秋は新米が出るので毎年楽しみだけれど、最近は新しいブランドの銘柄が増えてきているため何が人気なのか知りたいと考える人も少なくないのではないでしょうか。
この記事では新米の美味しさの秘密から、人気の銘柄にはどのような特徴があるのかまで詳しく解説します。
新米の特徴
新米について収穫したての美味しいお米というイメージを持つ人は多いですが、その特徴はどのようなものなのでしょうか。
古米との違いについてご紹介します。
新米の定義
新米の定義は食糧管理法とJAS法の2つで定義づけられています。
①食糧管理法での定義
日本で米穀の取引に関わる年度である「米穀年度」は11月1日~翌年の10月31日と定められているため、新米とはこの年度内に収穫されたお米を指すのです。
そのため翌年の11月1日になると新米は古米となります。
②食品表示法での定義
食品表示法にある食品表示基準では、「新米」は表示禁止事項に該当し原則として表示できません。
しかし例外が2つあります。
・原料玄米が生産された年の12月31日までに容器に入れられるか包装をされた玄米
・原料玄米が生産された年の12月31日までに精白されるか、容器に入れられるか包装をされた精米
このため原料玄米が生産された翌年の1月1日になると新米は古米となります。
参考:農林水産省「消費者相談」
1年で1度だけの収穫
米作りを暦と照らし合わせてみると、3月の苗作りから10月の収穫までほぼ1年かけてお米は生産されることになるため、新米を収穫できるのは1年に1度だけです。
参考:公益社団法人米穀安定供給確保支援機構「お米・ごはんBOOK」
米の美味しさの秘密
新米の人気の高さはその美味しさからきていますが、どうして新米は美味しいのでしょうか?
理由を5つご紹介します。
みずみずしさ
新米は柔らかく水分を吸収しやすいため、米の1粒1粒にみずみずしさがあります。
このみずみずしさから新米の鮮度の高さや旨味が感じられ、美味しさにつながるのです。
粘り
お米のでんぷんがご飯を炊く時の水に染み出た旨味成分を「おねば」という言葉で表すように、新米を炊くともちもちとした粘りのある食感と旨味を楽しめます。
香り
収穫したばかりの新米にはさっぱりとした甘い香りがあり、食欲を引き立てるでしょう。
つや
新米を炊き上げると見た目がつやつやとして美しく、自然とお箸が進みます。
水分量
新米でも古米でもお米には出荷基準があり水分量が15%程度に調整されています。
そのため新米だからといって炊く時に水分を大きく減らす必要はありませんが、水分を吸収しやすいことを踏まえて古米ならお米の1.2倍程度の水分で炊くのを、新米は1.1倍程度に調整する場合が多いのです。
このことから新米はふっくらとしてより美味しさが感じられます。
新米の人気銘柄
新米における人気の銘柄とはどのようなものがあるのでしょうか。
3種類ご紹介します。
新米コシヒカリ
新潟県の魚沼産コシヒカリと言えば、大手のコンビニやお弁当などでも使用され、今や誰でも知る一流のブランド米となりました。
新米のコシヒカリは甘味と香りが強く、お米そのものにしっかりとした味わいがあるのが特徴的と言えます。
もちもちとした食感で、冷めても美味しいのでお弁当やおにぎりなどに使用するのもよいでしょう。
新米ゆめみづほ
瑞穂の国の、夢のあるお米という意味を込めて「ゆめみづほ」と名付けられた新米は、最高級のブランド米生産地として知られる石川県の能登半島生まれです。
県内消費量が多く、県外で入手するのがなかなか困難なお米でもあります。
つやのある見た目でしっかりとした香りとほどよい柔らかさを持ちますが、旨味や甘味はさわやかで万人に受け入れられやすい味のお米です。
男性に特に好まれるお米とも言われます。
美味しさが長持ちすることから業務用米としてもよく用いられるのが特徴的と言えるでしょう。
新米あきたこまち
あきたこまちは小野小町の生誕伝説にちなみ、美味しいお米として長く愛されるようにとの思いをこめて命名された秋田生まれのお米です。
コシヒカリからできた銘柄のためお米のつやの良さや甘味が強い所を受け継いではいますが、食味はあっさりとしているためさまざまなおかずとの組み合わせが楽しめるお米と言えるでしょう。
また冷めても美味しく食べられる点も、コシヒカリの良さを受け継いでいる点です。
女性に特に好まれるお米とも言われ、ブランド米でありながら新米でも価格がリーズナブルなのが人気の理由の1つとなっています。
まとめ
新米の人気はその美味しさからきており、収穫の季節である秋に年1回だけ味わうことのできる貴重さと、古米にはないみずみずしい味わいがたくさんの人を喜ばせていることがわかりました。
ぜひ旬の新米を食卓に取り入れて、秋らしい豊かな食卓を楽しんでみてください。