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コラム

もち米(餅米)とうるち米の違い、おいしい炊き方と水加減の計算

もち米(餅米)とうるち米の違い、炊飯器のおいしい炊き方と水加減

目次

以前「業務用のもち米について 用途、カロリー、成分、蒸し方などをご紹介」の記事で、もち米とはどのようなお米なのか、うるち米とはどのように違うのかを解説しました。この記事では、もち米を食べるのが更に楽しくなる、美味しく炊ける水加減のコツからもち米を使った料理やスイーツまで詳しくご紹介します。


うるち米ともち米の違いは、アミロースとアミロペクチンの配合


白米はうるち米ともち米の2種類に分類され、うるち米は普段炊いて食べるお米、もち米はお餅、おこわ、赤飯などの原料となります。

うるち米は、アミロース20%、アミロペクチン80%
もち米は、アミロース0%、アミロペクチン100%


炊いたときの粘りが違うのも特徴です。

アミロースとアミロペクチンについて

アミロースとアミロペクチンは、植物のでんぷん(澱粉)という炭水化物の主要な成分です。
アミロースは、アミロペクチンと比べて比較的直鎖状の構造を持つポリマーです。
アミロース分子はグルコース単位がα-1,4-グリコシド結合で連結された鎖状構造をしています。
この直鎖構造により、アミロースは水に対して比較的不溶性を示します。
また、アミロースは加熱や冷却による再結合によりゲル化する特性を持ちます。

一方、アミロペクチンは、アミロースと比べて分岐構造を持つポリマーです。
アミロペクチン分子はグルコース単位がα-1,4-グリコシド結合で連結した直鎖部と、α-1,6-グリコシド結合によって分岐した枝部から構成されています。
アミロペクチンはアミロースと比べて分岐が多いため、水に対してより溶解性が高く、加熱や冷却によるゲル化能力も高いです。
アミロペクチンはでんぷんの主要なエネルギー貯蔵形態であり、植物の種子や塊根、穀物などに豊富に存在します。

アミロースとアミロペクチンは、澱粉の性質や機能に影響を与えます。
例えば、アミロースの割合が高い澱粉はゲル化能力が低く、水分を吸収しにくいため、結果として加熱後の硬さや食感の向上に寄与します。
一方、アミロペクチンの割合が高い澱粉はゲル化能力が高く、水分をよく保持し、結果として加熱後の柔らかさや粘りを増す特性があります。
アミロースとアミロペクチンの割合や構造は、澱粉の種類や植物の種類によって異なります。

もち米とうるち米の違いとは

もち米とうるち米の違い

うるち米ともち米は、日本で広く栽培されている二つの主要な種類のお米です。主な違いは、その粘りと食感にあります。
うるち米は、外側の糊層(ぬか)を取り除いても、その内側にあるでん粉質の部分が一粒一粒独立しているお米です。
一般的に、うるち米は硬めの食感で、粘り気はあまりありません。日本で主に白米として食べられています。

一方、もち米は、うるち米よりも糯性(のうせい)が強く、加熱するとより粘り気が増します。
もち米は一粒一粒が独立していないため、外側の糊層を取り除いても、独特の粘りが残ります。
もち米は、炊き込みご飯やお菓子などに広く使用されています。

また、もち米には「糯米」と「もち米」という2種類があり、糯米は中国で主に栽培されており、もち米は日本や朝鮮半島で主に栽培されています。
ただし、日本では「もち米」という呼び方が一般的で、「糯米」という呼び方はあまり使用されません。

ここで、さらに細かくうるち米ともち米の違いを表にまとめてみました。

比較項目うるち米もち米
見た目白色で半透明乳白色で不透明、うるち米より粒が小ぶり
でんぷんの成分アミロース20%、アミロペクチン80%アミロペクチン100%
カロリー(100g)168kcal202kcal
吸水率(2時間あたり)20~25%30%~40%
品質の劣化速い遅い
粘り弱い強い

もち米は吸水率が高く粘りがあることからもっちりとした食感が楽しめるのがわかります。

参考:文部科学省「食品成分データベース」

うるち米を使ったレシピ

うるち米は、主に白米として食べられることが多いですが、実は様々な料理に使用することができます。
以下に、うるち米を使用した代表的なレシピを2つ紹介します。

焼きおにぎり

焼きおにぎり


材料(4人分):
・うるち米 2合
・水 2.5カップ
・塩 少々
・油 適量
・鮭 1切れ
・青ネギ 適量

作り方


もち米の場合は水の吸収率が良いので、精米した後すぐに炊飯することもできますが、うるち米を洗い、水に漬けて1時間ほどおく。
鍋に水と塩を入れ、米を研いで加える。中火で煮立たせ、弱火にして15分ほど炊く。
炊き上がった米に、刻んだ鮭と青ネギを混ぜ合わせる。
丸めた米に油を塗り、グリルで焼く。

