カリフォルニア米とは何か?
アメリカ米の歴史は比較的新しいのですが、19世紀半ばにカリフォルニア州でお米が作られるようになり、20世紀初めにカリフォルニアがアメリカのお米の主要産地となっています。そして、今では世界各地に輸出されているカリフォルニア米です。
カリフォルニア米の特徴
カリフォルニア米としては、「カルローズ」と呼ばれる種類のお米が多く作られているのが特徴です。ジャポニカ米の中粒種の品種で、日本で食べられる短粒種よりも大きく長く、タイ米などの長粒種よりも丸くなっています。
日本の短粒種とタイ米などの長粒種の両方の優れた所を持ち合わせた品種です。軽い食感と歯ごたえが特徴と言えます。
カリフォルニア米の生産量とおもな輸出先
アメリカでの短粒米と中粒米の生産量について紹介しますと、2022/2023年期(2022年8月1日~2023年7月31日)約190万トンです。
カリフォルニア州は、アーカンソー州に次いで第2位の収穫量を誇り、中粒米は2022年89.2万トンを生産しています。
また、主な輸出先は、メキシコ、ハイチ、日本となっています。
カリフォルニア米の美味しい炊き方と食べ方
カリフォルニア米の中粒米は、日本の短粒米と異なってあまりべたつかない軽い食感が魅力です。特徴を活かした美味しい炊き方と食べ方についても紹介しますので参考にしてください。
カリフォルニア米の美味しい炊き方
- お米を研ぎ過ぎない:1回優しく水洗いするといった感覚でお米を研ぐのが望ましく、その後の吸水も必要ありません。
- 水の量は日本の米と同量かやや少なめ:日本のお米の場合、お米と水の割合を1:1.2にしますがカリフォルニア米の場合は1:1としましょう。
- 電気釜で炊く時は早炊きモードで炊く:早炊きモードは予熱(吸水)と蒸らしの工程が短縮されるので、少し固めに炊き上げる方が美味しいです
引用:アメリカ・カリフォルニア米の炊き方のコツ(株式会社みどりフーズ様コラムより)
カリフォルニア米に合うおかずや調味料
カリフォルニア米を使った料理としては、まずカリフォルニアロールが有名です。べたつかない食感でありながら、もちもちした味わいがあるため寿司にも人気です。また、炒めたりしても良く、冷めても美味しいのが魅力です。
ライスボウル(丼もの)やワンプレート料理との相性が良いお米となっています。
調味料やドレッシング、オイルとの相性も良く、アジア料理や地中海料理などの多国籍料理や西洋料理などにもよく活用されます。
「ターメリックやカレーピラフ」「タコライス」等にも合うでしょう。
カリフォルニアロールの作り方とコツ
人気のカリフォルニアロールの作り方を紹介します。簡単に作れておすすめです。
1.サーモン、かにかま、アボカド、玉子焼き、キュウリやレタスを準備しておきます。
2.ラップの上に半分に切って細長くした海苔を載せ、サーモン、かにかま、アボカド、玉子焼き、キュウリやレタスを載せて巻きます。
3.次にカリフォルニア米のご飯に、寿司酢を混ぜます
4.ラップの上にご飯を載せ、その上に海苔で巻いた具材を載せて巻きます。
5.最後にご飯の周りにゴマをまぶします。周りにとびっこを付ける場合は、ご飯を載せる際にラップの上にとびっこを敷いてから巻くのがおすすめです。
作り方のコツとしては、ラップを使えば簡単にできるでしょう。また、くずれないように具材やご飯を巻く際にしっかりと巻いておくことがコツです。
カリフォルニアロールのアレンジレシピ
カリフォルニアロールのアレンジレシピも様々なレシピがあっておすすめです。次のような美味しいアレンジレシピがあります。
具材に茹でたエビを入れたり、エビフライを入れたり、チーズを入れたり、サッパリとしめ鯖などを入れるのもおすすめです。
また、ご飯をゆかりご飯にしても美味しいでしょう。
カリフォルニア米のパエリア風炊き込みご飯
カリフォルニア米はそのまま炒めて煮たりするリゾットやパエリアなどと相性がとてもよく、世界の料理にもピッタリです。
材料(3〜4人分)
- カリフォルニア米:2合
- エビ:6尾
- あさり:200g
- 鶏もも肉:150g
- パプリカ(赤・黄):各1/2個
- トマト缶:100g
- 玉ねぎ:1/2個
- にんにく:1片
- サフラン(またはターメリック):小さじ1
- オリーブオイル:大さじ2
- 水:300ml
- コンソメ:1個
作り方
- 米を洗って30分ほど浸水させ、ざるに上げておく。
- フライパンにオリーブオイルを熱し、鶏もも肉、エビを炒めて一度取り出す。
- 同じフライパンでみじん切りにした玉ねぎ、にんにくを炒め、香りが立ったらトマト缶を加える。
- 水、コンソメ、サフランを加え、沸騰したら米を加えて軽く混ぜる。
- エビ、鶏もも肉、あさり、パプリカを乗せ、弱火で15〜20分炊き、水分がなくなったら火を止めて10分蒸らす。
- 仕上げにレモンを添えて完成!
