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業務用のもち米・うるち米の用途、カロリー、成分、蒸し方をご紹介

目次

お正月が近くなると、業務用米の中でもよく耳にするのがもち米という言葉です。米の品種を表す言葉としてなんとなく普段から使っている言葉ですが、詳細な意味まで説明できる方は少ないのではないでしょうか。

今回はそんな業務用のもち米に注目し、どのようなお米なのかを調べてみました。


1.業務用のもち米とうるち米の違いについて。気になるカロリーも比較

もち米とは白米の中の一種で、おこわ、赤飯、お餅などの原料となります。白米のもう一つの種類はうるち米で、普段炊いて食べるお米です。

もち米とうるち米はよく比較されるのですが、どのような違いがあるのでしょうか。表にまとめてみました。

項目もち米うるち米
見た目乳白色で不透明白色で半透明
でんぷんの成分アミロペクチン100%アミロース20%、アミロペクチン80%
カロリー(100gあたり)359kcal358kcal
吸水率(2時間あたり)30~40%20~25%
品質の劣化遅い速い
粘り強い弱い


もち米の方がでんぷんの成分の違いから粘りが強く、吸水率も高いことからお餅やおこわを作るのに適していることがわかります。

関連記事:もち米とうるち米の違いとは


2.業務用のもち米の品種について

うるち米の品種はブランド米として販売されているのでその名前を耳にすることも多いと思いますが、もち米の品種にはどのようなものがあるのでしょうか。いくつかご紹介します。

①ヒメノモチ

もち米の中でも作付面積が広く、全国13県で作付されています。最大の特徴は「白さ」と「コシの強さ」です。比較的味があっさりしているのでおこわや赤飯に向いています。

②こがねもち

新潟で誕生したもち米で、穂先が黄金色だった事からこの名前がつけられました。その高い品質から人気はロングセラーとなり、「もち米の王様」とも呼ばれています。舌触りが良く新潟名産の笹団子にも使われています。

③ヒヨクモチ


福岡県で誕生し、肥沃な土地という意味の「ヒヨク」という言葉をとって名付けられました。現在は九州地方のみで作付けされています。炊いても固くなりにくいので、のしもちや大福にも多く使われています。

④はくちょうもち


1989年と比較的新しく誕生したもち米で、北海道産もち米の主力品種です。炊飯器で炊けるもち米でやわらかさが長持ちするという特徴があり、一般家庭でも多く食べられています。お餅、大福、おはぎなど家庭で作れるものに向いています。

⑤カグラモチ

埼玉県で誕生し、「神楽」が名前の由来で神社や仏閣のお供え用として用いられることが多いもち米です。なめらかで甘みが強いのが特徴的で、お餅、おこわ、赤飯などに向いています。


3.業務用もち米の価格について

業務用もち米は現在10kgあたり3500円~7700円ほどで取引されていて価格の幅は比較的広いと言えます。

この価格の中には先ほどご紹介したもち米の中のブランド米と言える品種から、国内産ではあるけれども品種が明記されていないもち米、また無洗米も含まれているので、様々な種類の業務用もち米の中からニーズに合わせて比較検討の上購入するのが賢い方法と言えるでしょう。


4.業務用もち米をおいしく食べるコツ

うるち米は普段家庭でも炊くので食べ方が全くわからないという方は少ないと思われますが、もち米の食べ方については意外とわからない方も多いのではないでしょうか。いくつかコツをご紹介します。


①もち米をとぐ場合は優しく洗う

もち米は柔らかいので、強く洗うと粒が壊れて食感が悪くなってしまいます。お餅にする場合は4~5回、お餅にしない場合は2~3回軽めにすすぐ程度で十分です。


②炊き方


炊飯器の場合

30分ほど浸水させ、水は少なめにして炊くのがコツです。


土鍋の場合

1時間ほど浸水させますがその水は捨てて新しい水を入れて炊くのがポイントです。中火にかけて沸騰したら弱火にして15分ほど炊き上げます。火を止めて15~20分ほど蒸らし、全体をしゃもじでゆっくりかき混ぜれば完成です。


圧力鍋の場合

1時間ほど浸水させますがその水は捨てて新しい水を入れて炊くのがポイントです。圧力鍋の蓋を閉め、圧力がかかったら弱火にして5分ほど炊いて火を止めます。蓋が開けられるようになったら開けて下からしゃもじで返すようにかき混ぜれば完成です。


せいろや蒸し器で蒸す場合

2時間、多くて8時間ほど浸水させますが、つけておいた水はザルなどでしっかり切ることが大切です。せいろや蒸し器に布をひき、強火で25~30分ほど蒸します。

蒸し終わったらすぐに周りから1周するようにもち米をほぐし、十文字に切れ目を入れて底からひっくり返すように空気を入れながら優しくほぐします。


5.業務用もち米の保管方法

美味しく、用途も幅広い業務用もち米の品質をなるべく落とさずに保管するにはどのようにすれば良いのでしょうか。

もち米は油分が少なく酸化しにくいので長期保存が可能ですが、虫に食われることと湿気を避けたいので冷暗所での保管が適しています。

温度は10~15度がベストのため冷蔵庫の野菜室などは適していますが、冷凍庫は向いていません。密封した容器に入れて、適切な環境で保管するようにしましょう。

関連記事:ひよくもち米とは?(ヒヨクモチとは)


6.まとめ

業務用もち米は用途が広く、うるち米とは違った適切な炊き方や保管方法が必要です。また価格や品種もさまざまなので、ニーズや用途に合ったもち米を選ぶことができるのも魅力的と言えるでしょう。