五目炊き込みご飯

五目炊き込みご飯


材料(4人分):
・うるち米 2合
・水 2.5カップ
・鶏もも肉 100g
・人参 1/2本
・こんにゃく 1枚
・しいたけ 2個
・油 適量
・酒 大さじ1
・しょうゆ 大さじ1

作り方


もち米の場合は水の吸収率が良いので、精米した後すぐに炊飯することもできますが、うるち米を洗い、水に漬けて30分ほどおく。
鶏肉は一口大に切り、人参は皮をむいて一口大に切る。こんにゃくは小さめの角切り、しいたけは薄切りにする。
鍋に油を熱し、鶏肉を炒める。色が変わったら、人参、こんにゃく、しいたけを加えて炒める。
炒めた野菜に米を加え、水、酒、しょうゆを入れる。
中火で煮立たせたら、弱火にして20分ほど炊く。


もち米の洗い方、炊き方、水加減の計算

もち米の洗い方、炊き方、水の量


もち米の炊き方と水加減のコツをご紹介します。
もち米の美味しい炊き方の水加減は、もち米の重さの1.2倍。
もち米1カップに対して180ccの水加減でOK

材料:もち米、水
道具:お米を洗うためのざる、お米を計るカップ
炊飯器の種類や製品によって、炊き方が異なる場合がありますので、炊飯器の取扱説明書を参照してください。


もち米の選び方

もち米は品質によって炊き上がりが異なるため、高品質なもち米を選ぶことが重要です。新米やブランド米など、信頼できるもち米を選びましょう。

洗い方のコツ

作り方
1.もち米とかぶるくらいの水を入れ、米つぶどうしが削れないよう手早くすすぎ洗いしをして、すぐに水を捨てます。
2.水を入れ、回しながら洗い、水が白く濁ってきたら水を捨てます。これを2〜3回繰り返します。
3.釜にもち米と水を入れ、炊飯のスイッチを押します。
4.炊き上がったら、しゃもじで釜の周りを1周して、釜底からまんべんなく空気を入れるようにほぐします


炊き方のコツ

もち米の美味しい炊き方は、炊飯器を使うのが簡単です。
もち米は、普通の白米よりも水を少なめにして炊くともちもち感が出ます。

もち米はどんな料理に使いますか?おこわやお赤飯などの和風料理だけでなく、チーズやナッツなどを混ぜて洋風にアレンジすることもできます


もち米の場合はうるち米と比較すると水の吸収率が良いので、精米した後すぐに炊飯することができます。
浸水させずに炊くのがポイントです。
炊きムラ防止のため、お米をならして、できるだけ平らにしてから炊飯を始めてください。
炊き上がったら、しゃもじで釜底からまんべんなく空気を入れるようにほぐします。

1.計量を正確に

お米は正確に乾いた手で計量しましょう。
◎容器180mlの精米用計量カップすりきりで重量約150g。


2.洗米は手早く。3回程度で2.3分で終わる感覚

内釜で洗米する場合
●1回目
 もち米が入っている内釜に一気に水を入れ、
 手早くすすぎ洗いし、すぐに水を捨てます。
●2回目
 内釜に水をためながらとぎ洗いし、水を捨てます。
●3回目
 軽くすすぎ洗いし、しっかり水を捨てます。
◎手早く洗米すると、お米がとぎ汁を吸ってヌカ臭くなりません。
◎米研ぎで力を入れるとお米が割れて食感が悪くなる原因になります。
◎洗米した米は割れやすいので、洗米後はすぐに水加減をしてください。


3.水加減は1カップに対して約180ml追加して炊飯

水加減は、もち米1合に対して、水を約180ml入れてください。
また、使用する炊飯器のメーカーが推奨する水の量を守ることも重要です。
◎もち米の容量と同量、重量の約1.2倍(約180ml)の水の量が必要。
◎水加減はお好みで調節してください。


4.水に浸す作業は必要なし!

