「銀シャリ」という言葉を耳にしたことがある人は多いでしょう。
ただ「銀シャリ」の語源については、よく知らないことがありませんか。
「銀シャリ」がどんな業界でどのように使われる言葉なのかについて詳しくご紹介します。
ここでは、「銀シャリ」という言葉がどういう歴史や背景で誕生しているのかを見ていきます。
「銀シャリ」の語源の意味とは
「銀シャリ」は、白米のことを指しますが、場合によっては「シャリ」とだけ言われることがあるかもしれません。
寿司で俗にいう「シャリ」にはどんな意味の語源があるのか、「銀シャリ」には、さらにどんな意味があるのかを知ってみると興味深いでしょう。
「銀シャリ」の由来とは
由来としては3つ考えられます。
①すし屋などで米や白飯を「シャリ」と呼ぶのは、色や形が火葬したあとに残る粒状の骨の「舎利(しゃり)」と似ていることからです。
②一つは、白米の中でも外側に近い部分に位置するため、表面が銀色に輝くことから「銀シャリ」と呼ばれるようになったという説です。
③また、別の説としては、かつては精米に手動で石臼を使っていた時代に、玄米を砕くために使われる石臼についた銀色の粉が、内側に位置する部分に付着するために「銀シャリ」と呼ばれるようになったという説もあります。
いずれにしても、銀シャリという呼び名は、精米された白米のうち、内側に近い部分を指すことが一般的となり、その特徴的な風味や食感が人気を呼んでいます。
「シャリ」は仏教も語源とした貴重なもの
お釈迦様の骨「仏舎利」から付いているという説では、お釈迦様の尊い骨が白いきれいな米のようだと言う所からも由来しています。
「シャリ」は仏教に深いつながりがある言葉です。
さらに、「シャリ」はインドなどのサンスクリット語を由来としているという説があり、そちらでも遺体や遺骨「シャラーリ」がご語源と言われ、小さな米のような形の骨が語源となっています。
参考 シャリ/舎利/しゃり(飯)語源由来辞典
「シャリ」という言葉が使われたのは江戸時代から
それでは日本で「シャリ」という言葉が使われるようになったのは何時代からかですが、広まったのは江戸時代です。
語源でご紹介しましたが「シャリ」は仏教に関係があった言葉で、僧侶がまず「シャリ」という言葉を使うようになって広がりました。
広まった当時の江戸時代は、「シャリ」は白米のことを指した言葉で、白米一般のことを「シャリ」と広く呼んでいた時代です。
「銀シャリ」と呼ばれるようになった語源や背景は?
それでは「銀シャリ」とはいつごろから言われたのかですが、第二次世界大戦中から戦後の頃で、大正時代から昭和初期の食糧難の時代からです。
この頃には白米が貴重で、麦飯や代用食も多かったため、白米の貴重さから「銀舎利(銀シャリ)」と言われ始めました。
麦飯などに比べて、白米がピカピカしてまるで銀のように光ってツヤがあって貴重だったことから付いています。
その時代には贅沢な白米だったことから、単なる「シャリ」という意味の言葉ではなく「銀シャリ」という言葉で表現された背景があります。
白米を「銀シャリ」とよく使う業界とは
また、最近ではあまり一般的には「銀シャリ」や「シャリ」と言う言葉は使われなくなったのではないでしょうか。
今でも「銀シャリ」をよく使う業界と言えば、寿司屋でよく「シャリ」という言葉が聞かれます。
今の所、寿司屋以外では、白米を「シャリ」ということは少なくなっています。
「シャリ」はすし飯、「銀シャリ」は艶めく白米のこと
今では寿司屋の専門用語として「シャリ」という言葉が使われ、握り寿司用のご飯のことを「シャリ」と言います。
最近では、寿司屋で使うすし飯を「シャリ」と言い、「銀シャリ」は白飯の意味で使い分けられているのが一般的です。
まとめ
すし屋などで米や白飯を「シャリ」と呼ぶのは、色や形が火葬したあとに残る粒状の骨の「舎利(しゃり)」と似ていること。
「銀シャリ」の語源の意味について調べてきましたが、貴重なものとして扱われてきたことがわかります。
美味しい「銀シャリ」を炊きたいと昔から多くの日本人が思ってきました。
美味しいごはんの代名詞として定着している銀シャリの知識を深め、炊いた時に艶のあるご飯を炊くことで、「銀シャリ」らしい美味しいお米が炊けたと実感できるはずです。
参考 寿司に合う米(シャリ・寿司米)の銘柄ランキング、酢飯に合う寿司用米選び
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