華のほか、お弁当を作る際にも活用してみましょう。