◎もち米は吸水率が良いため、浸漬すると炊くときに炊き水がない状態になります。


5.炊飯後の蒸らしでは、ほぐしておく

もち米を炊くときは、炊飯器の「もち米」モードや「おこわ」モードを使うと便利です。
もしそのようなモードがない場合は、「白米」モードで炊いてみてください。
炊き上がったら、ふたを開けずに10分ほど蒸らしてから、しゃもじでほぐしてください。

①お米をならして、炊きムラのないよう平らにしてからスイッチON
②炊飯器の説明に従って、炊飯・蒸らしを行ってください
③釜の周りからごはんをはがすようにしゃもじを1周させます。
④しゃもじで切るように、釜底からまんべんなく空気を入れるようにほぐします。
◎透明感と光沢のあるごはんになります。


水加減のコツ
白米、玄米、もち米の水の量の違いを表にまとめてみました。
水加減は1〜2割少なめの計算が適当です。もち米1カップ(1合)に対して、水は約180mlが妥当な量。

お米の種類(各1合、180ccに対して)水の量
白米200㏄(1.1~1.2倍程度)
玄米270㏄~360㏄(1.5~2.0倍程度)
2合なら600cc、3合なら900ccの水が必要
もち米180cc(1倍)
2合なら360cc、3合なら540ccの水が必要


つまり、もち米は白米や玄米と比較すると少なめの水加減でよいことがわかるでしょう。


もち米を使った料理・スイーツ

もち米を使う料理とスイーツを1つずつご紹介します。

赤飯

赤飯

もち米を使った赤飯は、お祝い事や特別な日に欠かせない定番の和菓子の一つです。以下は、もち米を使った赤飯の基本的な作り方です。

【材料】
・もち米 2合
・水 適量
・砂糖 120g
・醤油 大さじ2
・みりん 大さじ2
・塩 少々
・あんこ 適量
・きな粉 適量

作り方

もち米を洗って水に浸し、30分程度おいて水を切る。
鍋にもち米と水を入れ、火にかける。
沸騰したら、弱火にして10分間蒸し煮する。
砂糖、醤油、みりん、塩を混ぜておく。
蒸し煮が終わったら、砂糖や調味料を加え、弱火にして20分間煮る。途中で混ぜることが大切です。
煮汁がほとんどなくなり、もち米によく味が染み込んだら火から下ろす。
蒸し器にあんこを入れ、小さく丸めていく。
もち米を手で混ぜながら、あんこを包んでいく。
きな粉をまぶして完成。
火加減や調味料のバランスは、お好みに応じて調整してください。


赤飯はその見た目からお祝い事の時に炊くイメージが強いですが、うるち米と比較するとたんぱく質、カリウムなどの含有量が多く、栄養価の高いヘルシーな料理とも言えます。

食生活で体調を整えたい方におすすめです。

道明寺

道明寺は、もち米を練って作る和菓子の一つで、もち米をしっかりと練り上げて、つるりとした食感が特徴です。
もち米を使った皮で餡を包んだおはぎのような関西風の桜餅です。
皮を作る際に使われる道明寺粉が名前の由来と言われています。


以下は、もち米を使った道明寺の基本的な作り方です。

【材料】
・もち米 2合
・水 400ml
・砂糖 80g
・片栗粉 適量
・きな粉 適量

作り方

もち米を洗って、水に浸けて3時間ほどおく。
もち米を研いで水を切り、耐熱ボウルに入れる。
鍋に水と砂糖を入れ、火にかける。
沸騰したら、弱火にして砂糖を溶かし、さらに3分ほど煮る。
砂糖水をもち米に加え、よく混ぜる。
ラップをしてレンジで加熱する。500Wで10分、取り出して混ぜ、さらに500Wで2分加熱する。
ぬれ布巾に片栗粉をまぶし、道明寺を作る。
道明寺を一口大に切り、きな粉をまぶす。
火加減や加熱時間は、機種や電力によって異なるため、目安として考えてください。
また、道明寺には黒蜜や抹茶、あんこなどをかけて食べると美味しいです。

関西風の桜餅



参考:文部科学省「食品成分データベース」


まとめ

結果としまして、もち米は吸水率が高く粘りが強いという特徴があるため、水加減は白米や玄米と比較すると少なめとし、浸水させずに炊くと美味しくなることがわかりました。
なぜなら、もち米を使用した料理は美味しいだけではなく、栄養価が高いため身体にも良いとされていますので、ぜひ積極的にもち米を食べて、健康的な生活を送りましょう。

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