本記事は業務用米の相場について知りたいけど、よく分からないという方に向けての記事です。例えば会社やお店で業務用の米の仕入れを担当することになったら、
・業務用米の相場観を知るには、どうすれば良いか
・そもそも業務用米・家庭用米・飼料用米の違いがよく分からない
・2018年現在、業務用米が何故、不足しているのか分からない
・業務用米の不足で何が起こるのか知りたい
こんな疑問がでてくるのではないでしょうか。本記事では、そんな業務用米の相場についての疑問にお答えします。
1 業務用米の相場観を知る方法
業務用米によく使われている米の相場を調べれば、業務用米全体の相場観がわかると言ってよいでしょう。業務用米とはレストランやお店等で使われる業務用の用途で食べられるお米のことです。例えば、業務用米でよく用いられている米なら
・北海道きらら397
・青森まっしぐら
・岩手ひとめぼれ
・栃木あさひのゆめ
等が挙げられます。こららの代表的な業務用米の最近の価格の推移を調べれば、業務用米の全体的な相場観をつかみやすくなります。
全体的な業務用米の相場観をつかむことができれば、業務用米を仕入れる際の参考になるのではないでしょうか。しかし、どこで業務用米の価格動向を調べればよいのか分かりづらいですよね。例えば、農林水産省やJA、米穀機構、等のページには価格調査の結果が資料としてアップロードされています。これらの資料をもとに、代表的な業務用米に使われる米の相場を知ることができます。
また、業務用米の品種が決まっているなら、全体の相場だけでなく仕入れる米の品種の価格の推移にも注意をはらうと良いでしょう。全体的な業務用米の相場と仕入れる品種の米の相場を比べることでも、買付の選択肢は広がります。
2 業務用米・家庭用米・飼料用米の違い
そもそも業務用米とは、どんな米なのでしょうか。米は用途に応じて、
・業務用米:レストランやコンビニのおにぎり・お弁当等で使われる米
・家庭用米:家で食べる一般的な米
・飼料用米:家畜の餌になる飼料用米
の3種類に分けることができます。用途に応じて分けることになるので実は、どんな品種の米でも業務用米にもなれば家庭用米になることもあります。しかし業務用米で、よく使われる品種があります。業務用米でよく使われる品種が業務用米の代表として選ばれ、業務用米の相場の指標として使われます。
3 業務用米が不足している理由
現在、業務用米は不足しています。理由はあまり生産者が、積極的に業務用米を生産したがらなくなったことが原因です。そして、今まで業務用米を生産していた農家も、家庭用米・飼料用米の生産にシフトしています。では何故、業務用米を生産者がつくりたがらなくなったのでしょうか。
業務用米を生産者があまり積極的につくらなくなった理由は
・付加価値をつけづらく高単価で売れないから
・相場の変動で安定した価格で売れないから
この2点が主な理由です。
家庭用米は付加価値をつけた高単価な商品として売ることができます。現在、ご家庭でも美味しいお米の需要があります。
米のブランド力を高めれば利益率の高い高単価な米を家庭向けに売ることができるの農家も積極的に家庭用の米の生産をするようになりました。
一方、飼料用米は業務用米よりも安いので、あまり利益にならなそうです。しかし、実は飼料用の米をつくると政府から補助金が支給されます。
飼料用米の生産・販売は安定した補助金を国から得られるので、業務用米の生産・販売のように相場の変動で収入が不安定になりません。
4 業務用米不足が原因で、業務用米の値があがる
業務用米を生産者が積極的につくらないことで、市場への業務用米の供給量は減ります。一方で業務用米は外食産業や中食産業(例えばコンビニのお弁当等)で、たくさんの量が必要とされています。
そして業務用米の市場への供給量が減り、需要が高まると業務用米の値段があがります。業務用米の値段があがると何が起こるでしょうか。結論から言うと業務用米が使われるレストランの料理やコンビニ・スーパーのお弁当やおにぎり等の価格が値上がりしやすくなります。なぜなら業務用米の値段があがった分を価格に上乗せしなければ、利益を出しづらくなるためです。現在は外食産業や小売産業は人手不足で日本人だけではなく、外国人の働き手の力を借りないといけないほど、経営が難しい時代です。働き手を集めるために外食産業も小売産業も人件費を上昇させざるをえない状況になっています。
そうなると業務用米の価格と人件費の上昇が外食・中食の商品・サービスに上乗せされてしまいます。人件費の高騰だけでなく、業務用米の価格も高騰したら二重に外食・中食の商品・サービスの値段があがり、価格競争力を保つのが難しくなる業者もいるのではないでしょうか。
まとめ
業務用米の相場の動向を知るなら、業務用米によく使われる品種の米の値段を農林水産省等のWEBサイトから調べるとわかりやすいです。
今回ご紹介した内容をまとめると、業務用米はレストランやコンビニ・スーパー等が仕入れる米で、業務用米は生産者がつくるメリットが家庭用米や飼料用米よりも小さいので、積極的につくらないので不足します。業務用米不足は外食・中食の商品・サービスの価格の上昇につながります。
株式会社みどりフーズは専門の米食味鑑定士が多数在籍するお米専門の卸会社です。
大正2年創業、創業から100余年の豊富な経験と実績からお客様のニーズに合った最適なお米をご提案しております。