業務用で人気のもち米って何?銘柄別に特徴も解説

目次

飲食店や和菓子屋さんなど、プロの世界でももち米は重宝する食材です。
一般に市販されているもち米だけではなく、業務用のもち米も広く流通しています。
もち米は、銘柄がたくさんあり、それぞれに特徴も異なるため、どのようなメニューを作るかによって、慎重に選ぶ必要があるでしょう。
今回は、業務用のもち米について、銘柄別の特徴も踏まえて解説していきます。

業務用のもち米とは?

業務用のもち米と一括りにしても、その用途は様々です。
また、どんな業種においても、できるだけ品質の良いもち米を使用して、美味しいメニューを届けたいものでしょう。
業務用のもち米における銘柄を知る前に、業務用もち米を使う業種や良いもち米の見分け方を解説していきます。

業務用もち米を使う業種について

もち米を使うメニューは、餅だけではなく様々にあります。
たとえば、おこわや赤飯などももち米を使うメニューです。
また、おはぎや柚餅子などといった和菓子にもよく使われています。

そのため、レストランやホテルといったお客様に食事を出す施設だけではなく、和菓子屋さんでも業務用もち米は必須の食材です。
さらに、介護施設や学校給食など、大勢の人が食べる食事を作る施設でも、業務用もち米を使うケースが多くみられます。

良い業務用もち米のポイント

業務用もち米を使う際でも、より良い品質のものを選びたいものです。
もち米に限らず、うるち米も同じことが言えますが、粒の大きさが均一なもち米は、良質だといわれています。
あまりにも欠けた米が目立つ場合は、要注意です。
また、粘りが強いもち米も、柔らかい食感で非常に美味しく食べられるため、良いもち米と言えます。

業務用もち米の人気銘柄を紹介

業務用もち米の中でも人気の銘柄を、特徴や産地、メニューなどを踏まえてまとめていきます。
銘柄を選ぶ際の参考していただけるでしょう。

銘柄 産地 特徴 メニュー
ひよくもち 福岡・佐賀など
(九州地方のみ)
炊いても硬くなりにくいキメが細かく粘りがある

ふ先色は褐色

赤飯おこわ

ちまき

のし餅

大福

ヒメノモチ 岩手など 白さが際立つお米比較的あっさりした味

ふ先色は黄白色

赤飯おこわ
はぶたえもち 滋賀 柔らかくて粘りがあり、きめ細かな舌ざわりが特徴です。

昭和27年から昭和64年まで、正月用の餅として昭和天皇に献上されていました。

この品種は「幻のもち」とも呼ばれており、栽培が難しく収穫量も少ないため、

希少価値が高い

お餅

羽二重餅

はくちょうもち 北海道のみ 冷めても硬くなりにくい

炊飯器でも簡単に炊ける粘りが強く柔らかな食感

ふ先色は黄白色

お餅おはぎ

赤飯

大福

こがねもち 新潟・宮城など 舌触りが滑らかもっちりとした歯ごたえがある

こがねもちから作ったもちは、コシの強さや伸び、風味が高く「もち米の王様」と名高い

ふ先は褐色

お餅笹団子

お雑煮

おしるこ

カグラモチ 埼玉など 埼玉で生まれたもち米滑らかで甘みが強い

ふ先は淡紅

お餅おこわ

赤飯

〆張りもち 新潟のみ 非常に希少な品種こがねもちを超える滑らかさと粘り お餅

ひよくもち

福岡県で交配され他のが始まりで、佐賀県が名産地として有名です。
作付けは、九州に限定されているため、九州のブランドといってもいいでしょう。
ブランド名にもなっている「ひよく」は肥沃な土地という意味があります。

ヒメノモチ

白くて美しい餅を作るなら、断然ヒメノモチがいいでしょう。
岩手県を筆頭に、全国で13県ほどのエリアで生産されています。
業務用もち米の中でも、作付け面積が非常に広いく全国でもっとも多く生産されているのが特徴です。
あっさりとした風味もヒメノモチが持つ魅力で、おこわや赤飯にも最適だといわれています。

はぶたえもち

柔らかくて粘りがあり、きめ細かな舌ざわりが特徴です。
お餅はもちろん、「羽二重餅」という名称で和菓子としても浸透。
昭和27年から昭和64年まで、正月用の餅として昭和天皇に献上されていましたほどの由緒ある歴史があります。
この品種は「幻のもち」とも呼ばれ、栽培が難しく収穫量も少ないため、希少価値が高いとされています。

はくちょうもち

北海道で交配され誕生した「はくちょうもち」は、現在も北海道のみで作付けされています。
誕生したのは1989年のことで、比較的新しいもち米だと言えるでしょう。
炊飯器でも簡単に炊けるので、業務用はもちろん家庭でも重宝されるもち米です。

こがねもち

人気の業務用もち米といえば、「もち米の王様」ともいわれる「こがねもち」の存在を外すことはできません。
もっとも多く生産されているのは新潟県で、続いて宮城県が主な生産地です。
全国で5県が生産をしています。
もち米の中でも、ロングセラーと言われ非常に人気が高い品種です。
煮崩れしないことから、お雑煮やおしることしても重宝されています。

カグラモチ

埼玉県で生まれたのが「カグラモチ」というもち米です。
「神楽」という名称からもわかるように、神社仏閣のお供えとして使用される傾向にあります。

〆張りもち

大正14年の奨励品種選出以来、新潟県で栽培がスタートしたのがこの品種です。
病害に弱いのが特徴で手間がかかるため、一時は見られなくなっていましたが、現在は新潟にある一部の農家でのみ栽培される非常に珍しいもち米です。
もち米の王様と呼ばれるこがねもちをも超える滑らかさと粘りで、隠れた人気を博しています。

まとめ

業務用のもち米は、用途によって銘柄を変えることで、より美味しいメニューに仕上げることができるでしょう。
また、美味しいもち米のポイントを押さえておくと、美味しいもち米を選ぶ際の基準となります。
業務用でもち米を使用する際は、それぞれの特徴を把握した上で選ぶように心がけましょう。

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