カリフォルニア米を日本であつかうメリット
カリフォルニア米を日本で扱うメリットですが、カリフォルニア米は、軽い食感で食べられ、料理にいろいろ使えるとアスリートなどの健康食としても注目されています。
栄養価や健康効果
カリフォルニア米「カルローズ米」の栄養価は、1食 (180 g)で241キロカロリー程度で、100gの場合168kcalで、たんぱく質2.6g、脂質0.5g、糖質37.6g、食物繊維0.6g、水分58.6g、灰分0.1gという成分割合です。
アスリートや健康を気遣う人が主食として食べた場合にパンと比べて脂質が少なくて済む点がいいでしょう。
また、「カルローズ米」を茹でるとさらにカロリーや脂質、糖質が下がるのが魅力です。
100gで129kcalたんぱく質2.7g、脂質0.2g、糖質28.8g、食物繊維0.4g、水分67.7g、灰分0.2gと、茹でることで健康的な食事となります。
実際に食べた感じでも、茹でるとすっきりとサッパリ食べられる人が多くなっています。
リゾットのようにしたり、雑炊にしたりすることでも、より美味しく食べられる「カルローズ米」です。
カロリーや脂質、糖質が下がることでより健康的な食事になります。
保存性やコスパ
お米全般に言えることですが、カリフォルニア米(カルローズ米)を保存する際は、直射日光、高温多湿を避けるようにしてください。
カリフォルニア米はコスパがいいお米です。
そのためたくさん仕入れて保存する場合も多いのですが、保管方法に気を付けて美味しい状態を長く保つことも必要です。
カリフォルニア米を日本であつかうデメリット
カリフォルニア米を日本で扱う際には、次のようなデメリットもありますので、参考にしてください。
カリフォルニア米産地の環境問題
地球温暖化によって異常気象が多くなり、アメリカ西部から南部の広い範囲では干ばつが心配されています。
そのため、潅水量が少なくて済む作物への転作なども行われるようになっています。
カリフォルニア州での「カルローズ米」などの作付面積が減少傾向にあるのがデメリットです。
今後生産量がどのようになるのかなど、わからない点があるでしょう。
カリフォルニア米のアレルギーや副作用は?
アメリカの場合、広大な土地でお米の栽培が行われています。
手間をかけずに機械を使って効率的な生産方法でお米が栽培されています。
農薬なども一斉に多く撒かれていることを考えると、アレルギーや副作用について心配な場合もあるでしょう。
ただ、最近ではカリフォルニアでも有機米栽培なども増え、注目されています。
飲食店でカリフォルニア米を使用するメリット・デメリットとは?
