飲食店では業務用米を使うものだと知ったけれど、どんな銘柄が多く使われているのかよくわからないと感じている人はいませんか?
この記事では業務用米で人気の銘柄からそのお米を使ったメニュー例まで詳しく解説します。
1.業務用米とは
主食用米は家庭用米と業務用米に分かれていますが、業務用米にはどのような特徴があるのでしょうか。
2つご紹介します。
a.ホテル、施設、学校、飲食店等で消費されるお米のこと
業務用米とは中食・外食でニーズのある比較的低価格の主食用米のことです。業務用米はホテル、施設、学校、飲食店などで主に消費されますが、近年価格が顕著に上昇しました。
2014年には米全体の平均価格と業務用米平均価格が2,000円以上あったのに対し、2017年では1,000円以内に収まっています。これは業務用米へのニーズが急速に高まってきていることを示していると言えるでしょう。
b.求められるニーズ
業務用米に求められるニーズは次の通りです。
・一定の食味
・米粒が割れにくく炊飯しやすい
・使用用途に適した特性を持つ
価格と合わせて銘柄・産地・産年を重視する家庭用米とは大きく内容が異なるのがわかります。
参考:農林中金総合研究所「農中総研 調査と情報 2014.9 業務用米の動向について」
2.業務用米で人気の銘柄例、そのお米を使ったメニュー例
業務用米で人気の高い銘柄と、そのお米を使用したメニューをご紹介します。
c.コシヒカリ
1956年に生まれた主に東北以南で栽培されている銘柄米です。粘りが強い食感で食味にも優れ、和食・洋食さまざまなおかずに合うのが特徴的です。
水分が多いため逆にチャーハン・寿司・炊き込みご飯には不向きだと言えるでしょう。コシヒカリを使ったカツ丼をご紹介します。
材料(1人分)
・本みりん 大さじ1
・しょうゆ 大さじ1
・だし 60㏄
・とんかつ 1枚
・玉ねぎ 1/4個
・卵 1個
・三つ葉 適量
・コシヒカリ 1膳
①とんかつ、玉ねぎ、三つ葉をカットする
②本みりんは煮切り、しょうゆとだしを加えて一煮立ちさせる
③つゆと玉ねぎをフライパンに入れて沸騰させ、とんかつを入れる
④溶き卵を半分かけて蓋をし、残りの半分を加えて蓋をして半熟の状態で火を止める
⑤どんぶりに持ったコシヒカリにかけ、三つ葉を飾る
d.あきたこまち
コシヒカリと奥羽292号を掛け合わせて1984年に生まれた品種です。
香りと粘りが強く、モチモチとした食感が特徴的で、炊き立てはもちろん、冷めても美味しいのが特徴的だと言えるでしょう。あきたこまちを使った焼ききりたんぽをご紹介します。
材料(1人分)
・あきたこまちのごはん 180g
・味噌 50g
・砂糖 大さじ¼
・日本酒 大さじ¼
・しょうゆ 小さじ½
・割りばし 2本
①あきたこまちをラップに包んで転がし、棒状に成型して割りばしに刺す
②割りばしに刺したごはんをフライパンに薄く油を引いて焼き、焼き目をつける
③ボールに調味料を入れて混ぜ、再度フライパンで焼き目をつける
e.ヒノヒカリ
ヒノヒカリはコシヒカリと黄金晴を掛け合わせて1989年に誕生し、西日本を中心に作付され九州地方では常備米としても知られています。
米粒は小さめですが甘味があり、もちもちとした食感やしっかりとした歯ごたえが楽しめます。
ヒノヒカリを使ったおにぎりをご紹介します。
材料(1人分)
・ヒノヒカリのごはん 1膳
・塩 適量
・味付けのり(大判)適量
①ごはんを炊く際にあらかじめ塩を入れて炊き上げ、冷ます
②ラップに包んで軽めに握り、押しつぶさないように意識する
③大判の味付け海苔で巻く
f.そのほかの銘柄
銘柄米は1つ1つに味の特徴があるため、どの銘柄の食味が自分のニーズに合っているのかを試してみるのも良いでしょう。
業務用米においては少量ずつさまざまな銘柄のお米を試すことができるお試しパックがよく販売されているため、このようなパックを用いて炊いたお米を、ひとまずシンプルな塩むすびで比較すると、味が良くわかります。
塩むすびのレシピをご紹介します。
材料(1人分)
・銘柄米のごはん 1膳
・塩 適量
①水で冷やした手に塩を広げ、ごはんを乗せて握る
②米粒同士がくっつくようにやさしくまとめていく
③三角に角をつくって形を整える
3.まとめ
業務用米で人気の銘柄はコシヒカリ、あきたこまち、ヒノヒカリなどですが、作りたい料理に合わせて柔軟にお米の銘柄を選ぶことで、さらに美味しさが追求できるとわかりました。
たくさんの銘柄の中から、ぜひ自分のニーズにあった業務用米を見つけてみてください。