コシヒカリやあきたこまちのようなブランド米と比較して、業務用のブレンド米はどうしても味覚や見た目も劣るイメージがあります。しかし、ブレンド米だから出来るメリットもいろいろにあるのです。今回はそんな業務用ブレンド米について再考します。
ブレンド米のイメージが一掃するかもしれません。
ブレンド米とは
ブレンド米とは、品種、産地の異なる複数のお米を組み合わせたものをいいます。「コシヒカリブレンド」という銘柄の表示があるものはコシヒカリが50%以上の比率で配合されていることを意味しています。
お米にはそれぞれの特徴があります。
さっぱりとした食感、甘みの強いお米、冷めてもおいいし、そんな特性をブレンドすることで、目的に適したお米、単一銘柄米以上のオリジナル米を作ることも可能なのです。本来ブレンド米とは、お米に精通した熟年者が、品種の系譜・食味分析の計測データと長年の経験を駆使してブレンド精製します。そうすることで、それぞれの特性を生かし、単一銘柄米以上の品質を安価で販売出来ることを可能にしたものとイメージしたいところです。
業務用で使用するブレンド米のメリット
米の生産は、同じ銘柄、同じ産地でも、生産者や気候の変化で食味値に違いがあり一定ではありません。
お米をブレンドする大きな目的のひとつに品質を安定させる目的があります。
それ以外ブレンドすることで生まれるメリットは下記のものがあげられます。
■ 味
メニューが豊富な店舗にはどんな料理にも合うお米が理想的です。おにぎりや弁当なら冷めても美味しいお米、丼にならタレとの絡みの相性の良いものなど、目的に合った品質のものが最良のお米。それぞれの目的に適した銘柄のものをブレンドすることで、最良のオリジナルなお米ができ上がります。
■ 品質
単一銘柄米は、たとえ同一の銘柄のものでも、その年の気候や生産者によって味や品質に違いが生じます。オリジナルな味を提供するためには、常に同じ品質のお米を確保する必要があります。そのためにも、お米をブレンドすることで気候に左右されない品質を安定させることが可能になります。
■ 安定量
複数の銘柄米をブレンドすることは、味覚、品質の統一されたお米を中・長期的に確保できることにもつながります。
■ 価格
業務用ブレンド米ではそれぞれの目的に合わせたブレンドが可能です。味が良く、安定量が確保でき、尚かつ、他と比べ安価での取引も可能です。ブレンドするお米には、良質の外国産のお米や「未検査米」なども使用されています。外国産のお米や未検査米に粗悪イメージがあるかもしれません。
一時出回ったタイ産のお米が日本人の味覚に合わなかったことは記憶に残っています。お米にはインディカ米(インド型)、ジャポニカ米(日本型)、ジャパニカ米(ジャワ型)の種類があり、味覚、形状、香りにも違いがあります。
・ジャポニカ米
日本で獲れる米のほぼ全ての米はジャポニカ米です。
・インディカ米
タイ米もインディカ米に属します。インド料理でライスに使用されるお米。
長細い形状、独特の香りが強く、パサパサとした食感が特徴です。
・ジャパニカ米
パエリアやリゾットに使用されるお米。
大粒で、インディカ米に近い食感です。外国産でもジャポニカ米は存在します。カリフォルニア産ジャポニカ米などは日本の国産米と変わらない食感が楽しめます。
また、非検査米も農家の皆さんが食する「まかない米」のようなもの。味覚に遜色のない優良米も多く存在します。
美味しいブレンド米の選び方
業務用ブレンド米が一概に家庭用米に劣るとは限らないとはゆうものの、粗悪な商品が出回っているのも事実です。
良質なブレンド米を確保するための最も大きな注意点は
■ 仕入れ業者に注目する
良い品質のお米を確保する、ブレンド米の場合は特に仕入先がいかにお米に精通しているかその熟練度「目利き」が大きく影響します。
・お米マイスター
お米マイスターとは、日本米穀小売商業組合連合会が主催する、経験豊富な販売者のみが受験資格を持つ制度です。この資格を有するということは「お米に対する広く深い専門知識と豊富な実戦経験をもつ」証であるといえます。産地の研究、品質の見分け方、精米やブレンド技法などの熟練した知識を兼ね備えています。
・ごはんソムリエ
日本炊飯協会が認定する資格。お米の品種や食味、銘柄に関する知識以外、炊飯の科学、ご飯の栄養成分や健康との関係など幅広い知識を有します。
これらの資格を所有する業者を利用するのも優良業者を選ぶ基準のひとつになるものと思われます。
ご飯を美味しく炊く方法
最近では炊飯器などの器具でも炊き上がりに大きな差がありますが、意外と軽視しがちな炊き方にも美味しく炊き上げる秘訣があります。
1、 計量
水分量は計量カップを使用し、しっかり計量。ふっくら美味しいご飯を炊く大きなポイントは「水加減」です。
2、 洗米
お米は研ぎ始める前に2〜3度軽く洗米してください。これはお米に着いたヌカを洗い流すことでヌカの臭いを炊き上がりに残さないようにするため。
3、 米研ぎ
水を切った状態で優しく研いでください。米の形を壊さず、洗い残しを防ぐため。栄養価や旨味を逃さないようにするために、うっすらと米が透けて見える程度の透明度まで研げれば終了です。
4、 浸水
研ぎ終えた米はしばらく水に浸しておいてください。夏場には30分、冬場や古米は1時間が理想です。お米の芯まで熱を通りやすくすることで、米の甘味や旨味をより濃厚に引き出します。
5、 炊飯
炊飯前には内鍋に着いた水を吹き取ることを忘れずに。これは炊きムラを防ぐため。
6、 ほぐす
炊き上がりを均等にするための仕上げの行程です。まず、シャモジで十字に切って、4等分された底からひっくり返すように、お米の形を崩さないようにほぐしてください。
まとめ
業務用ブレンド米はただ単に、コストダウンのための「混ぜ物」のお米ではなく、そのメニューに相応しいオリジナルなお米をブレンドするため。長期間位一定の味を提供す流ための工夫であることを考えれば、なるほど納得のこだわりです。
味に精通する匠の技の味わいは、街角の通い慣れた定食屋にも共通するものと思います。
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