カリフォルニア米は、日本米に近い食感を持ちながら、価格や供給の安定性などの面で飲食店にとって魅力的な選択肢となっています。
しかし、一方で炊き上がりの食感や味わいが日本のコシヒカリなどと異なるため、料理によっては向き不向きがあるのも事実です。
そこで、ここでは、飲食店がカリフォルニア米を使用するメリット・デメリットを整理し、導入を検討する際のポイントを詳しく解説します。
コストパフォーマンスの良さと安定供給がメリット
飲食店でカリフォルニア米を使用する最大のメリットは、コストパフォーマンスの高さと安定供給です。
日本米と比べて価格が抑えられることが多く、業務用として大量に仕入れる際のコスト削減につながります。
また、カリフォルニア州は広大な農地と高度な生産管理技術を持っており、収穫量が安定しているため、仕入れの変動リスクが少ないのも強みです。特に、米の需要が高まる飲食店では、価格と供給が安定していることは大きなメリットとなります。
食感や風味が異なるため、メニューによっては向き不向きがある
カリフォルニア米は、日本のコシヒカリやあきたこまちと比べると、ややパサつきやすい傾向があります。
そのため、寿司や和食など、もっちりとした食感が求められるメニューには不向きな場合があります。
一方で、パラっと仕上がる性質を活かし、チャーハン、パエリア、ピラフ、リゾットなどには適しています。飲食店でカリフォルニア米を導入する際は、メニューに適した使い方を考え、料理ごとに適した米の種類を選ぶことが重要です。

炊飯の工夫で食感を改善できる!適切な調理方法とは?
カリフォルニア米は、炊き上がりがパラっとしやすいため、日本米のようなもちもち感を出すには炊飯方法の工夫が必要です。
例えば、水をやや多めにすることで適度な粘りを持たせることができ、和食にも馴染みやすくなります。また、だしやスープで炊き込むことで、風味豊かな仕上がりになるため、和風・洋風どちらの料理にも応用可能です。
飲食店でカリフォルニア米を活用する際は、炊き方や調理方法を工夫し、最適な仕上がりを追求することがポイントです。
カリフォルニア米は、コストパフォーマンスの良さと安定供給が魅力ですが、食感の違いを理解し、適切なメニューに活用することが重要です。
チャーハンやピラフなどの洋風料理には適していますが、和食に使用する場合は炊き方の調整が必要になります。飲食店で導入を検討する際は、コスト・供給・料理の相性を考えながら、適切に活用することが成功のカギとなるでしょう。
カリフォルニア米が危険と言われる理由とそうでない理由
カルローズ米は「危険」と言われることがありますが、その背景には誤解や一部の情報の過剰な解釈が影響しています。ここでは、カルローズ米が危険と言われる理由と、そうではない理由を整理して説明します。
農薬使用の懸念
カルローズ米は主にアメリカで生産される米で、栽培中に使用される農薬が原因で「危険」と言われることがあります。一部の報告では、輸出国によって使用される農薬が基準値を超えている可能性が指摘される場合があります。特に、日本の基準と異なる農薬が使用されている可能性が不安視されることがあります。
日本では厳しい残留農薬基準が設定されています。輸入されるカルローズ米も日本の基準を満たしているものしか流通しないため、過剰な心配は不要です。
遺伝子組み換えの懸念
一部の輸入食品に対して、遺伝子組み換えの可能性が懸念されることがあります。カルローズ米もこの疑念を向けられることがありますが、現時点で遺伝子組み換えのカルローズ米が日本市場に流通しているという信頼できるデータはありません。
日本では遺伝子組み換え作物に関する表示義務があるため、遺伝子組み換え米が販売されている場合は明記されています。
カルローズ米は通常、非遺伝子組み換え(Non-GMO)として流通していることがほとんどです。
食感や風味の違いによる評価
カルローズ米は日本のコシヒカリやササニシキなどと比べると、食感がパサパサしており、風味が薄いと感じる人がいます。これが一部の消費者に「日本米より劣る」という印象を与え、「危険」や「質が悪い」といった誤解を生む場合があります。
カルローズ米は、中粒種で日本米(短粒種)とは異なる特徴を持っています。そのため、リゾット、ピラフ、サラダなど、粒立ちを生かした料理に最適です。この用途を理解して使用すれば、安全で美味しく楽しむことができます。
まとめ
カリフォルニア米は日本の短粒種とタイ米の長粒種の中間で、良い所を取ったお米として人気となっています。コスト面でのメリットも大きくておすすめのお米です。
お米の食感がありつつ、さっぱり食べられますので、寿司や丼もの、ピラフや炒飯、カレーなどのレシピにおすすめです。アスリートや健康を考える人たちにも健康的で食べやすい、料理にも活用しやすいと人気が高まっています。
カリフォルニア米のメリットを活かしながら使ってみるといいでしょう。カリフォルニア米の利用の仕方、仕入れの方法などは、お米の専門家である卸業者に相談することで、上手に活用できますので相談してみるのがおすすめです。
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