業務用米を扱うにあたり、特に注意すべき点などあるのでしょうか?
家庭用米との違いは?
明確な品質の違いがあるとすればその見分け方は?
今回は業務用米と家庭用米の違い、品質表示についてご説明します。
業務用であれ家庭用であれ、間違いのないお米の選び方に違いはありません。
業務用米(業務米・業務用コメ)と家庭用米の違いとは
違いがあるとすれば、主な使用法。
家庭用米は食卓に並ぶ一膳のご飯のためのものであるのが主な役割。
白いツヤとモチモチとした食感、適度な甘味を含んだご飯には単一ブランド米であることが望まれています。
「業務用米」 主食用米は家庭用米と業務用米に分かれている。 業務用米は低価格なことから総菜メーカーなどの中食やレストランなどの外食業界が使う。 家庭用米は新潟産コシヒカリなどブランド米を含む。(日本経済新聞)
これに対し、料亭などでの使用されるブランド米以外、業務用米はすし米や丼米以外にもメニューに合わせ米を加工する場合も多く、また、長期にわたり同質の供給を確保するためやコスト面においてもブレンド米を扱うことが多くなります。
もし業務用米との違い、家庭用米を定義するなら、
「家庭用米」
高級ブランドの単一銘柄米が家庭用米として扱われることが多いということがあげられるといえます。
単一銘柄米・複数原料米
では単一銘柄米とはどうゆう米なのか、改めて考えます。スーパーなどで販売されているお米の表示には「国産〇〇○米」、または「国産〇〇○ブレンド米」という表示をよく目にします。
本来、お米の販売には「産地」「品種」「産年」「使用割合」の記載が義務付けられています。
単一銘柄米とは
産地、品種、産年が同一で農産物検査を受けた原料米を100%使用したものに限られ「△△県産○○○」と表示されます。産地、品種が同一でも産年が違うものが少しでも加えられていたら、それは単一銘柄米として扱われないのが正解です。また産地を示さず、ただ単に「国産○○○米」の表示は認めらてれていません。
「国産○○○ブレンド米」の表示の意味は国内で生産された同一の銘柄米が50%以上、そのほか国内産の他の銘柄が含まれるブレンド米であるということになります。
複数原料米とは
「産地」「品種」「年度」が異なるものを混ぜたもの、条件のひとつでも全てでも複数原料米となります。また、未検査米も複数原料米として扱われます。
美味しい業務用米と家庭用米の違い 6つのポイント
お米には販売に際し、JAS法に基づく内容の表示が義務付けられています。
JAS法
JAS法とは、「農林物資の規格化及び、品質表示の適正化に関する法律」をいいます。この法律によって全ての販売者に対して一定の表示を義務付ける「品質表示基準制度」が定められています。
定められた食品表示
袋詰めされた裏面には表示シールが添付されています。上から順に説明します。
●米の種類
- 精米
- うるち米
- もち精米
- 玄米
- 発芽玄米
1.名称米の種類
「精米」「うるち精米」「もち精米」「玄米」「発芽玄米」の表示に分かれます。一般に消費されるお米はうるち米といいます。稲の籾(もみ)の状態からもみ殻を取り除いたものを玄米、ヌカを取り除き胚芽を残したものを胚芽米、ヌカ・胚芽を取り除いたものが精米です。「うるち米」と「もち米」の違いは、主成分のデンプンにアミロースが含まれるか含まれないかの違い。アミロースが含まれるものはうるち米、アミロースが含まれないものがもち米です。
2.原料玄米品種
「単一原料米」と「複数原料米」に別れます。
「単一原料米」とは、100%同一の銘柄のものをいいます。農産物検査法の認定を受けた「産地」「品種」「産年」を記載しなければなりません。
「複数原料米」、同一の銘柄の米が50%以上配合のものは銘柄の表示が可能になります。ブレンドされた割合の多いものから順に、国内産または産出国名、「産地」「品種」「産年」「配合割合」の記載が義務付けられています。
3.内容量
4.精米年月日 「精米」された年月日の記載
玄米の場合は「調整年月日」、輸入品で精米された日付がわからない場合は「輸入年月日」と記載されています。
5.販売者
「氏名、または名称」「住所」「電話番号」が記載されています。この表示を理解することがどういう品質のお米であるかを見極める重要な秘訣になります。
6.QRコードや認識番号
米袋にQRコードが印刷されたものがあります。これは日本穀物検定協会が提供する「情報提供システム」です。WEB上でコードや認識番号を入力すると、お米の基本情報(産地、品種、特徴)や安全性(残留農薬、放射線濃度)、品質(食味、鮮度、ツヤ、成分)などの情報を見ることができます。
※公益社団法人・米穀安定供給確保支援機構「米に関する調査レポートH28-1」から作成(ヤンマーHP)参照。
市場では一般家庭用から外食産業向けの業務用米の需要が増加傾向にあります。
業務用米でも家庭用米でも要注意、上手な保存法
たとえせっかく仕入れた質の良いお米でも、保存方法に問題があればどんどん劣化してしまいます。
そこで、意外と軽視してしまいがちな品質を保つための保存方法についてご紹介します。
お米を劣化させる原因には以下のものがあります。
酸化
お米は精米した状態から酸化が進みます。袋詰めされた状態でも米袋には空気穴がありそこから酸化が進みます。適当な容器に移し替え、夏場なら2〜3週間、冬場でも2〜3ヶ月で使い切るようにしましょう。
湿気
調理台やシンクの下は高温多湿になる可能性大。要注意です。
保存場所
風通しが良く、湿気が少なく、暗い場所。一定の低温が保てる冷蔵庫がおすすめの保存場所です。一般家庭なら野菜室での保存がおすすめです。
保存方法
しっかり密閉できるプラスチックの容器などに移し替えてください。前のお米は使い切った状態で、容器は軽く乾拭きして入れ替えです。
この時、鷹の爪を入れておくと虫の発生を予防する効果があります。
まとめ
スーパーや大手量販店でも、安いお米の表示に惑わされることがあります。
正確な表示が義務付けられているとはいうものの、現状では必ず詳細まで守られていない物もあるのは事実です。
だからこそ、食を提供するものにとって米の目利きは重要な課題でもあります。
味の良し悪しの判断力、調理の腕に加え、米の質を見極める眼力も極めたい要素であるといえるのではないでしょうか。
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