高齢者の方にひな祭りの行事食をお出しして喜んでもらいたいけれど、よい献立やレシピがなかなか思い浮かばず困っている人はいませんか?
この記事では高齢者でも食べやすいひな祭りの献立やレシピとはどのようなものかを詳しく解説します。
ひな祭りの献立
ひな祭りにおける行事食として伝わる伝統的な食事やお酒、お菓子の意味や由来はどのようなものなのかをそれぞれ見てみましょう。
①ちらし寿司
ひな祭りの行事食としてちらし寿司が食べられているのは、縁起物の具材をたくさん使うことで女の子の幸せと成長を祈るという意味があります。
それぞれの具材を入れる意味は次の通りです。
具材の種類 | 意味 |
海老 | ・曲がった腰やひげが老人に見えるので長生きすることを願って使われる ・ゆでると赤くなるため魔除けや厄除けのために使われる ・目玉が飛び出していることから「目出度い」を表現するために使われる |
レンコン | ・穴が開いていることから先を見通すという意味で使われる ・1つの花から種がたくさんできるため子孫繁栄や豊穣を願って使われる |
豆 | ・「まめ」という言葉から元気に成長してほしいという願いを込めて使われる |
②はまぐりのお吸い物
はまぐりは2枚貝で対になった貝殻しか合わないことから、ひな祭りでは良縁祈願の意味ではまぐりのお吸い物が食べられます。
現在ではかなり価格が高騰していることから、あさりなどの他の2枚貝を用いて代用することも多いでしょう。
③菱餅
桃色、白、緑の3色のお餅を重ねて菱形にしたお菓子です。
クチナシの実を入れた桃色のお餅、菱の実を入れた白いお餅、緑色の草餅は見た目も華やかですが、ぞれぞれの色には次のような意味があります。
・桃色
桃、生命、魔除け
・白
雪、清浄、長寿、子孫繁栄
・緑
新芽、健康、邪気払い
それぞれに子供の禍を避け、福を呼び込みたいという願いが込められているのがわかるでしょう。
④白酒
蒸したもち米にみりんまたは米麹と焼酎などを混ぜて仕込み、1か月ほど熟成させた後にすりつぶして作るお酒です。
元々日本では平安時代ごろから旧暦3月3日の上巳の節句において桃の花びらを漬けたお酒「桃花酒」を邪気を払い、長寿を願って飲むという習慣がありましたが、江戸時代ごろにそれが白酒に変化し現在に至ります。
⑤ひなあられ
ひなあられは平安時代ごろに菱餅を砕いて作ったのが最初とされるので、桃色、白、緑それぞれの色には菱餅と同じく禍を避け、福を呼び込みたいという意味があるのです。
また黄色が加わって4色になっている場合は緑が春、桃色が夏、黄色が秋、白が冬の四季を意味し、全ての自然の力を吸収して1年間幸せに過ごせるようにとの願いが込められています。
一般的なひな祭りのメニュー
前項でご紹介したちらし寿司、はまぐりのお吸い物、菱餅、白酒、ひなあられがひな祭りの一般的なメニューです。
しかしひな祭りではさざえ・カレイ・鯛などの縁起物の魚や桜餅、草餅なども食べられるため、地域によって祝い方やそれに伴う行事食は多彩であると言えるでしょう。
このため高齢者の方の出身地におけるひな祭りの献立やレシピをあらかじめ確認しておき、ご本人の好みに合った行事食にするのも良い方法です。
高齢者にも喜ばれるひな祭り
高齢者にも喜ばれるひな祭りをするためには、どのようなポイントに気を付ければよいのでしょうか。
雰囲気づくり
最近は100円ショップなどでもさまざまなひな祭りの飾り付けを販売するようになりました。
食事をいただくテーブル周辺を高齢者の方の危険のない範囲で飾り付けをすると、食事の際の雰囲気づくりに役立つでしょう。
食べやすいメニュー
高齢者の飲み込む力、噛む力に配慮して食材を適宜細かく刻む、やわらかく煮るなどして食べやすくしましょう。
またひな祭りが行われる3月3日は肌寒い時期でもあるため、温かい飲み物と一緒に提供することも大切です。
おすすめの介護食ひな祭り献立レシピ
豆乳を使って高齢者の方にも飲みやすくした白酒のレシピをご紹介します。
材料(1人分)
・酒粕(大さじ2)
・豆乳(200ml)
・みりん(小さじ2)
・砂糖(大さじ2)
作り方
①酒粕は細かくちぎり、豆乳の半量、みりん、砂糖とともに鍋に入れて弱火にかけ、混ぜながら溶かす
②残りの豆乳を加えて温める
③コップに注いで完成
まだ寒い時期なので、温度を高齢者の方の好みで少し熱めにしても喜んでいただけるでしょう。
塩分が含まれていないため、塩分制限をしている高齢者の方でも安心して飲んでいただくことが可能です。
まとめ
高齢者の方にひな祭りを行事食とともに楽しんでいただくためには、雰囲気作りはもちろんのこと、ご本人の出身地で良く食べられている献立やレシピを参考にすることが大切だとわかりました。
この記事も参考にして、ぜひ高齢者の方とともに楽しいひな祭りを過ごしてみてください。